中教審 教員養成で修士課程履修を答申 という報道について
をまとめました。
もとの NHK NEWSWEB の記事
中教審 教員養成で修士課程履修を答申
記事を転載しておきます。
相次ぐいじめや不登校など複雑化する学校の課題に対応できる実践的な指導力を持った教員を育成するため、中教審=中央教育審議会は教員養成の在り方を見直し、大学の4年間に加え大学院での「修士課程」を履修させるよう、平野文部科学大臣に答申しました。
これは、中教審の三村明夫会長が、平野文部科学大臣に答申したものです。
それによりますと、グローバル化や少子高齢化と社会が大きく変化し、いじめや不登校など生徒指導上の課題が複雑化するなかで、教員には高度な専門知識と実践的な指導力が求められるとしています。
このため、教員としての基礎的な知識や技能を学ぶ大学4年間の「学士課程」に加え、大学院で1年から2年程度の「修士課程」を履修し、学校現場で長期間の実習を行うなどして教科や生徒指導の実践的な力をつけさせるとしています。
これに伴い、教員免許の新たな制度も設けるとしていて、当面はこれまでどおり、大卒者にも教員免許を与えるものの、採用後、できるだけ早い時期に修士課程を履修し、新たな免許を取得すべきとしています。
答申を受けた平野文部科学大臣は、「教員が社会の尊敬と信頼を得られるよう、答申をしっかりと受け止め、施策に取り組んでいきたい」と述べました。
文部科学省は今後、学生が「修士課程」の履修を行う大学院をどう整備するかや実施の時期、新たな教員免許制度の創設に向けた法改正などについて検討することにしています。
専門家“採用後のトレーニングには限界”
28日の答申について、教員養成の在り方に詳しい東京学芸大学の岩田康之教授は、「教員が実践的な力を養ううえで、現場にある程度長い期間いることが重要だが、採用されてからオン・ザ・ジョブトレーニングでやるには限界がある。大学が責任を持ってやる教員養成教育の中に、実践的な要素を多く取り込むことが必要だ。大学での教員養成に対する考え方を、大学の人たちも少しずつ変えていく必要があると思う」と話しています。
「即戦力」に期待 支援の在り方には課題
答申のように「修士課程」の履修が必要とされると、教員養成の在り方はどう変わるのでしょうか。
現在、教員養成系の大学では4年間、国語や理科といった教科を指導するための知識や技能のほか、教員の役割や生徒指導の理論などを学び、教員としての基礎的な知識や能力を身につけます。
また、学校現場で行う教育実習は、3週間と短期間に限られています。
今回の答申で示された大学院での「修士課程」の教育は、大学4年間の学びに加えて学校現場での長期の実習が主体となります。
期間は具体的に決まっていませんが、より長期間学校に入り、子どもや教員とともに過ごすことで、子どもの興味をひく効果的な授業方法を学んだり、いじめや不登校など生徒指導の問題にも直接関わったりすることができます。
こうした現場での体験を踏まえ、大学院でより専門的な理論を学ぶことで、教員としての指導観を身につけ、実際に教員になった際、即戦力になると期待されています。
一方、新卒で教員として採用された学生は昨年度、全国でおよそ9000人いることから学生が学ぶ大学院をどう整備するかや、長期間の教育実習の受け入れは学校の負担ともなり、現場の支援の在り方が課題となっています。
さらに、修士課程の履修で経済的な負担が増える学生への授業料の免除や奨学金の充実などの対策も求められることになりそうです。
ラベル:特別支援教育 教員採用 大学院