※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2026年01月01日

『旧統一教会 大江益夫・元広報部長 懺悔録』




 旧統一教会で広報部長までされた大江益夫さんに、桶田毅さんがインタビューしたもの。

 大江さんは京都府福知山出身。

 身近に大江姓は多く、大江広本にもつながるという言い伝えがある。

 もともと高校生時代に民青(共産党の青年組織)の活動をされていて、ある日福知山駅前で演説していた京都大学原理研究会の人に議論をふっかけ、そこからいろいろな研修会に参加し、文鮮明氏に帰依されたよう。

 ご本人も合同結婚式で結婚し、文を読む限り「宗教組織への帰依」ではなく「文鮮明氏への帰依」という形での信仰は強くもっておられるよう。

 なお、高校時代に東京で開かれた研修会に参加した時には、岸信介氏も顔を出されたとのこと。

 勧められて早稲田大学に進学、原理研の活動に参加、その当時の「経済活動」はいろいろな名目を立てたり、健常な信者が障害者のマネをしたりして募金を集め、しかしほとんどは運営費に使われていたので、大江氏は「やりすぎだ」とは思ったが、何も言えなかったと。

 またその当時の間違いがその後の「霊感商法(高額な壺販売)」などにつながってしまったことを「過ち」と言っておられる。

 なお、後年広報部長となったおりに、週刊文春と対立関係になり、話し合いももつようになったが、ある日会が終わったあと文春の人に「高額な壺販売などを正しいと思っているのか」と問われ、思わず「思っていない」と答えてしまったそう。

 早稲田で殺された川口君(革マル派に中核派のスパイと間違われて殺された。なお、それ以前に、川口君は原理研の人材が主な「早稲田学生新聞」の記者をしていた。ただし入信はせず)と、その後の「川口セミナーハウス」の問題にもかかわってはる。全体としていろいろなことに「責任をもとう」と行動してはった感じはよく伝わってきます。

 その後も上部に霊感商法はまずいのではないか、と進言したり、本を出したりしたことで左遷され地球の裏側に飛ばされてしまいはります。

 この本で怖いな、と思うのは、勝共連合(統一教会)は、日本全国各地で銃砲店を経営していた。一朝ことあれば(例えば日本へのソ連の侵攻)、いつでも後方支援に回れるように準備していた、という点。また中枢部の人からの指示ではないが、周辺部の大江さんが「武闘派」と呼ぶ人たちが不穏な動きをしていた、ということ。

 なんかなあ。

 大江さんは既に地元に戻られ、地域で行政書士として暮らしながら、この本を出版後は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)からは完全に離れ、家の宗旨で葬儀をしてもらい、先祖代々の墓に入ることを宣言しておられます。

 しかし、それとは別に文鮮明氏への帰依はありそうだし、信仰というのはそういうものだと思います。

 なお、晩年の文氏は「もう宗教はやめだ」と言っておられたとのこと。

 その流れで言えば「宗教法人解散命令」が出ても、まったく問題が無いのではないか、と思います。

 無税の特権が無くなるだけで、集まってもいいし、会社組織を作って税金を払って活動しても良いわけだし。

 他人の人生を狂わせるような高額なお布施を、脅すような形でふんだくる活動をしている組織を、宗教法人と認める必要はまったく無いと思います。

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2025年12月27日

『スノウ 第2巻』吉田優希著




 ロンドンで使っている井戸によってコレラが発生していることを、統計的に示した疫学の先駆者、みたいな説明でいいのかな?
 どへーーっというエピソード満載で、うまくそれが噛み合ってない気がして、読みにくいところもあるのですが、いろいろ興味深い。
1830年代 コレラに対応
1849 コレラのコミュニケーションについて(当時の定説の瘴気説(匂い)への懐疑)
1850 ロンドン疫学会の創設メンバーとなる
1855 (1854 のコレラ大流行について)給水ポンプの問題を指摘、公共の井戸が糞便溜めから近く、糞便の影響を受けているのではないか、と
しかし、大部分の人が「不快がって」認めたがらなかった。

 これって、ゼンメルワイスが産褥熱で死ぬ産婦は、(遺体の解剖をした手でそのまま産婦に対応する)医師の手についた死体粒子のせいではないか、これをさらし粉(次亜塩素酸カルシウム)で手を洗うことによって防げるのではないか、という説を出したのに対して「崇高な活動をしている我々医師の責任だと言うのか」と激しい反発にあった、という話にもつながるな。


1847 ゼンメルワイス手洗い消毒で効果を上げる。他のほとんどの医師から嘲笑を受ける。

では、細菌学のほうはどうであったかというと


1876 炭疽菌の純粋培養に成功し、炭疽病の病原菌であることを証明
1882 結核菌を発見


1861 「生命の自然発生説」を否定
1862 低温殺菌法の実験

とまあ、タッチの差(でもないか。15年〜20年と言えば2025年を基準に考えると2005年〜2010年。終わりの頃にやっとスマートフォンが出てくる。、2005年だと、福知山線事故、マンション耐震偽装問題とかがおこった年。はるか昔か)で、まだわかってなかった頃だもんな。


 イギリスの疫学者であり、医療統計学の創始者のひとり。

 彼の最も重要な貢献は、死因を日常的に記録するシステムを構築したこと。例えば、このシステムにより初めて、異なる職業における死亡率の比較が可能になった。

 1854年当時はスノーの説を取り入れていなかったが、1866年にはとり入れる。

 しかし、第2巻の冒頭は、ファーが独裁的専制君主みたいにふる舞うところから始まるのですが、そういうエピソード、あったのだろうか?
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2025年12月23日

『世界史とは何か』小川幸司著




2023年6月20日 第一刷発行

 これ、著者、小川幸司さんがすごい人だ。

 執筆当時、長野県の高校の校長先生。

 かつ高校の世界歴史の科目に2022年から「世界史総合」という授業が始まるにあたって、文部科学省のワーキンググループに入っておられた。

 ということで「エリート街道を順調に進んで来られた人」みたいなイメージができるけど、実は授業実践ではとんでもない(褒めてる)ことをしてきている方。で、

第1講 私たちの誰もが世界史を実践している

はいきなり、1994年6月に起きた松本サリン事件の話から始まります。

 教員7年目の著者は、事件現場を校区に持つ松本深志高校で世界史を担当。(着任されたのが、10か月後の1995年4月だったのかな?)

 10か月前に松本サリン事件が起こり、最初は完全に河野義行さんが犯人と警察・マスコミが断定し、日本中のほぼ全員がそれを信じていました(私も著者も、その一人)。

 しかし、1995年3月の地下鉄サリン事件からのオウム真理教強制捜査以降、次々明らかになる事実から、オウム真理教の起こした犯罪だとわかります(警察が断定したのは1995年6月)。

 当時の松本深志高校にはそれ以前から「図書館ゼミナール」という図書委員会を中心とした自主ゼミ活動があり、その中で著者は「ゼミナール21世紀の世界史」という「今、ここで」世界史を学ぶ意味を問い直す活動を始められます。

 そのゼミをまとめていたのが、当時生徒だった河野義行さんの長女。

 当時は、まだ冤罪はとけていません。しかし学校は、「父が犯人であろうとなかろうと子どもは別人格。事件にはふれずにおこう」と全体で取り決め、長女さんも、学校に通い続けられたことが、支えになったとか。

 で、それがどう「世界史」につながるかというと「通説」とか教科書で短く紹介されている史実も、よく調べてみると「そうでもないかも」という、最近流行の言葉で言えば「ファクトチェックの大切さ」ということになるかな。

 実際、河野義行さんも「松本サリン事件の犯人」という「史実」が定着していた可能性もあるわけですし。

 なお著者は後年、この自主ゼミに河野義行さんを講師としてお呼びし、かつ地域住民にも公開しようと企画されました。

 既にその頃、河野さんは元や現、あるいは後継宗教のオウム真理教信者が「会いたい」と希望すれば会われ、対話をする、ということもされていました。

 (そういうのをこころよく思っていない人がいたのか)地域の有力者が校長に反対の意を伝え、校長から中止の勧告が出たそう。しかし、著者は指示(というか遠回しの言い方かな?)を聞かず、実行されたそう。

 やはり、そういう方だからこそ、良い実践ができるのかな、とも思うし、そういう「管理職の言うことを聞かない」人でも(だからこそ、か?)校長になりいの、文部科学省の委員になれたりもするんだよ、ということはいろんな人に知っておいて欲しいな。

 なお、現在どうなっているかはわかりませんが、この本を書いた時点では「出版後、自主降格して現場教師になるつもりだ」と書いておられます。

 いろいろな例が出てきますが、私等「イギリスはアヘンなどという麻薬を輸出して、それを禁止したら戦争をしかけるという、倫理的にとんでもないことをする政権だ!」とだけ思っていた「アヘン戦争」も、当時はアヘンは薬としても扱われていた」「広がっていたのは富裕層に対してが主だった」「英国はアヘンを清への主要な輸出物としていたわけではない」、ということがわかれば少し違った見方もできるとか。

 とにかく調べて調べて、しかし「いろんな意見があるね」で判断停止せず、自分のこととして考えていく。

 なお、ドイツでは「ホロコーストは無かった」「学校でホロコーストのことを教えるな」というような歴史修正主義(と名付けてしまってはいけないのかな)の力が強くなってきた時に、歴史教師はどうあるべきか、という話し合いがもたれ、結論はだせなかったけれど、歴史教師は

「知識量で生徒を圧倒するようなことはしない」

というのは確認された、みたいな記述があったような・・・

 しかし、「非戦の論理」「民族とは」みたいな、本当に刺激的な問いかけが多く、たくさん考えさせられたし、またいろいろ自分で資料を集めて勉強したいな、と思わせて頂ける本でした。

posted by kingstone at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年10月29日

「過疎ビジネス」横山勲著




 帯の副題が

「コンサル栄えて国滅ぶ」

 で、いろんな例を教えてくれはるのかな、と思ったらほぼ 1例を深堀り(?)した書でした。

 その一例がある会社の社長が言った録音データで

(地方議員は)雑魚だから、俺らの方が勉強しているし、分かっているから。言うことを聞け、っていうのが本音じゃないですか

というのがばれ、またその責任を取って(?)社長はやめはるのだけど、結局その会社が請け負ったまま。

 結局議員だけでなく、自治体も手玉に取られている。

 これは企業版ふるさと納税で事業のお金が入るので、そのお金をねらい、大きな自治体は知識もあるので、小さな自治体をねらって、ふっかけ利益を取ろうという算段。

 で、第6章の小見出しの中に「ダイナソー小林の記憶」というのがあって、びっくり。

 これは小林先生が発掘に協力したカムイサウルスを展示する博物館を、北海道のむかわ町が作る時に、上記の会社がコンサルとして入ったが、この本で述べられている事実が発覚して撤退したのだけど、博物館建設については、そのまま上記会社と仲良しの業者さんが計画していた。

 しかし、それが小林先生から見ても「博物館の機能」が?なもので、住民にとっても?で問題になり、結局「新博物館を考える町民会議」ってのができて考え直すことができた、という話。

 もう、これでお腹いっぱい・・・

 そうだよな・・・

 地方創生というか地域おこしの成功例とされるものは例えば、岩手県紫波町の例では

○モチベーションの高い引っ張る複数の人
○外部の一流の人(マスコミ的には有名でなくても)を集めてくる。大学とも協力
○準備(10年以上にわたって続けられている)とコミュニケーション

ということになるだろうと思う。決して丸投げではない。

 なお、ファイナンスで誰かを紹介してくれ、と相談を受けたぐっちーさんは、「情熱には応えたい。しかしその年俸では良い人を紹介できない。なら自分でやっちゃえ」と住居まで自腹で用意して、関わってはる。

 決して、中央から会議の時だけ行く、というわけではないわけです。

 この「地元の熱意ある人」「外部の人が住み込みでことにあたる」というあたり、海士町の


などでも同じですね。

 今も、対岸だけど松江で事務所を持ってはる方もおられる。

 中小自治体のふところからふんだくろうとする人は来てほしくないよなあ。
 
 また、自治体も丸投げしちゃあいかんよなあ・・・

 なお「企業版ふるさと納税」で、こんな使い方はいいかなあ、と思ったのは倉敷市で「蔵のある街」っていう映画を作った、とかあるけどね。
(でも、あまりたくさんの人は見てないか?)



posted by kingstone at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月11日

『女神のタクト』塩田武士著




 紙のほうを妻が読み終わってたので、借りて読みました。

 著者は元神戸新聞の記者。

 舞子側の明石海峡大橋
 アジュール舞子
 神戸駅北側周辺
 関西学院大学みたいなところ

と地元がいろいろ出てきてました。

 つぶれかけの楽団を、若くて有名だけど引退した指揮者を呼んで来て、暴力的な女性が立て直す。
 ストーリーとしてはかなり無理があり、荒唐無稽なんですが、ふと思ったのはこれ実写映画むきじゃないか、ってことです。

白石老人(オーケストラオーナー) 田中泯
一宮拓斗(若くて有名だがなぜか引退した指揮者) 野田洋次郎
矢吹明菜(周囲の男が言うことを聞かなかったら蹴る女性。30歳)今、30歳前後でこの役にはまる俳優さんの顔は浮かばない・・・

 こんなサイト、あるんだ。


 ここの上から見ていくと近いのは

吉岡里帆
土屋太鳳
西野七瀬

 いまひとつピンとこないけど、演技になると豹変する方がおられるからなあ・・・

 けっこう面白そう。



posted by kingstone at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする