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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2020年02月17日

経済政策で人は死ぬか? デヴィッド・スタックラー & サンジェイ・バス著




ギリシアは自殺率の低い国だった。
2007年以降自殺が急増、2012年には2倍になった。

第1章 ニューディールは人々の命を救ったか

英国のマカドール家の例 まるで映画「私はダニエル・ブレイク」そのまま。

1929 大恐慌
1932 フォード大虐殺
1933 ルーズベルトが大統領に
    就任後100日間に矢継ぎ早に法案を作った

 Wikipedia によると「高橋是清の政策と多くの部分で同じ」とのこと。

 しかし、州によって取り組む姿勢が違ったので、自然実験となった。

大恐慌で死亡率は低下!!
・交通事故が減った
・ただし自殺は増えた

ニューディールに積極的だった州
・伝染性疾患による死亡→減った
・小児死亡率→減った
・自殺率→減った


ロシア(ソ連崩壊後)

1985 ゴルバチョフソ連の指導者となる
1991.8 クーデター
     エリツィンが鎮圧に活躍
1991.12 エリツィンがロシア初代大統領となる
     市場経済の導入が急激に行われる
2000 プーチンが大統領となる

ミルトン・フリードマンはじめ多くの経済学者がショック療法的に民営化が最善と言った。(後にフリードマンは「間違いだった」と認めた)
ロシアの人も急激な民営化が魅力的に思えた。
それが500日計画となる。

IMFを含む国際融資団からの226億ドルの緊急融資を受けた
ジョゼフ・スティグリッツとその周囲は斬新的な移行を主張した。

結果
・1990年代を通じて働き盛り世代の男性の死亡率の激増
 (高い失業率と、それに伴う過剰な飲酒)

斬新的改革をしたポーランドなど東欧諸国は失業率が上がらなかった。
ベラルーシは改革まではロシアと同じような死亡率だったが、急激な移行をしなかったので死亡率は上がらなかった。


アジア

1997 アジア通貨危機

タイ IMF勧告を受け入れた国
   HIV対策予算が削られ患者激増

マレーシアはIMFの勧告に従わず、独自路線をとったため、通貨・金融危機の影響を最低限にできた。
HIVも激増しなかった。

韓国はIMFの勧告を丸呑みにはしなかった。
これ、映画「国家が破産する日」の時期の話


アイスランド

人口約30万人
(ということは、明石市とか神戸市の1つの区、例えば垂水区と同じ人口規模)
リーマンショック(2008)以前は、金融立国を目指し、銀行は世界の富裕層のお金を集め、それを増やすために金利は高いが危険(当時は危険と思われていなかったのだろうけど)な商品に投資していた。

しかしリーマンショックで、恐慌状態に。

IMFの融資を受けたが、政策に関しては国民投票を行った。その結果

・銀行救済にはノー
・緊縮策にもノー
 (でもこれでIMFがよく認めたな・・・)

社会保護にお金を使った。
本来、家を失うはずの人たちに住宅価格の110%を超える部分について債務を免除し、低所得者には助成金を出し、家を失わなくてすむようにした。
  ↓
ホームレスさんが多数出てくれば、その対策にどれだけのお金を使い、さらにご本ににも、対応する人にも不満が残る、という誰も得をしない結果になったろうしな。
幸福度は高いまま

映画「たちあがる女」 ハルドラ・ゲイルハルズドッティル主演

 この映画はどう評価していいのかよくわからないところがあるのですが、コミュニティ感はあったな。
 それから「君のお金はどこに消えるのか」のアイスランドのことについて書いてます。

ギリシア

IMFの融資を受け、勧告を受け入れた
しかし融資は銀行を救済し、諸外国の富裕層が損せずにすんだだけ。
緊縮財政によってヘロインの蔓延、注射器の使い回しによるHIV激増。

アメリカ

 オバマ・ケアで低所得者も医療が受けられるようになった。
 (しかしトランプがやめてしまったんだよな・・・)

2010年の医療費の対GDP比
イギリス(NHS解体前) 8%
ドイツ  10.5%
フランス 11.2%
アメリカ 16%
日本はドイツ、フランスより低い

つまりアメリカはコストパフォーマンスがすごく悪い、という言い方ができる


不況で失業が出たとしても、再就職に専任の係員をつけるなど、将来への希望が持てる政策をとれば自殺率を増やさずにすむ。



巻末、「注」が62Pもあります。


posted by kingstone at 22:39| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月23日

経済で読み解く日本史 明治時代1868〜1912 上念司著





金本位制について

金本位制  通貨の裏付けとして一定の金との交換を約束
管理通貨制 政府や中央銀行の信用によって通貨を発行する。
      (金などとの交換比率はその時々で変化)

19世紀に欧米の貿易取引量の増加。
そのため金本位制がおおいに役立った。

1844 英 金本位制確立
世界の金産出量は1840〜1850年代半ばまで増えていた
米・豪のゴールドラッシュ

1873 プロイセン  金本位制に
1876 仏  金本位制に
1870年代 その他欧米諸国も金本位制に
1897 日・露 金本位制に
1900 米 金本位制に
1850からしばらくの間、新しい金鉱山は発見されなかった。

金本位性だと取引量が多くなってもおいそれと通貨量を増やすことができない。
必ず金の裏付けが必要だから。
通貨量を増やすことができるのは、金の準備ができた時のみ。
また全世界的に見ると、金の産出量はおいそれと増えないので、金本位制の国を合わせた通過量は一定となり、通貨量も増やせず、基本的にデフレにふれる。
そのため恐慌が起きがちで、世界大戦の遠因にもなった。

19世紀後半のヴィクトリア均衡。
デフレによる失業、長時間労働、児童労働。
この頃のことについて書かれているのが

「イギリスにおける労働者階級の状態 19世紀のロンドンとマンチェスター」エンゲルス著


それをマルクスは「資本主義の限界」としたのだが、上念氏曰く、「政策当局の失敗。判断ミス(デフレ、通貨量の不足)」
1886 南アフリカで金鉱発見
1896 カナダで金鉱発見
金の抽出率を高める「青化法」の発見
これらにより、革命によらずともデフレ不況が終息していった。
明治時代の日本にとってもラッキーだった。



明治維新は下級とはいえ士族が幕府を倒したのに、士族を失業させたという意味ですごい。で、最終的にどのくらいのお金をもらって放り出されたのだろう?
大名はかなりおいしい目をしたよう。なんせ藩の経済は青息吐息だったのに、多額のお金を貰えたのだから。
藩への貸付は棒引きにされてしまい、「大名貸し」をしていた金融業者は潰れた。ちなみに三井家は「大名貸し」の危険性に気づき、1637年にやめている。(すごい!江戸初期じゃん)

1871年(明治4年)の段階で、秩禄の支出額は財政支出の38%を占め、士族以外から猛烈なバッシングを受けていた。

下級武士の年収を現在の貨幣価値に換算してみると
年収60万円(月5万円)

1873年(明治6年)大蔵省による家禄の把握ができた。
1873年(明治6年)家禄奉還制度。士族の25%がこれに応じ、一時金を受け取る。
しかしほとんどの武士は「武士の商法」ですってしまう。
1873 明治6年の政変
1874 佐賀の乱、台湾出兵
1875 江華島事件
1876 神風連の乱、秋月の乱、萩の乱
1877 西南戦争

お金が無くなると暴れるよりなくなるわなあ・・・


日露戦争戦費調達

高橋是清がイギリスで外債を発行してお金を集めた。
(いだてんのショーケンを思い出す)

これでお金が集まらなければ、戦うことができなくなる。
アーネスト・カッセルとヤコブ・シフとの協力で外債が発行できた。

また、日露戦争が終わってからも、日本軍が進んだ地点を維持するためにお金が必要になり、外債を発行した。

ロシアにはまだまだ余裕があった。そのあたりのことがわからず庶民は、賠償が少ないことに怒り、マスコミもそれを煽った。
日比谷事件からの一連の騒優。


桂ーハリマン協定

 これは、満洲にアメリカ人のハリマンも出資するという話。で、この話がつぶれたので、第二次世界大戦(というか太平洋戦争か)になったという話もある。諸説あるみたいだけど。しかしアメリカも満州に権益を持つことになり、日本が孤立する事態はましになっていたかもしれない。しかし土壇場で破棄された。賠償が少ないという文句が吹き上がっている時だけに、利益を独り占めしたい、という思惑がはたらいたのか?
 まあでも満州にもとから住んでる人を無視した話であることは確か・・・


posted by kingstone at 23:03| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月15日

父が娘に語る経済の話 ヤニス・バルファキス著




TED での講義もあります。




○なぜアボリジニはイギリス人を侵略しなかったのか。
 (なぜイギリス人はアボリジニを侵略したのか)

これは

・アボリジニはオーストラリアでそれなりに安定して暮らしていた(侵略する動機なし)
・イギリスから食い詰めた、あるいは一攫千金をねらった人たちがやってきた(侵略する動機あり)
・イギリス人は、よりすぐれた武器(火力)を持っていた
・イギリス人は、それまでに機能的な組織を作る経験があった
・アボリジニはイギリス人が(意図せず)持ち込んだ菌やウィルスに耐性が無かった

ってことじゃないかな?
 あとこの場合だと、格差社会というのも関係するか。
 イギリス人は格差社会の中で生きていて、自分が生き延びるためには他人を引きずりおろすことが必要、侵略であっても農耕地(放牧地含む)を獲得することが必要、と思っていたのじゃないかな。


「値段のつくものは人の欲しがるもの。値段のつかないものや売り物でないものは価値が無い」
  ↓
 勘違い 例。献血。
       お金と交換だと、集まりにくくなる。


お金はなぜできた?

言葉(農耕での必要性)→余剰が生まれる

余剰を倉庫へ。ここでまた記録する文字、数量を表す文字が必要になる。
それに基づいて入庫した分を返してあげる。
メソポタミアでは「硬貨3枚分の穀物を受け取った」と記録された。
硬貨は交換して使うためではなく、あくまでも記録用。
しかし、そこにあるのは現在と同じく「信用」
それは現在の仮想通貨でも同じだし、貨幣はできた最初からある意味「仮想通貨」だった。


農奴が領主(地主)の囲い込み運動を経て流出し、労働者となった。
また土地を借りての起業家(小作人?)となった。

「怒りの葡萄」は大恐慌時代のことを書いており、数十万人が飢えている時に、ジャガイモが川に捨てられたり、オレンジに石油をかけて燃やす描写がある。
(読まないといけないな)


 銀行がお金を融資する時、別に「預金者が預けたお金」を融資するわけでなく、「どこからともなく魔法のようにパッと出す」・・・そして中央銀行も。

 また金融、利子を認めるか認めないかは宗教的な問題だった。プロテスタントを牽引したのは商人や起業家だったので、当然利子を認めた。(カトリックは「ベニスの商人」みたいな感じ?イスラムは公的には認めていない)

 金持ちは、国家の介入(規制)を煙たがりつつ、国家に救ってもらおうとする。

 予言の力。「ダメになる」という予言は当たるし、「よくなる」という予言も当たる、ってことでいいのかな?
 で、みんなが「ダメになる」と考えれば不況がやってくる。

 第二次世界大戦中のドイツの捕虜収容所。

 ユダヤ人やロシア人は殺された。
 アメリカ人、カナダ人、フランス人、イギリス人などはジュネーブ条約に基づいた権利が与えられた。
 そのアメリカ人などの捕虜収容所では物物交換からタバコが貨幣として利用されるようになった。

 なお、著者の父はギリシア内戦のおり、1946年から1949年まで政治犯として収容されていた。そこでタバコが通貨になったか著者が尋ねたところ、ならなかったと。そしてみんなやってきた物は分け与えようとした、と。

「すべてを民主化しろ」VS「すべてを商品化しろ」

AI が仕事を奪うという話については、昔から「機械が仕事を奪う」とか言われていたけれど、そう単純なものじゃないと。

そういうのを考える時の著者お勧めSF映画

ターミネーター
ブレードランナー
マトリックス

どれも観ていない。また観てみよう



posted by kingstone at 01:39| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月05日

キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編 井上純一著




 読書メモ

地位財とは

「給料、あいつにだけには負けたくない」

だとか

「支援を受けてる人が、俺より可処分所得が大きいのは許せない」

だとかみたい。「自分より下」と思ってる人が、自分よりたくさんお金をもらってたり、特権を持ってたりしたら許せない、という心理に基づく財。

月さんは「あまりにも人間の悪いところを見るから考えたくない」と言ってはるけど、ほんまやなあ。

不確実性とは

「未来のことはわからない」

ほんまやで・・・


「経済的不幸は感染症のように広がっていく」

それを断ち切るために財政支出が必要。
それが社会保障。


「このマンガはデスネ〜 毎回結論がだいたい同じで・・・ お金使えデショ」

と月さんが喝破するのですが、実はお金を使うのはまず第一に政府で、

「個人の貯金は不幸に耐える力」

しかしね、もちろん勉強になるんだけど、それ以上に素敵だな、と思うのは井上さんがいつも月さんをめちゃめちゃ褒めてる。
そして月さんは井上さんの似顔絵を
「でもジンサンの似顔絵はいつもあんまり・・・」
と言いつつ、
「ジンサンは似顔絵じゃなくて『キャラクター』を描いてますよ」

ほんといつでも人生には不確実性が襲ってくるし、評価されないことも多いけれど、家族が自分のことを理解してくれている、と思えたら少し光が見えるもんな。

posted by kingstone at 22:31| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月14日

軍事費の歳出に占める割合とGNP比




この本のP171の「軍事費の推移」という表をエクセルに打ち込んでみました。
しかし、セルが「何年おき」という規則性があるわけではないので、グラフにはできないな。
もとは「軍備拡張の近代史」山田朗著・吉川弘文館より大村大次郎さんが抜粋したとのこと。

※表はクリックすると大きくなります。

軍備拡張表.jpg

今は対GNP比は1%枠を守ってるんですよね。

当時はどの国も無茶苦茶軍事費を使っていたな・・・

1900年(明治33年)の各国の財政に占める軍事費の割合
(「日露戦争(ー)」軍事史学会・錦正社よりの引用のものを私が引用)

※表はクリックすると大きくなります。

各国の軍事費1900.jpg

 この表の中で、財政に占める割合は日本が一番多いけれど、ドイツも相当でほぼ同じ。
 しかしGNP比にしてみると、もうドイツの2倍以上。

 なんかこれを思い出してしまう・・・






posted by kingstone at 00:11| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする