※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年03月16日

泣いた自閉症児が笑った話

 大昔の話です。

 私はTEACCHを中心として学習する研究会を立ちあげ、その
後、その研究会に参加される家族のために託児ボランティア(って、
その研究会だけのためではなかったですが)を始めました。

 その託児ボランティアの時の話。

 託児活動が終わり、保護者への引き継ぎが終わった時。

 ある一人のお子さん(支援学級在籍)が泣いて動けなくなってい
ました。お母さんにうかがうと、そのお子さん、帰りにデパートに
寄ってエスカレータに乗るのが好きなのですが、その日は都合が悪
くて行けないということ。研究会に来てるくらいのお母さんですか
ら「見せて伝えよう」と「デパートには行けません」というのを文
か絵で描いて見せたのだが、泣き出して動けなくなったということ
です。

 お母さんは言葉では「明日行くのに・・」とおっしゃってました。

 そこで私は「明日行く」というのを確認、念押しした上でこんな
絵を描いてその子に見せました。

デパートのロゴに×
  ↓
  家
  ↓
ふとんで寝ている絵(お月様も描いたかも)

右隣に列を変えて

ふとんから起きてる絵(お日様も描いたかも)
  ↓
デパートのロゴ

 そのお子さんは一発で笑顔になって帰って行きました。

 これは「楽しいことがあるとわかれば我慢できる」例とも言える
し「×には○を」の例かもしれないし・・ちょっと違うか。

 まあ、そんなこともありました。


posted by kingstone at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | れもん(自閉症児託児活動) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月06日

TEACCHって宗教ですか?

「TEACCHって宗教ですか?」

 これってFAQ(よくある質問)ですね。

 私がTEACCHを中心とした研究会を作り、自閉症児をお預かり
する託児ボランティア活動をしている時、終わってから、ボランティ
アさんやスタッフと、その日困ったことがなかったか、それはどう解
決したらいいのか、などを話し合っていました。

 その場で大学生さんから質問が出ました。

「大学で「TEACCH?それは宗教だよ」と聞いたのですが本当で
 すか?」

 この場合の「宗教」は、明らかに貶める意味が入っていますね。

 私は、宗教は大切に思っているし、それなりの遍歴はして来ている
し、例えばこのブログのテーマに「宗教」という項目を作りたいくら
いだったりしますが、その時は話がややこしくなるのでそういうこと
は言わずこう答えました。

「例えば、私。こんな会をやるくらい私は熱心やろ。で、自閉症のこ
 とを理解するのにええ本ありますよ、ええビデオありますよ、って
 勧めるやろ。これって、そこらへんの宗教の勧誘と形は一緒やね。
 だからそう思う人がおるねんね。でも、心配ない。宗教じゃないよ」

 その熱心になった動機が、実は威嚇と暴力を見てそれを止めさせた
いと思ったから、なんてことは言いませんでした。

 これで納得して下さったのかどうかはわかりません。
 でも、ボランティアさんが減らず、増えていったとことを見ると、
理解して下さったのじゃないかなあ、と思います。


 後年、私が知的障害養護学校を出る時、ある先生は私に
「伝道者がいなくなるのやねえ」とおっしゃいましたが(^-^)/
posted by kingstone at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | れもん(自閉症児託児活動) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする