※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2018年08月11日

キミのお金はどこに消えるのか 井上純一著




「キミのお金はどこに消えるのか」の監修は飯田泰之明治大学准教授。

Wikipediaを見ると

「専門は経済政策、マクロ経済学。内閣府規制改革推進会議委員」。

 しかし、ここに書かれていることは「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学」と同じと思えた。


 第1話は「高齢者医療費が増えたとしても日本経済は大丈夫」という話で、単行本のつけたしのところで井上さんはおおむねこういうことを書いてはる。

「老人だけの話ではなく、生活保護も、子育て支援も、障害者福祉も、社会保障全部に言えることだから!」


 第8話では、GDPは確実に増やせる、ということで

@公共事業をちゃんとやる
A公務員を増やす
B教育・医療に使うお金を増やす
C消費税を下げる
D@〜Cの財源は国債でまかなう

 バランスを見ていく必要はあるが、基本的にはこの方針で、GDPは増え、税収も上がると解決策を示してはる。

 もちろん、「バランスを見ていく」のが大事で、ちょっとだけインフレになってるのが、健全な経済だと。

 ほんと「ちょっとだけ」というのがめちゃ大事なんやろな。


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2018年07月16日

そろそろ左派は<経済>を語ろう レフト3.0の政治経済学 ブレイディみかこ×松尾匡×北田暁大




そろそろ左派は<経済>を語ろう レフト3.0の政治経済学
ブレイディみかこ×松尾匡×北田暁大

"デモクラティック・エコノミーの概念は、経済活動に関する決定権を社会で広く分散し、人々が自らの人生に主導権を持って金銭的安定を確保できる経済を実現しようという考え方"

北田「(日本の左翼は)『大事なのは経済だけじゃない』というのが変質して、『経済は大事じゃない』ということに」

(なるほど。私も労組に入っていたことがあるけど、後年になるほど政治的な主張がほとんどで、「賃上げ」などの経済的主張が減ったりほとんど無くなったりしたもんな・・・)


松尾「経済政策で人は死ぬ」


ブレイディ「欧州での左派は『健全な成長(Healthy Growth)』を訴えるのが普通」


用語

「新自由主義政策」のバックボーンは「新古典派(ネオ・クラシカル)」

彼らの言う「成長戦略(=構造改革)」は経済の天井(供給側)を揚げて行くもの。

松尾さんの言う「経済成長」とはケインズの言う「有効需要の原理」に基づき、「総需要の引き上げにより景気を押し上げていく」こと。

同じ「経済成長」という言葉を使っても意味が違う。

新自由主義では完全雇用を仮定し、失業している人を「怠け者」「能力の低い人」と考える。

ブレアは「メリトクラシー(能力主義)の社会を作る」と主張。社会流動性を上げようとし、職業訓練にはお金を出した。しかしこれは貧困から脱出する道は示すが、貧困は無くさない。また労働者階級に対する侮蔑感情、差別感情の正当化にもつながった。

デフレ下の「規制緩和」は景気を悪くする方に働く。

注。「金融緩和」と「規制緩和」は似ているから同じようなものと誤解されがち。

(これ、まじで我々にはある。私の仕事で言えば「計画」と呼ばれるものはみんな一緒と思われがち・・・)


ブレイディさんの11歳の息子さんがお父さん(労働者階級)に「レフトとリベラルってどう違うの?」と尋ねた時の回答。

「リベラルは自由や平等や人権を訴える金持ち。レフトは自由と平等と人権を求める貧乏人」


北田さんによると

ヨーロッパの「リベラル」は経済的な自由主義
アメリカの「リベラル」はニューディール政策を推し進めた民主党の路線
いずれにしても「レフト」とは対立する
(でも、アメリカの「リベラル」は「新自由主義」の人たちからは「レフト」と見られるんじゃないかな?)

そしてニューディール政策を跡づけ理論だてたものがケインズ経済学と言える。
今まさにニューディール(金融緩和+財政出動)が必要なのではないか。

なお「リフレ派」と呼ぶのは日本だけ。

トランプやフランスのルペンの国民戦線など「ポピュリズム」と呼ばれているが、「ポピュラリズム(人気主義)」ではないか。「ポピュリズム(民衆主義)」は良いことでは?

松尾さんのちょっと悲観的な考え。

現在「完全雇用」の状態に近づいているのではないか。すると緩和マネーの効果が無くなる。本来緩和マネーが効果ある状態の時に福祉インフラの構築が必要だったのに、それができなくなる時期が近づいているのではないか。
怖いのは「オリンピック後」と「消費税増税」の時期。

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2018年05月03日

会社のロゴや看板(デザイン料金)




 昨年会社を立ち上げる時に、ロゴなんかはきちんとデザイナーさんに頼もうと思いました。

 しかし本当に相場というものがわからない・・・

 知り合いのデザイナーさんなんだけど、ちゃんとした額を払いたいと思ってもどのくらい払えば(提示すれば)いいのかわからない・・・


こんなまとめもありますね。(元発言は削除されてますが)




 で、とりあえず


「合同会社KS」

「相談支援事業所KS」

「じんぶな〜」


3つで5万円を提示してOKを頂きました。

一応、最初に私のアイデアスケッチみたいなのもお渡ししましたが、ばっさり見事に切り捨てられました(笑)

で、それが良かったと思います。まじで。


途中で「相談支援事業所」は自治体から「申請しても認めない」と言われたので立ち消えになり、パンフのデザインもお願いしようと考えてたけど、私の会社の運営形態だとパンフは必要なくて、私の自作のチラシで十分だなあ、とかも思い、それは立ち消え。


しかし、追加で看板デザイン、看板のデータ作成(イラストレーターでの .AI )、看板業者を見つける、のをお願いしました。


看板作成はこちらで




福井県大野市の会社ですね。

地元というわけにはいかなかった。


で、結局すべてで 5万円+2万円で計7万円、で引き受けて頂きました。


いろいろコピー(文言)のアイデアも言って頂き、いろんなところで使わせてもらってます。

やっぱり一人で考えてるよりよっぽど良かったです。


本当に失礼な料金でないかどうか、さっぱりわかんないんですけどね。




看板はこんなのになりました。


okurikanbanzen.JPG


P5030090.JPG


P5030091.JPG


P5030092.JPG


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2018年01月06日

人生、運か努力か (Eテレ オイコノミア)




 先日放映された「人生、運か努力か」は、以前の放映の再放送で、このホームページでは番組紹介がありませんでした。

 冒頭、こんな会話が。

又吉「私の運を良くできるんですか」
先生「個人のはできないのです。集団だとできるかもしれません」

みたいな会話がされてました。

 個人の運命は変えられないけれど、集団に対しては個人差はありながら運のいい人を多くする(統計としてみれば出てくる)ようにはできるかも、ということですね。

 つまり「政策」とかには使える、と。


 で、ゲストが古坂大魔王(ピコ太郎のプロデューサー)。
 うってつけの人物かも。
 とにかくピコ太郎のYouTube動画が、ジャスティン・ビーバーのTwitterのつぶやきで大ヒットする、という「運」に恵まれた人、って感じだから。

 でも、その要因を挙げていくと、(テレビでフリップになってた以外も入ってるけど)

努力 昔、賞をとった時、飲み会や車に使わずAV機材を揃えた。
努力 ずっとお笑いを続けた(20年前のコントが映ってたけど、既に音楽に合わせて振りをつける芸をやってた)
努力 動画を作ろうと思い立って様々な動画を見て研究した
努力 お金が無いので身内でスタッフを固めて動画作成
運  中高生に受けた
運  8月で、話題がちょうど切れた時期でマスコミにも取り上げられた
運  ジャスティン・ビーバーがつぶやいた

 で、大爆発と・・・

 つまり結局、努力も運もなんだよね・・・


 で、次の話題が、
「人は選択する時に、他の人も選んだ、と知ると安心して選択できる」(他の人が選んでいないとなかなか選ばない)という実験だったのはどう「努力」と「運」に関係するんだっけな?

 例えばダウロードしようと思う曲の、過去のダウンロード数がわかっている仕組みだと、たくさんの人がダウンロードした曲がよりダウンロードされやすくなる。

 まあ、これは「みんなはどんなものが好きなんだろう」「これが好きなのか、じゃあ一度聞いてみよう」という心理はよくわかる。


 次は、「本人が本人の成功の要因を運と考えるか、努力と考えるかで、税収や寄付が変わってくる」という話と実験。

 成功した人が、自分の成功は努力の結果と考えると、税収や寄付額は少なくなる。
 成功した人が、自分の成功は運の結果と考えると、税収や寄付額は多くなる。

というもの。実際に街角でインタビューしてサンプル数は24で「努力派」12人、「運派」12人と分けて「10万円もらったらいくら寄付しますか」と質問したら、個人差はめちゃくちゃある(努力派でもたくさん寄付したり、運派でもしぶちんだったり)けれど、全体の平均では明らかに「運派」の方が多かった。

 で、税収が低くなり、寄付額が少なくなると、富の再分配がしにくくなるわな。

 最後に先生が

「『今までの成功は運のおかげ。それを続けるのは努力』と考えるのが一番経済的には良い」

という意味のことを言ってはってなるほどな、と思った。

posted by kingstone at 21:24| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月21日

穀田屋十三郎(無私の日本人 磯田道史著より)



 映画「殿、利息でござる!」の元になった話です。


 穀田屋十三郎は、仙台藩の吉岡宿という宿場町の商人。
 (現在の宮城県大和町)

 年々町がさびれていくこと、それが藩の「伝馬役」(人や馬を出す一種の税)という義務によるものであること、などからなんとかしたいという思いにつき動かされ、行動した人。

 しかし、江戸時代は「上」に対して何人かでお願いするということ自体がタブー視されていた時代であり、それは死をも覚悟したものだった。

 同じ宿場で茶を作っていた機知に富む菅原屋篤平治の「藩に千両の金を貸し、その利息を宿場全体で毎年いただけるようにしよう」というアイデアを実現してしまう。

 なるほど、商売ではなく、金融で勝負した、ってことやな。

 また「年金制度」「福祉制度」とも言える。

 しかし、その資金を捻出するために、主立った出資者はまる裸に近い状態になった。
 その中でも十三郎の本家の浅野屋甚内が一番多く出資し、身代がつぶれるほどの状態になった。もとよりそれは覚悟の上であったけれども。

 浅野屋は造り酒屋と質屋をしていた。その身代がつぶれるような状態で、まるで周囲からはやけくそに見えるように、「極窮人(借金で田畑を失い、飢寒の中で着物までも質草にしなくてはならなくなった貧乏人。質屋としては相手にしてはいけないと考えられていた)」にまで金を貸し続けた。

 すると「どうせ質屋に金を借りにいくなら、浅野屋さんで」ということになり、筋の良い客が集まって来て繁盛するようになった。

 また仙台藩主が訪問して「霜夜」「寒月」「春風」と酒の銘をさずけ、それを売り出し大繁盛と・・・

 なんかおとぎ話みたいだなあ・・・

 今も「霜夜」は売られてますね。





 下記にあらすじがあります。



 こういう所にも「聖地巡礼」に行きたいなあ・・・



posted by kingstone at 23:06| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする