私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2020年09月05日

「ある児童発達支援センター所属職員における就学に向けた指導の工夫と小学校教員との連携」を読む



日本特殊教育学会第58回大会ポスター発表(障害一般)P12-24
「ある児童発達支援センター所属職員における就学に向けた指導の工夫と小学校教員との連携」
草野真輝他

※これは私の「勝手読み」ですので、興味を持たれた方は、日本特殊教育学会第58回大会に参加され、原文にあたって下さい。9月15日まで受け付けています。
「参加申込」


 これは「ある児童発達支援センター」の職員15名に対して表題の件についてインタビューしたものを集計、分析し、まとめたもの。

 めっちゃ面白そうなのです。
 しかしなんせA4で1枚にまとめなければならない。
 で、私がこういうのの読み取りの知識が少ないので、出てきている表1〜表3のクロス集計図というの何のことやら読み取れない、というめちゃ残念なことに。

 対面してのポスター発表なら、あれこれ質問してわからないところをはっきりさせられるのですが。
 では読み取れた部分だけ。

対象職員さんは

・施設長代理(1名)
・係長(1名)
・保育士(9名)
・児童指導員(2名)
・心理士(1名)
・作業療法士(1名)

発表者さんは

児童発達支援センター所属職員に特徴的な支援を必要とする児童に対する指導を明らかにするため、d-1 及び d-2 の回答内容を中心に分析を行なった。

で、その d-1 d-2 というのは

d.支援を必要とする子どもの支援ツールやカリキュラムに関する内容

1.支援ツールとして使用しているもの。ある場合は具体的な名称や内容。ない場合、あれば良いと考える内容。

2.カリキュラム作成や実践の中で工夫している点。

d-1 において得られた結果

1.視覚提示カード
2.スケジュール表
3.順番ボード
4.コミュニケーションボード
5.支援シート(X子が公表している『生活支援プランMap(マップ)』
6.声がけ(10カウント・「はじめます・おわります」)
7.要録
8.姿勢維持のための椅子(箱椅子等)
9.個別の教育支援計画
10.自分自身(体にのぼらせる等)

d-2 において得られた結果

1.主体性・自発性
2.達成感
3.指導の柔軟性
4.注意・注目
5.職員・子ども間の相互作用
6.職員間連携・保護者支援

一番多く選ばれたもの。

1.視覚提示カード
3.指導の柔軟性

たぶん、d-1 において「1.視覚提示カード」、d-2 においては「3.指導の柔軟性」ということなのだろうと思います。
で、この「3.指導の柔軟性」というのは「一人ひとりに合わせる」という意味ではないかな。

また小学校教師との意見交換に参加した職員で、もっとも重要視するのを「社会参加」とした人は、全員 d-1 で「2.スケジュール表」を選択したそう。つまり小学校の先生にスケジュール表の利用をお願いした、ということかしらん。

【考察】の最後の部分は

「小学校の教師との意見交換等」という機会が職員らに"就学"や"社会生活"といった長期的視点にたった支援の意識をもたらすことが示唆された。

となっています。
いやーー、ほんま対面(ZOOMでもいいけど)で質問しまくりたい。

posted by kingstone at 11:54| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「小学校特別支援学級と児童発達支援センターが連携した教育実践」を読む



日本特殊教育学会第58回大会ポスター発表(その他・部門交流)P13-20
「小学校特別支援学級と児童発達支援センターが連携した教育実践」
元木(お名前は「まだれ」に「兼」)他

※これは私の「勝手読み」ですので、興味を持たれた方は、日本特殊教育学会第58回大会に参加され、原文にあたって下さい。9月15日まで受け付けています。
「参加申込」

A市立A小学校特別支援学級とA市児童発達支援センターA学園との取り組み。
2017年から始められています。

A小学校からアプローチをされています。
「うちの学校に来る子たちがいる。どんなお子さんかな」
というあたりで出発されてるのかな。

で、2017年には

A小校長と主幹教諭による「紙芝居の読み聞かせ」や、通常学級4年生による「音楽発表会」を行った。

とのこと。
校長先生が積極的に出ばっておられるのが素晴らしいですね。
報告を受けるだけでなく、自ら体を運び、お子さんたちの雰囲気を感じ取れるのだから。
そして小学校の体制・環境を整える時、スピードが全然違ってくると思います。

2018年より以下の4点の視点を工夫してカリキュラムを作られたと。

@児童一人ひとりが人とかかわることができる機会
A空間の共有と体験的な遊び(学び)
B幼児の実態に即したアプローチプログラム
C教職員の交流・連携による幼児・児童の共通理解

で、結果として

@コミュニケーション能力と自己有用感の向上
A学習における見通しの確保
B将来に対する期待感
C教職員の共通理解の促進

ということが起こったと。

実は読みながら、少し頭が混乱しました。コミュニケーション能力の向上?自己有用感の向上?

で、私は最初、児童発達支援視点で読み取ろうとしていたのですが、この発表はA小学校からアプローチされていますし、元々、小学校視点で書かれている部分が大きいのだ、ということに気づき、腑に落ちました。

ただ、結果のBは、幼児が小学校に対する安心感を持ち、あそこに行くんだ、という期待感を持つ、ということで児童発達支援視点ですね。
結果Cの「共通理解」のためには

・小学校教員による1日保育体験
・A学園の保育士による授業参観
・校長や主幹教諭によるA学園訪問

などが行われている、ということです。また

声かけや関わり方が同じであれば、子ども達は、戸惑うことなく安心して活動に専念することができる。

とありますから、関わり方の一貫性についても配慮されていることがわかります。

こういう取り組みが各地で行われたらいいな、と思いました。



さて、その上で、

2017年に小学校側から「紙芝居の読み聞かせ」が行われているわけですが、こういう「一斉授業風」の取り組みは今もされているのだろうか?と思いました。

私、児童発達支援のお子さんを集めての一斉授業風のこと何かやってよ、と頼まれたらお断りします。だって、めちゃ難しそうだから・・・

せいぜい、普段のプレイルームの生活の中に、そーーっと寄せてもらって、お子さんの方からサインが出てきたら寄っていって関わったりする程度しかようしないな、と思って・・・

posted by kingstone at 07:40| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月02日

「自閉症者の行動要因の分析を目的としたストレス可視化機能の提案」を読む



小川修史・藤井祐次・掛川淳一・高野美由紀・森広浩一郎
兵庫教育大学大学院学校教育研究科
2012


経験の浅い教師による行動分析を目的とした動画ケース会議支援システムの開発に向けた実践的検討
藤井祐次
日本特殊教育学会第49回大会発表論文集, 2011
(本文にはあたれなかった)

によると

・経験の浅い教師の場合、主観に基づいてアノテーション(注釈)を挿入する傾向がある
・熟達者のアノテーションを経験の浅い教師に提示するのみでは、後者には解釈が難しい

と指摘されているそうで。
まあ「教えてもらっただけではわからない」ということやな。

なお、私は


の記事の中で

"「行動要因」は「心の中で思っていること(?)」くらいの意味"
と書きましたが
「行動要因」は「なんでこうしたのかな」という意味と考えたほうが良さそうです。

で、経験の浅い教師はそれがわかりにくい、と。

ケース会議において話し合うことで気づきは発生するものの、個別作業(つまりひとりでの)段階では気づきが発生しにくい。
逆に、個別作業の段階で気づき(客観的な分析)が起これば、ケース会議でより多くの気づきが発生する。

そこで経験の浅い教師が独力で、アノテーションを客観的に分析することを支援する仕組みが有用と考えられ、実装したという論文。

(しかし、ここの「主観」と「客観」っていう言葉が何かむずむずする。前者は「経験にのみ基づく(自分勝手な、時には間違っている)考え」というような意味。後者は「合理的で他人も納得する考え」みたいな意味で使われているだろうと思われる。でも、どちらもある人が考えているから「主観」じゃないのかな?よく中学生とかが「他人だから客観的な意見が出せる」みたいなことを言いがちだけど、それと同じような変な感じがする。う〜〜ん、「主観」「客観」・・・)

そのために注目したのが「ストレス行動」であり、それを可視化する方法を考えたと。
動画にアノテーション(この場合、吹き出しをつけて、そこに文を入れる)をつけられるソフトがあり、そこに

・「ストレス度」を入れることができ、グラフ化もできる。
・各行動をグループ化できる
・専門家(ベテラン教師のこと?)のアノテーションや考えたストレス度を表示する機能もある。ただし最初は見えないようにされている。

などの機能が実装されている。

あれ?

画面キャプチャがされているのだけど、「イイ感じ!のダイジェスト」と「イライラ!のダイジェスト」のボタンがあり、「該当カ所を10秒ずつ再生」とある。これ、誰かが切り出した10秒をぱっと取り出せるようになってるのかな。

切り出しているのだとしたら、その10秒を誰が切り出しているか、というところも意味あるかな。

例えばそれを「経験の浅い教師」が自分でやっている場合、ある程度繰り返し元の動画を見ることになる。そのことで気づくこともあると思う。

これが他人が切り出したものだと、それは無い。

なお、この論文では「経験の浅い教師」役を大学院生にやってもらい、全体では13分の動画を見てもらっている。ということは切り出した動画だけを見てもらっているわけではない。

「ストレス度を測る」という課題が被験者に与えられているのが2011年との違いか。

で、「好きなことをやっている」と以前は解釈されていた行動も、実はストレスが高い、ということへの気づきも出ている。

そして「その場面」だけでなく「前後の場面」の観察の重要性にも気づいてはる。

つまり ABC 分析の重要性に気づいた、ということになるかな・・・

で、事後調査として、専門家のアノテーションを被験者に提示したら、客観的に分析できる部分が多かったとのこと。

「行動要因を探してね」ではなく「ストレス度を測ってね。(ってことは、「どこがストレス場面になってるかな」というのを探すことにもつながる)」という具体的(?)指示があった、というのが2011年との違いかな。

そのあたり、このソフトを使わず、普通の動画だけで何とかできないかなあ・・・

posted by kingstone at 07:56| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月26日

「自閉症者を対象としたケース会議支援システムの開発に向けた吹き出し型動画アノテーション機能の実践的検討」 を読む



小川修史・掛川淳一・森広浩一郎 兵庫教育大学大学院学校教育研究科
2011

「アノテーション」というのは「注釈」

 で「吹き出し型動画アノテーションシステム」というのは、動画に吹き出しをつけて例えば例として引用すると

"B教諭はX児に前転をさせようと試みるも,素直に指示に従ってくれないX児の行動に対して問題意識を抱いていた,この場面に対して熟達教師であるM教諭は「ことばじゃ分か らない」「前回りは何回するの?」の様に具体的な行動要囚を示すアノテーショ ンを挿入"

"被験者(B教諭)は「やりたくない」「したくない」と"

 というふうに動画に書き込んで使うわけです。

 で、キーワードとして「行動要因」という言葉が出てきます。この言葉は私は初めて知りました。

 最初、「行動要因」は「機能」と読み替えてもいいのかな、と思っていましたが、例を読んでみると「心の中で思っていること(?)」くらいの意味で、機能や特性も含め、かなりのことがわかっていないと書けないものであることがわかります。

 この論文の対象は「本稿が対象とする自閉症 (アスペルガー障害、高機能自閉症を除く)」のあるお子さんに対応する教師集団ですね。

"教師には自閉症者の表面化した行動を観察し,行動を引き起こす要因(以降,行動要因と表記する)を分析する能力が求められる"

ところが

"しかし,児童生徒の突発的行動に対する対応等 実際の実践場面においては配慮すべき点が数多く存在するため,教師が実践場面の中で行動要因を客観的に分析することは難しい"

と、上に書いたB教諭とM教諭のような例になるわけです。

 そしてケース会議(日常の?研修の場?)で、同時にやってみることで、新人あるいは経験の浅い先生が気づいていく、チームの力が底上げされる、というねらいをもった取り組みについての研究になります。

 しかし、新人あるいは経験の浅いB教諭であっても、一応の座学(自閉症の特性とか、視覚支援の大切さとか)は聞いたことがある、読んだことはある、というのは前提になっているんだろうな。それともなってない?

 なお、このケース会議後、X児は「別人のように落ち着いた(M教諭)」そうです。

 私の問題意識としては、私自身は放課後等デイサービスで、新人スタッフへの研修を担当した時期があったのだけど、まあ私のいた事業所は大学院新卒が来たりもするけれど、たいていは「特別支援教育についてなんかまったく知らない」という方がほとんど、という環境でやってきてたわけ。

 そういう方に、「早急に」「一定の動き」ができるようになって頂く必要があった。

 で、やはり座学(1時間×2)をして「特性」「体の動かし方」「コミュニケーションのとり方」を1時間×2回程度でお伝えしてきたのだけど。

 で、動画の使用については、その2時間の中で先輩スタッフの「一般の方が見たら一見『なんでもっと声かけしないの?関わらないの?』『なんで手をつながないの?』と疑問を持つ」けれども、実は素晴らしい対応をしている例を解説つきでお見せしてきた。

 あとは OJT ね。
 ただ OJT はコストがかかるよねえ・・・

 しかし、やはり「他人の動き」より、この研究のように「自分の動き」を見て理解していくほうがいいよね。

 ただ、本当の新人さんの場合、いきなりこのケース会議(ワークショップと言ってもいいあり方ですね)みたいなのは難しいと思うのよね。

 1時間くらい、動画を撮らせて頂いて、そのコミュニケーション部分をチェックリスト形式の記録紙に記録、それをまずは解説つきで「うまくいった」「失敗した」を解説。ゆくゆくは自分で判断できるようにもっていく。

 そういうのができないかなあ。

 なお、先日教えて頂いた、動画に字幕をつけるソフト

はこういう実践の時も大きな力になってくれそうだ。
(音声言語での対応の失敗部分になるかもだけど。でもそれに気づくの大事だからねえ)

 ちなみに、この論文の中に「(教師やスタッフの)体の動かし方」で「後ろから抱える」という行動が話題になっている部分があった。

「できるだけ離れて」
「後ろからいっちゃダメよ」
「トラブルになりそうなお子さんが並んでたら間に体を入れる」

とか、一番最初にお教えするけどなあ・・・


 ついでに調べた言葉

リフレクション
カメラ 反射(水面に風景を写して取るなど)
看護  看護実践での振り返りと改善
人材教育 ふり返り
情報工学 プログラム実行過程で、構造を読み取ったり書き換えたり(意味わかんない)

 リフレクションは本人やチーム内部から
 フィードバックは他人から


posted by kingstone at 23:37| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月29日

「3ステップで行動問題を解決するハンドブック」の3ステップとは




私、アマゾンレビューでも

「今までいろいろ本を読んだり、講演を聞いたりしたけれど、いまひとつ頭の中が整理できておらず、実践することがなかなかな難しかった人(つまり私(笑)のような人)ではないかなあ」

と書き、こんな読書メモも書いています。


 しかし、先日、ふと「3ステップってどんなステップだったろう?」と思い出してみようとしたら、思い出せない・・・

 というわけで、3ステップにこだわってメモしてみました。

 いきなり裏表紙にこんなのがありました。

1.「やめない」「やらない」理由を知る
2.「これならできそう」目標・ヒントの設定
3.「もっとやりたい」成果を広げる

 なるほど。

 ご本人が、「やめない」「やらない」理由を知って、ご本人が「これならできそう」という目標・ヒントを設定して、ご本人が「もっとやりたい」というふうにしていくと。

「(困った行動を)やめない」については「もっとやりたい」がいっぱい増えればやってる時間も無くなるし、みたいなところか。



 しかし中の目次を見てみると、いろんな段階での3ステップが書かれています。


第1章 望ましい行動を育てる3ステップ

ステップ1(スモールステップの目標設定)
@シェイピング
A課題分析とチェイニング

ステップ2(自力でできるヒントの提供)
Bプロンプト(できるだけ弱く、そしてフェーディング)
(私の場合だったらスケジュールやワークシステムに任せたい)

ステップ3(やりたくなるしかけづくり)
C強化
D強化子のアセスメント(あり?DがあってからCじゃない?)
Eトークンエコノミー(これは C ⊃ E だよね?)


第2章 問題となる行動を解決する3ステップ

ステップ1(問題の理由を探り出す)
@機能的アセスメント

ステップ2(目標を設定する)
A代替行動

ステップ3(作戦を立てて実行に移す)
B3つの方略
 ABC分析をして、それぞれの部分で方略(って「ねらい」「考え方」みたいな意味かな)を考える。
C行動支援計画(学校の「個別の指導計画」、あるいはその一部分になるな)
 実行可能な「行動支援計画」に落とし込む。


第3章 行動支援の成果を広げて定着させる

ステップ1(ここでもできた!を増やす)
@般化

ステップ2(「チーム」で取り組む)
Aチームワークづくり

(あれ?ここステップ3が無いや)


第4章 ステップ方式でケースを解決してみよう!


 さて、メモしたけれど、よそで尋ねられてさっと答えられるかな?

posted by kingstone at 15:37| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする