私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2020年10月20日

「特別支援学校の「センター的機能」の現状と課題(9)」を視聴する



2020特殊教育学会 自主シンポジウム36

特別支援学校の「センター的機能」の現状と課題(9)「コロナの時代」の特別支援学校の「センター的機能」を考える

企画者 田中雅子 帝京平成大学現代ライフ学部児童学科
司会者 奥住秀之 東京学芸大学
話題提供者 秋山辰郎 福岡県立筑後特別支援学校
話題提供者 丹羽弘子 東京都立葛飾盲学校
指定討論者 滝坂信一 独立行政法人国際協力機構

 先に書いておくと私自身は周囲の学校を見ていて

「『特別支援学校のセンター的機能』って、自分の学校の中のこともまともにできていないのに、外部の相談にのって支援なぞできんだろう。それが証拠に、特別支援学校の巨大化(つまり地域への支援ができていない証拠)が進んでいるじゃないか」

と思ってきていました。

 しかし、今回話題提供された福岡県立筑後特別支援学校はここ10年、在籍数はほぼ横ばい(ただし、動画に出てきたグラフでは微増)で済んでいると。

 企画案からの引用を含めて紹介していきたいと思います。

1.特別支援学校から発信する「共生社会」(秋山辰郎)

本校では,センター的機能を「支援機能」と「連携機能」と大きく二つで捉え,その二つの機能は連動しながら働くも のだと考えている.

 ここでいう支援機能というのは、そのお子さん、場合によってはご家庭、外部だとクラス担任(これは連携の方か?)への直接的な支援かな?
 でまた、お子さんだけでなく、家族支援も重視していると。
 連携機能というのは、関係機関との連携。

こうした重要な意味を持つセ ンター的機能は,一つの校務分掌だけが担うのではなく学校全体として取り組む必要があり,実際,意識して実践してき た経過がある.

 この学校にはコーディネーターが8人おられるそうです。そのコーディネーターだけでなく学校全体として取り組むということでしょう。

 動画では校務分掌でもしっかり位置づけられている、ということです。

 ただし、企画案のほうで「連携機能の一つとして公的にも不足部分は私的にも取り組んできた.」というところは、読んでて笑ってしまいました。(貶める笑いじゃなく、本当にそうだよなあ、という共感です。どうしても「制度外(?)」にまで出ていく必要がある時があるのですよね。

 連携の特徴的な取り組みとしては

○「居住地区ネットワーク研修会」
2007年から毎年
参加者内訳
福祉関係25〜30名
相談支援事業所・施設関係25〜35名
教育委員会・学校関係20〜40名

 すごいですね。相談支援(計画相談)関係者も1/3含まれている。

テーマ例
発達障害児(者)の触法行為とその支援
発達障害児(者)の不適応行動
ICFの視点で合理的配慮を考える

○関係者との「個別支援会議」(私が「支援会意義」と呼ぶものですね)

7年前までは学校が主催、それ以後は相談支援専門員が主催するようになったそう

○地域懇談会

保護者を4つの地域に分けて開催。教職員も居住地域に分けて参加。

地域の学校への支援については

本校がセンター的機能を発揮し地域や関係機関との信頼 関係を得ることで,全国的に児童生徒数が増大し続ける知的 障がい特別支援学校が多い中,本校は横ばいから微増程度で 推移している.地域にとっては,いつでも特別支援学校が協 力してくれるという安心感も一つの要因となっている.

 なお、ある地域の特別支援学校には、小学校1年に入学を考えるための体験会に50人も押し寄せるそう。秋山先生の学校ではそうでないわけですね。

 また進路に関して

本校高等部卒業後の就職率は近年 40%を超えている.関係機 関との連携により,卒業後も連携して支援をしていただける 学校や関係機関があることへの安心感から就労への理解も 広がってきているからだと考えている.

 学校もだし、「就労・生活支援センター」も相談にのってくれることがわかり、それまでは1週間も休めば解雇だったのが、連絡、相談することができることが企業側にもわかり、定着率が上がったそう。

 ある意味、「卒業したら知らないよ」という体制ではないわけね。

2. 視覚特別支援学校のセンター的機能の現状よりインクル ーシブ教育を考える (丹羽弘子)

 視覚特別支援学校が地域支援をする場合、

多くは,眼疾患の診断のないお子さんへの対応である.視 力は平均値以上であっても,両眼視不良,眼球運動不良等に より,書字,読字,運動等において困り感がある小・中学生 に視覚特別支援学校が実践的に積み重ねてきた弱視教育の 成果を提供することで,環境調整へのヒントを得,困り感を 解消することができる.

 これは知らなかった・・・
 つまりディクレスシアのお子さんや、LDの中の一部のお子さんに対して視覚特別支援学校の先生が支援できる可能性があるということね。

ただし,本校が支援できるのは視覚 特別支援学校のセンター的機能の情報を得ることができた 限られた子どもたちである.多くの子どもたちは学業の不振 を「目のせいではない(ので,視覚特別支援学校とは関係な い)」と見なされていることが少なくない.

 私も知らなかったものなあ・・・

視覚特別支援学校 の中にも,本校への就学につながらない支援は「視覚障がい に起因するものではない」との理由で支援に消極的な者も少なくない.学校としては,センター的機能の充実をうたいな がら肝心の教職員への理解周知が難しい現実がある.

 なるほどな。

インクルーシブ教育の実現のためには,必要な支援が必要 な子どもたちに届くことが重要であろう.本話題提供者は,現状に限界を感じ,特別支援教育コーディネーターの定数化, できれば専門性のある人員の教育委員会からの任命制を切望している.

 これは、「他の仕事(担任など)をしなくていい専任者を置いて欲しい」ということだろな。センターというなら当然のことですよね。視覚だけでなく知的障害にしろ肢体不自由にしろ。


 で、私なんか、この両校のすごい取り組みを知れば、何もよう言わない、みたいなところですが、指定討論の滝坂先生は

「インクルーシブというなら、特別支援学校の縮小に向かわなければいけないのに(注。同じ教室で、とは言っておられない)、現状維持、通常校での児童・生徒の適応に終わってるじゃないか」

みたいなつっこみをされてました。

 まあでも、例えば秋山先生のところなんか、これだけ頑張っておられるから、在籍者数横ばいから微増で済んでいるんですよね。

 しかし、センターのコーディネーターに専門性の高い人たちを十分な数揃え、通常校に部屋と人員を用意し、OJT などもしていけるようにすれば、ほとんど特別支援学校に来る必要が無くなるのは事実だと思います。

 

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2020年10月19日

「特別支援学校における不登校の現状と課題」の企画案から



2020年特殊教育学会 自主シンポジウム72
「特別支援学校における不登校の現状と課題」

企画者 渡部 匡隆 横浜国立大学大学院教育学研究科
司会者 渡部 匡隆 横浜国立大学大学院教育学研究科
話題提供者 山崎 真理 神奈川県立瀬谷養護学校
話題提供者 大羽 沢子 鳥取大学医学部附属病院
指定討論者 井上 雅彦 鳥取大学大学院医学系研究科

動画はありませんでした。

【企画趣旨より】

令和元年度(2019年度)「学校基本調査」より
特別支援学校における不登校児童生徒数
小学部 145名(全児童の0.33%)
中学部 318名(全生徒数の1.04%)

平成26年度(2014年度)との比較でそれぞれ 1.6倍、1.2倍

高等部は調査対象となっておらず不明
 小・中学校はきっかけが調査されているが、特別支援学校では調査されていない(言えない子たちだからだろうな・・・)

【話題提供】

1.知的障害特別支援学校高等部の調査から(山崎真里)
対象:A県内公立特別支援学校知的障害教育部門高等部
   25校対象、22校より回答

在籍生徒数 2717名
不登校生徒数 240名(8.8%)
       このうちの48%が90日以上の長期欠席
       66%が前年度から継続
       1年生の44%が入学時点で不登校

不登校生徒の特徴

不安 30%
無気力 11%
その他 43%
その他の内容 家庭の事情、不定愁訴、ゲーム依存等

不登校の要因

家庭に関わる状況 32%
友人関係 10%
該当なし 37%
ーーーーーーーーーー
私の妄想
 以前に調査された通常校の統計で

の中学校を見た場合(つまり、高校入学時に不登校であった生徒にあたる)

では「教師との関係」が 2.5%

では「先生とうまくいかない/頼れない」が38.0%

と同じようなバイアスがあるでしょうね。

これは「隠している」とかじゃなく、「自覚がない」のだと思います。

不登校生徒の特徴のところにある
不安、無気力を逆にして、

・安心して過ごせるように見通しをたててあげる。
・安心して過ごせるように「何をどうしたらいいのか」わかりやすくしてあげる。
・コミュニケーションがとれるようにしてあげる。
・モチベーションがあがる授業を考えてあげる。

ということをすれば、相当に減らせると思います。
そして、そうやってお子さんが楽しく充実して過ごせ、わかってできることが増えれば、家庭の事情ってやつも、親御さんが元気になれるから減るんじゃないかな。
 もちろん、そうやっても残る家庭の事情や、お子さんの不安などはあるかもしれない。でも相当減らせるはずです。
ーーーーーーーーーー
効果的な支援
・教員から個に応じた支援
・連携による支援
・環境調整
・登校日数の調整(どういう意味なんだろう?)
・家庭訪問
・本人の興味関心を大切にした対応


2.全国の知的障害特別支援学校の調査から(大羽沢子)

平成26年(2014年)全国642校に対して。396校から回答。

児童生徒数 58428名
不登校割合   2.1%
小学部 15339名 不登校児童 102名(0.7%)
中学部 13140名 不登校生徒 163名(1.2%)
高等部 29949名 不登校生徒 973名(3.2%)
不登校児童生徒 1238名中 ASDのある児童生徒 381名(31%)

課題
保護者支援
集団での指導
入学前からの不登校

支援のうち(教師にとって)負担感の大きいもの
家族との連携
校内支援体制の機能化
外部との連携

負担感が少なく有効なもの
障害特性への配慮
校内支援体制の機能化
引継ぎ

(面白いですね。負担感の大きいものにも小さいものにも「校内支援体制の機能化」が入っている。これは「校内支援体制ができていないところは体制を作ろうとするとめちゃしんどい」けれど「校内支援体制が機能していると、チームで対応できるし、的確な対策ができるし負担感少ないよ」ってことかな)

不登校状態が長期(2年以上)にわたっている児童生徒を学部から1名ずつ抽出すると65.1%が障害の重さに関わらずASDのある児童生徒

posted by kingstone at 23:55| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「支援会議を活性化させる「ファシリテーション」(4)」を視聴する



自主シンポジウム58
「支援会議を活性化させる「ファシリテーション」(4) オンライン”支援会議の可能性を探求する」

企画者 三田地真実 星槎大学大学院教育学研究科
司会者 三田地真実 星槎大学大学院教育学研究科
話題提供者 田熊立 千葉県発達障害者支援センター
話題提供者 園部直人 山形県立鶴岡養護学校おひさま分教室
話題提供者 大森五月 千葉県発達障害者支援センター
話題提供者 臼井潤記 千葉県発達障害者支援センター
話題提供者 三田地真実 星槎大学大学院教育学研究科
指定討論者 岡村章司 兵庫教育大学大学院

動画の視聴に関して「著作権者の事前の許可なく、これらの情報を利用 (複製、改変、配布、公衆送信等を含みます。) することはできません」とあるのですが、私のように感想の記事を書いてはいけないんだろうか?一応「情報を利用」して勉強し、それについて感想を書いているのだけど・・・
あかんかったら即削除しますので、あかんかったら運営の方から私にご連絡下さい。


 星槎大学では、今回の新型コロナの件もあってオンライン講義をするために、下記のようなマニュアル的な動画を置くページを作っておられます。

 動画は YouTube にアップされているので、簡単に視聴できます。

例えば「1.オンライン会議システムに「参加」できる」


 どの話題提供者も

・事前準備

の大切さを言っておられました。
 もちろん、会議をするなら、事前に

・会議の目的の共有
・会議までに考えてきておいて欲しいこと(できれば簡潔にまとめておく)

などが大事ですが、さらに、回線、機器、またある程度それらの使い方に習熟していること、などが必要になってきます。
 お話を聞いていると、ZOOM も私が使ったことのない機能がたくさんあり、私自身、もっと使いこなせないといけないな、と思いました。

 で、実はそれらオンラインミーティングの話以外に、私が興味をひかれたところがありました。

 園部直人さんは、山形県立鶴岡養護学校おひさま分教室というところに勤務されているのですが、その分教室は、「県立こころの医療センター」に入院している子どもたちのための教室です。

 兵庫県や神戸市にもそういうのあるのだろうか?

 2015年4月から2020年7月までの在籍児童生徒の割合は

問題行動 65%
不登校  31%
その他   4%

だそう。(しかし、不登校って入院対象?)
 また問題行動は、生活リズムの乱れや自傷行動などだそうです。

 また千葉県発達障害者支援センターは強度行動障害の方のいる事業所の福祉職の人のための研修として

1.講義(全3回。今回この部分をオンラインでされたとか)
2.記録検討会議
3.施設訪問
4.ファシリテーション技術研修
(これは当該施設内でのミーティングや、連携している人や機関とミーティングするさいに、会議がうまく進むようにですね)
5.実践発表

 という流れでやっておられるそうです。
 
 あと、本番のミーティングの前に、習熟のためにミニ研修をやってみる、なんてえのも参考になりました。







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2020年10月18日

「高等学校におけるスクールワイドPBS導入の成果と課題」を視聴する



2020年特殊教育学会
自主シンポジウム49

高等学校におけるスクールワイドPBS導入の成果と課題

企画者 半田健 宮崎大学教育学部
企画者 若林上総
司会者 若林上総
話題提供者 半田健
話題提供者 若林上総
話題提供者 松山康成
指定討論者 横山貢一


動画の視聴に関して「著作権者の事前の許可なく、これらの情報を利用 (複製、改変、配布、公衆送信等を含みます。) することはできません」とあるのですが、私のように感想の記事を書いてはいけないんだろうか?一応「情報を利用」して勉強し、それについて感想を書いているのだけど・・・
あかんかったら即削除しますので、あかんかったら運営の方から私にご連絡下さい。


図はクリックすると大きくなります。

企画趣旨より

第一層、第二層、第三層の説明から

1層 全員 80〜90%
2層 リスクの高い子への支援 10%程度
3層 より専門的な支援 5%程度


1層 全員 〜80%
2層 リスクの高い子への支援 〜15%
3層 より専門的な支援 5%

 まあだいたいそんなもん、というところか。

 いったい、日本でどのくらいの割合のお子さんが制度としての特別支援教育を受けているのか調べてみたら、この資料に行き当たりました。

特別支援学校在籍 0.7%
特別支援学級在籍 2.4%
通級利用者    1.1%
計        4.2%

 ということは、少なくとも現在、特別支援教育を受けている児童・生徒は第3層になるわけだ。

行動マトリックスってのが私にわかっていない。検索したらここに行き当たった。

今度の『行動分析学研究』SWPBS特集号では、第1層支援で使う“Matrix”を「ポジティブ行動マトリクス」とやや意訳する予定。理由は「ポジティブな行動を教えて増やすんだよ」ということを繰り返し繰り返し強調するため。大阪市の「学校安心ルール」みたいな「これはダメよリスト」にしないためです。

 で、大阪市の「学校安心ルール」がこれ。
行動マトリックス.jpg

話題提供1. 全日制普通科高校の例(松山康成先生の話題提供)

 なお、ツイートしながら見ていたら、松山さんからリプライ頂いたので、動画発表に無い部分も教えて頂けました。

実践順序
1.SWPBS 導入に向けての研修
2.ポジティブ行動マトリクスの作成
3.支援チームの結成
4.SWPBS 導入に向けての全校集会
5.Good Behavior Ticket (GBT) 手続きの実施
6.Positive Peer Reporting (PPR) 手続きの実施

 行動マトリクスを作るにあたって、校訓にあてはめていってる。
(「行動表」と「行動マトリックス」は同じ物だそうです)

 これはいいですねえ。
 校訓って、割と短くて、教職員、生徒ほぼ全員が知っている。
 そしてどこからも文句のつかないまっとうなことが書かれている。
 学校教育目標も大事なのですが、年度始めに発表されて、後はほとんどの人が忘れてる、ってことも多いし。そういう意味では校訓に匹敵するくらい短くてわかりやすい学校教育目標を作ることは大事なのかもしれない。

 この学校の場合は「敬・達・創」だそう。そこで

敬→自分と仲間を大切にしよう
達→目標達成のために学校生活を充実させよう
創→居心地のよい教室を作ろう

ということでこんなマトリクスを作られました。
松山行動表.jpg

なお、実践で使われた掲示用は下のようにカラフルで楽しげなものになっています。
スクリーンショット 2020-10-18 14.17.13.jpg

 大阪市のとの違いがよくわかります。

 大阪市のは怖い顔をした先生が「おい。こんなことしたらあかんねんぞ。わかってるやろな!」と言ってる感じ。
 松山さんのはニコニコした先生が「さあ、こうやってみようよ」と言ってる感じ。

 教職員(ってことは教師だけじゃなく、事務、その他の方も参加してくださってるよう)から生徒に「ありがとう」と思った時に渡す「GoodBehavior カード」を利用もされてる。なんか高校生相手だと、照れちゃいそうだけど、照れてちゃいかんのだろうな。

 と書いたら松山さんから

渡すことに抵抗のある先生もいらっしゃるのですが,逆にその先生のカードは発行枚数が少ないので”レアカード”として生徒から評価されています。

 とのことでした。

 少し後から生徒から生徒に渡すのもやってはる。

PPRについてはこんなサイトを見つけました。
元が英語なんだけど、私の Mac で Chrome で見てると、即日本語に替えてしまうので、原文がどうなのかはよくわからないのですが。


 で、たぶん「ありがとう」が学校のあちこちで飛び交ったのでしょう。

「ありがとう」が満ちた学校っていいですよね。

 測定、評価に「別室指導」の回数を使われたのですが、これが減っていってる。
 そして、次年度には「別室指導」という指導方法そのものが無くなったそうです。

 なお、松山さんの論文は
「高等学校における学校規模ポジティブ行動支援 (SWPBS) 第1層支援の実践 - Good Behavior Ticket (GBT) とPositive Peer Reporting (PPR)の付加効果 -」

という題で掲載されています。
 私もこのサイトで購入しようとしたのですが、

 ここでで最終場面まで行ったが最後のボタンを押してから何も音沙汰なく登録に失敗したようです。
 なんせ基本は「医療従事者限定サイト」ですから、福祉職の私では相手にされないのか?


話題提供2. 全日制専門課程設置校での導入(半田健先生の話題提供)

(私、専門課程設置校という用語も知らなかった・・・工業科、商業科、農業科とかのことみたいです)

 農業の専門課程をもつ高校が、X+1年に通級学級を作るにあたって、生徒の実態把握、通級を利用する生徒の選定、校内体制の準備のために SWPBS の専門家を紹介してもらい、Xー1年(つまり通級設置2年前)から準備のため半田さんに依頼が来たと。

 こちらは学校教育目標に沿って

じぶんを育てよう→本人の内面や行動に関すること
なかまになろう→対人関係やコミュニケーション
まなびに親しもう→ルールに関すること

 で行動マトリクスを作られています。
 こちらもやはり全教職員で研修された、と。教師だけでないのがいいな。
 で、X年の1年生から PBS を導入。

 行動マトリクスを掲示。これは生徒にも教職員にも「目について意識する」効果があるやろな。松山さんの例でもやってはったし。

 掃除については教職員・生徒双方とも意識が低かったのでキャンペーンを行なったと。

支援1は「認める声かけ」
支援2は「認める声かけ+グラフ化して掲示」

 これで教職員から見ても、美化委員の生徒から見ても、きれい度が

それ以前<支援1<支援2 

と上がっている。

なんか「(支援1については特に)たったこれだけのことで」という感じ。でもそうなんだろうなあ。教職員の変化やね。

 学校と半田さんが4か年計画で考えてはる。で、取り組み始めた時はコアチームを作って実践したが、異動があっても困らないように、一部の教職員の専門性に頼らない校内支援体制(要するに全てとは言えなくてもほとんどの教職員がいろいろわかってる状態にするってことだろうな)を構築していきたい、と。



話題提供3.定時制高校に SWPBS を取り入れた事例(若林先生の話題提供)

前の話題提供でも出てきてた Check and Connect という言葉。

Check  行動記録のモニタ。要するに記録を調べる。
Connect 面談。

 記録はエピソード的なものより、行動の頻度でデータ化されたものを使うのかな。PBS の場合。
 最初はコーディネーターの先生がほとんどの事務作業をやってはったが、うまく行きだすと他の先生も意義を感じ、委員会内で役割分担ができてきたと。

1.うまくいきだす(結果が出る)
2.他の先生方が意義を感じる(理解する)

の段階が必要ということやね。結果が出て「いいもんだ」という実感があっって始めて学習しよう、仕事をしようという気持ちが出てくる。逆じゃないんだよなあ。三項随伴性(ABC)で考えても納得。

 だから最初に始める人はたいへん、ということやね。何でも。

 基本的な SST をされてるのだけど、できた生徒を認めるためにトークンを生徒に渡す、という方法をとられていい結果を出してはる。その時、グラフを書くことが教師への強化子になったと。しかし効果が出にくい生徒がおり、それは不登校経験のあった生徒が多かった。介入されることに不信感があるのかな

 学校からフェードアウトしてしまう危険を感じ、Check and Connect をする。

Check 遅刻・欠課・欠席など関係する指標を調べる。その他、呼び出して指導を受けた場合なども記録。基準を設け、数量的にそれをオーバーしたら面談と決めやすくなる。(呼び出し指導とは別ってことだな)

Connect は身近な大人がメンター的に定期的に寄り添い本人に肯定的にフィードバックする。

 なるほど。これなら「呼び出し指導」とは違うな。生徒も気づいてくれるかな。

指定討論にて

 現在の学校にある既存の組織を使ったのでうまくいったというか、既存の組織を大事にすることでもあるよな。別の組織を作ると「仕事が増えた負担感」が大きくなるし。

 指定討論者さんが、通級設置をきっかけに SWPBS を導入したのだけれど、これを小・中にも普及させたい、と言われてた。なるほど、小・中に普及し、その基本的な考え方が特別支援学級、特別支援学校に普及していく、という方向もあるかな。

(実のところちょっと寂しいのだけど。本来は特別支援教育から通常校に変化を及ぼしていって欲しいのだけど、無理かもしれない、という思いはある。全体的に見た場合、私の体験からは通常校の教師集団の方が「学ぼう」という士気が高いので。特別支援学校の場合は、少数の熱心かつ士気の高い先生がおられるのだけれど、集団となると士気がめちゃ落ちてしまう。もちろん現場の先生方の問題より、管理職・教育委員会が作り出しているシステムの責任が大きいと思いますが)

 指定討論の横山先生から半田先生に、SWPBSを継続していくために「行政との協力の具体例としては?」の問に

SWPBSは
・学校 データに基づく意思決定
・実行度の高さ
が大事。そして

実行度の高さのためには地域が大切

・専門性をもった人材の育成
・SWPBSの広報・普及活動・予算の確保・地域の教育方針にSWPBSの実施を位置づけていく

という回答がありました。なるほど。これは行政の仕事だ。



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2020年10月17日

「発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS」を視聴する



特殊教育学会自主シンポ50
「発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS」

企画者 平澤紀子
司会者 平澤紀子
話題提供者 岡村章司
話題提供者 佐々木千絵
話題提供者 村本浄司
指定討論者 大久保賢一

 しかし・・・動画の視聴に関して

「著作権者の事前の許可なく、これらの情報を利用 (複製、改変、配布、公衆送信等を含みます。) することはできません」

とあるのですが、私のように感想の記事を書いてはいけないんだろうか?
一応「情報を利用」して勉強し、それについて感想を書いているのだけど・・・
あかんかったら即削除しますので、あかんかったら運営の方からご連絡下さい。

平澤先生の企画意図説明(企画案からの引用を含む)

PBSとは の一部
当事者のポジティブな行動(本人のQOL向上や本人が価値あると考える成果に直結する行動)をポジティブに(罰的ではない肯定的、教育的、予防的な方法で)支援するための枠組み

で、昨年度の自主シンポで

「実践をリードする推進者」

が大事、という話になったみたい。

 そして現場の支援者と共有するために、

・PBSの推進者は何を学習すればいいのか
・どのような学習(これは推進者と支援者の、ということだと思う)が必要か

という問題意識で開催されている。
なんか RPG で勇者のレベルによって使える武器が違う、みたいな・・・


1.PBS研修のスタンダード(岡村先生の話題提供)

 特別支援学校を対象とした場合(?)で、Lewis et al.,2016 に基づいて、1層、2層、3層に分けて必要なことを書いている。

 この1層、2層、3層って PBS をよく勉強している人でないとわからないのじゃないかな。私もわからなくて、以前どこかで見つけて「なんやそういうことやったんか」と思ったのですが、また忘れてしまっている(笑)

 ネットを検索して見つけたのがこれ。
 
「ポジティブな行動支援 PBS とは?」

 これは支援の必要なお子さんを階層分けしたものですが、
1層 全員 〜80%
2層 リスクの高い子への支援 〜15%
3層 より専門的な支援 5%
 ここから類推すれば第1層というのは、全特別支援学校の教師であり、全特別支援学級の教師ということになるのかな。
で、1層の集団と情報共有する講師(リーダー)に必要なものは

○ PBSの定義
○ ABAの基礎
・ABC分析
・機能的行動アセスメントの理論
・データ収集
○1層支援で必要な内容 
例 行動マトリックス 効果的な教室実践
○スクリーニング
○学校の課題把握


そして基礎研修プログラム案として提案されているのが
1.導入
2.ABA、PBSとは
3.三項随伴性と行動の機能
4.結果操作、強化を中心に
5.データに基づく評価
と、主としてABA、PBSについての内容(これはこの自主シンポとして当たり前ですが)になっています。

 はて「三項随伴性」って何だったっけ?と調べてみたら、
事前の状況
行動
事後の結果
で、何だABC分析のことだ、とわかりました。正確には

「三項随伴性の考え方に基づいて『事前の状況』『行動』『事後の結果』を分析するのがABC分析」

というようなことになるのかな。

 そのあたりを学ぶには

はわかりやすいと思います。
関連エントリとしては


 私としては、導入のところで「何のためにこんな勉強をし、スタッフの行動を変容させていくのか」は入れておきたいところだな。

 卒業後の、

・周囲の人とのコミュニケーション(音声言語にこだわらない。人によっては音声言語を使ってはいけない場合も)が取れるようになること
・その人なりの楽しく、充実した生活が送れるように

というのが目的であって、短期的にはみんなが集まったクラスで授業と呼ばれるものに(私が学校文化と呼ぶものに)参加させるためではない、というのは肝に銘じておいて頂きたいのだけど。結構それが諸悪の根源だったりするので。(もちろんそのお子さんが長期的には参加できるように、授業を改善していって頂きたいのだけど)

 もっと言えば、現状の学校が体制が整っていない場合、学校に来なくてもいいのだ、しかしそれは自分たちの責任であるから、体制を整えていこう、というふうにして欲しい。「学校に来てくれさえすればちゃんとできるんです」とか言って、強制的に学校に連れていく部分を、家庭や福祉に丸投げしないで欲しい。

 そこを自覚して下さる先生方となら、いくらでも連携できるのだけれど。
 学校が強化子になっていたら、スキップして学校に行くと思うから。


2.特別支援学校におけるPBS推進者(佐々木先生の話題提供)

動画を見てたら、ある特別支援学校での問題として

「免許保有者が少ない」

とあった。
先日のニュースでは特別支援学校の80%の教師が特別支援教育免許を持っている、という話ではなかったか?

"知的障害教育で86・0%"

と書いてあるのだが・・・
もちろん地域・学校によって違いはあるだろうけれど。
 ひょっとして、このアンケート回答、母集団が正規採用の教員だけ?

 なお、私は以前より「特別支援教育免許」の特に認定講習の座学はほとんど無意味ではないか、みたいな意見をもっており、それに使う時間を別の形で、スーパーバイズつきでの現場での自分が担当しているお子さんの事例研究とか(つまりOJT)にしたほうがよっぽどいいんじゃないか、と思っています。

 たぶん、講師の先生方から、最新のことを学ばして頂けるんだろうけれど、「講義を聞く」という形式では身につくことはものすごく少ない、と思っていいと思う。


話題提供者は支援部長さん

う〜〜ん、ぱっと視聴しただけではよくわからない。

 企画案に書かれているのは

こうした課題に対して、実践校は、支援部が各学部の事例検討会を行なっていたが、個々のスキルにより成果が左右された。そこで支援部長が支援部員にPBS研修を行い(「事例検討シート」を用いた演習)、支援部員のスキル習得を確認した後で、各学部の事例検討会を行なった。その結果、対象児の望ましい変容や教員の支援の見通しの向上につながった。

 とのことです。やっぱり事例研究というか事例検討を大事にしてはるのね。
 ひょっとして支援部長さん、すげえ仕事量?

 なお、指定討論のさいの質問に
Q.難しかったところはどこですか
A.日程調整
というのがありました。これ、特別支援学校が大規模化し過ぎてるのだと思う。また
Q.地域へのサポートは
A.なかなか地域までは手が回っていない。校内体制つくりが必要
とのことでしたが、しかしこれだけ校内への支援をしているというのが素晴らしいと思いました。
私の知っているいくつかの学校は支援部はあっても外部支援がほとんど、そして校内はちょっとまずいぞ状態であったり・・・自分の組織がちゃんとできていなくて、外部を支援できるものだろうか・・・(なお学校によっては「自立活動部」が校内指導にあったっているようです。場合によっては「研修部」があたる場合もあるかな?)



3.福祉施設におけるPBS推進者(林先生の話題提供)

 400人超の利用者さんがいる入所施設での研修システム。10年前から取り組み、発表者さんがその施設を退職して6年、そのシステムはどうなったか、という報告が前半。しかしそのままの形ではないけど続いてる、すげえ。

 一応、初級、中級、上級、スーパーバイザーという段階で進んでいきます。

 上がるにつれてお給料も上がったりするのかな。それだとモチベーションが上がるような気がしますが、そこの説明は無かったかな。

 ただ「地域参加の支援」については弱点があり、そこを助けてくださるのは相談支援専門員であろう、ということで相談支援専門員と発表者さんが協力して行動問題を減らしていったのが後半。

 そして「相談支援専門員も ABA や PBS の研修を」というのを提言してはりました。

 ここについては、私がツイートをしたところこんなツイートをされた方がおられました。私もほぼ同意見です。

相談支援専門員は、利用者のニーズを理解して適切な支援を提供できる事業所に『繋ぐ』役割を担う人なので、直接支援技術力よりも、各種事業所の力量を知る情報収集力を持つ方が大事だと思う。

 あと現状では相談支援専門員は「数をこなさないといけない」。そして書類書きに追われて疲弊しているの現実です。結局これはお金の問題。せめてケアマネージャーさんのように35件上限で、生活がたつ財政支援をして下さればいいのですが。

 そしてもちろん、福祉職も教職員も、常識としてのABA理解はやはり必須だとは思います。(いや、なんちゃらのほうが、いやこっちのほうが、とかいろいろご意見はありましょうが、常識として知っていて、その上に何を構築しようとそれはその人の個性でいいんじゃないの、と思いますから)

 しかし、そういうものを学ぶためにも、「生活の安定する収入」「時間的余裕」は必須ですやん。



posted by kingstone at 01:14| Comment(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする