私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2020年07月28日

マネーボール マイケル・ルイス著





Wikipedia にある説明

「ビリー・ビーンGM率いるオークランド・アスレチックスは毎年のようにプレーオフ進出を続け、2001年、2002年と2年連続でシーズン100勝を達成。2002年には年俸総額1位のニューヨーク・ヤンキースの1/3程度の年俸総額ながらも全30球団中最高勝率・最多勝利数を記録した。「アスレチックスはなぜ強いのか?」多くの野球ファンが感じていた疑問の答えは、徹底した「セイバーメトリクス」の利用に基づくチーム編成にあった。」

 で、この本が出てからも、他のチームはこの考え方を馬鹿にしていて、アスレチックスは活躍し続けたのだけど、だんだん「やっぱりほんまや」となってこの考え方を取り入れるようになり、コストパフォーマンスは落ちていったとか。

 しかし、それまで頑固に「こうに違いない」と思われていた「ストーリー(物語)」が、統計などで科学的に検証してみると、全然違っていた、とかいうのは統計や科学の一番大事な働きやろな。でもファンは「ストーリー」を読みたかったりするけれど。

 ただ、この本も「今まで評価されていなかった選手が活躍する」「弱小球団がお金をかけずに活躍する」という新たな「ストーリー」を生み出しているわけか。

 「統計」のどの数字が本当は一番大事なのかを見つける、という話でもあるわな。

 そしてビリー・ビーンにヒントを与えたビル・ジェイムズという人がとても面白い。

 カンザス大学で経済学と文学を学んだのち、陸軍に徴兵され、その後大学院に入ったが中退。食品工場で夜間警備員として働き出した。

 1977年に、ガリ版摺りでホッチキスどめの「野球抄1977 ー 知られざる18種類のデータ情報」を自費出版で作り、「ザ・スポーティング・ニュース」という新聞に切手大の広告を出したら75部の注文が来た。それが嬉しくて1988年まで毎年出していったという人。

 最初はまったくの同人誌やね。後半はオタク仲間に認められ、会社も作っている。

 最終的にボストン・レッド・ソックスのアドバイザーにもなっている。


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2020年07月27日

日本中世への招待 呉座勇一著




読書メモ

 結婚って別に最近難しくなったわけではなく、昔から難しかったようで、御伽草子の「物くさ太郎」は嫁が見つけられないので「辻捕(つじとり)をしよう」と考えたそう。

 これ「男も連れず、輿車(こしくるま)にも乗らぬ女房の、みめよきが、わが目にかかるを取るぞ、天下のお許しにてあるなり」ということで、今、中央アジアのどっかで行われてる「誘拐婚」と同じやん・・・まあいわゆる声をかけるナンパみたいな場合もあるけれど、誘拐であった場合もあるみたい。中世の法令で厳しく禁じられているけれど、社会的に公認されていたというのが、網野善彦さんの説だって。(法令で禁じられているということは結構あったということだし)

 それから1491年に、倭寇の根拠地と見られる対馬を朝鮮王朝が攻撃し、その後の日朝関係の修復のため、翌年来日した老松堂がソウルー京都間を往復した旅を綴った「老松堂日本行録」によると

・仏教隆盛(僧の数が多い)
・遊女が多い
・男色が盛ん

だったそう。

 男色については、「中世」とは言えませんが、1719年に朝鮮通信使としてやってきた申維幹(幹は本当はもっと難しい字)は「海游録」の中で、接待役だった儒学者の雨森芳洲に男色の盛行を非難したところ芳洲は「あなたは男色の素晴らしさをご存知ない」と返答したと。

 しかし、儒学って性道徳に何か言ってるのか?
 あまり知らないな・・・

 あっ礼記の
「七年にして男女は席を同じゅうせず、食を共にせず」
とかか・・・

posted by kingstone at 23:29| Comment(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月06日

死の淵を見た男 門田隆将著




映画「Fukushima 50」の原作です。

 最後まで福島第一原発に残り、電源もなく、状況もよくつかめない中、炉心に水を入れ冷やし続けた人たちの物語。

 どんなことでも、死を前提とした「特攻」はよくないと思います。

 そして吉田所長(映画では渡辺謙)、伊沢当直長(映画では佐藤浩市)は前線に出す部下に生きて戻ってこれるように指示を出します。でもたくさんの放射線量の中に出ていくのだから、きわめて「特攻」に近い覚悟が必要だったろうな。

 そして吉田さんも伊沢さんも、他の人も死を覚悟、意識した瞬間があったと。

 消防車も使えなくなって、また爆発が起きた後、三号機に出動した自衛隊の消防車部隊の方。

 線量計の音が鳴ったら中止して帰って来るように言われていたそう。作業現場に着いた瞬間鳴ったのだけど、車の外を見たら防護服を着た東電の方が外で作業をしていた。それを見た瞬間(その自衛隊員さん曰く)「指示を忘れてしまった」と、作業をやりきって帰られたそう。
 そんなことだらけだったんだろうな。

 そして現場で奮闘している人たちは、自分たちがやらなければどう事態が進行していくかが、机上の空論でなく、肌身で理解することができておられたのだろうな、と思います。

 現場の肌感覚、大事だよなあ・・・

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2020年06月13日

ワイルドサイドをほっつき歩け ブレイディみかこ著




ワイルドサイドをほっつき歩け
副題が「ハマータウンのおっさんたち」

 以前書かれていた「労働者階級の反乱」に出てきたおっさん(おばさんも出てくる)たちとののエピソードをまとめてはります。

 だいたいが夫氏(白人、アイルランド出身、ダンプ運転手)の友達だけど、ご近所さんとか、みかこさんのお友達とかも。

 で、なんかパブが重要な交流の場になってるな。

 まあ、そのパブもどんどん立ち行かなくなってるそうで、本当に今回のコロナ騒動で相当のパブが潰れる(潰れた)んじゃなかろうか。

 イギリス(というかイングランド)では大学もたくさんお金がかかるようになっていて、5万ポンドとかの借金を抱える学生も出てくるって。だいたい700万円!!

 なお英国の医療システムはNHSと民間医療機関に分かれていて、NHSにかかるには、基本無料かすごく小額ですむ。で、それは現在も維持されているのだけれど、受診がどんどん困難、たどりつけなくなっているって。

 夫氏はすごい頭痛でたいへんなのだけど、決して民間医療機関を受診しようとしない。

 みかこさんが著作でお金が入って来てるので、高いけれども民間病院に予約をとっても断ってしまう。

 みかこさんが「なぜそこまで?」と尋ねたら

「何か、負けたような気がするから」

と答えはったとか。
 なるほどな。
 自分たちの誇りとしてきたもの、それが使えないなんて認めたくない、お金があれば受診できる(お金がなければ放置される)なんて世の中は嫌だ・・・みたいなところかな。


 私のブレイディみかこさん単著の読書メモ


posted by kingstone at 13:24| Comment(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月14日

猫を棄てる 父親について語る時 村上春樹著




 ご近所(でもないか・・・)で育った村上さん。

 子どもの頃には、今とはくらべものにならないくらい美しい海でよく遊び、当時の大人は子どもたちだけで泳ぎに行くのに何も言わなかった、というの、時代やなあ。

 お父様は、3回従軍し、結果的にほんの少しの運で生き残られた方。

 お父様の人生と戦争の関わりが大きな柱になっています。

 しかし、中国大陸で捕虜の処刑(ジュネーブ条約違反)には立ち会われておられる。
 (ご本人は「居た」だけなのか「手を下した」かは不明)

 お父様からの村上さんへの期待と、村上さんのそれへの反発、大人になってからもいろいろあられたとのことで、戦争のことはあまり聞けずじまいになられたとか。

 村上さんは、それでも資料を調べることで、少しお父様の人生を浮き彫りにされていかれます。

 でも本当に「普通の人」「いい人」が殺人に関わらないといけなくなるのが戦争だよなあ・・・

 表題のエピソードは、つらい話ではなかったです。(ほっ)



 ※エッセイだからか、「やれやれ」は出てきませんでした。

posted by kingstone at 21:04| Comment(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする