私の関わりのある法人
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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2011年07月05日

自閉症のお子さんとの自立課題学習と1対1の学習1999年1月長編

 先日アップした「自閉症のお子さんとの自立課題学習や1対1の学習1999年1月」の未編集の元映像が出てきました。

 先日よりもう少し詳しくわかるので、アップします。長いです。23分もあります。

 今日は解説はほんの少しだけにしておきます。後日つけ足します。



 1997年10月に自立課題学習というものを少し知り、1年3ヶ月後の1999年1月の記録です。

 まずこんな授業ばかりしていたのではありません。ぼーっとしたり、遊んだりする時間も大切にしていました。

 もし同じようなことをしようとされる方がいらしても、形だけマネをするのは危険なので、私のブログの記事もいろいろお読み下さい。

 例えば途中で「必要な物が足りない」ようにして「手伝って下さい」という表現ができるように、ということをやっています。これは言うなれば、通常学級で「次の(  )に正しい数字をいれなさい。 鎌倉幕府ができたのは(   )年である」みたいなプリントをするのと結局は同じことです。しかし、この中のC君も苛立っている時があります。お子さんの状態を見ながらやらないと危険です。

 そのあたりがわかっていて「ひとりでできる学習」や「コミュニケーションの獲得」や(結局コミュニケーションですが)やりとりについての学習をすることはたいへん良いこと だと思います。

 この時点では私は自分用のコミュニケーションブックを持たず、子どもたちの表現用であるカードを借りて私から伝えたいことを伝えています。これは本来自分用を持つべきです 。

撮影者について

 撮影者は先日は新人Aさん新人Bさんのどちらかかと思っていましたが、私が撮影者に出している指示、説明、また撮影者が子どもに呼びかけている(本来撮影者は呼びかけてはいけない)、教材に感心している、などの点から考えて、新人さんたちだとこの時点ではもっと知識・技術が進んでいるので、実習生(教育実習ではなく介護実習とか観察実習)さんですね。短期でやって来る実習生さんに「じゃあ今日は撮影お願い」と頼み、私が指示しつつ録画しているわけです。

 また、たまたまこんな日は人手で撮影しますが、人手が無い時は「自分で手持ち」「三脚に固定」「長押のあたりに雲台(三脚の上の部分)のみを固定し、そこにカメラをつける」などの手段で撮影しました。

学習している教室について

 我々の学年は児童8人に対し、2教室使うことができました。この教室は本来「給食を食べる部屋」として使われていました。そこを朝、学習用に準備し、終わる時は給食用に模様替えする、というふうに使っていました。こちらの部屋では私が1対4で教えています。またもう1つの方の部屋ではより「重度(?)」とみなされるお子さんたちと3対4で学習しています。「重度(?)」とみなされるお子さんも、できる限り自立課題学習風にやったり、1対1の学習風にやったりしていました。このビデオを見て、当時の同僚たちからは「そらこの子らは『軽度(?)』やからできる」というふうに言われましたが、我々の学年ではどのお子さんとも「できることを広げよう」「コミュニケーションを伸ばそう」という観点で、言わば同じように(つまりひとりひとりに合わせる形で)、取り組んでいました。たまたま私が担当していた方が録画が多く、また典型的な自閉症のお子さんが多かった、というだけです。

 32秒あたりから まず教材がたくさん置かれた棚があります。一番左の造り付けの棚には雑然と教材が置かれています。その右側のカラーボックスを大きくしたような棚にA君C君のその日に使う教材がセットされています。すでに2人ともアルファベットやかなのカードでカゴにつかられたカードにマッチングできるようになっていたので、置き方はあえてばらばらにしています。(上から順番とかはしていない)その右隣のスチール机の上にはBさんのするカゴが置かれています。Bさんは数字でマッチング。

 その右の低い机に休憩時に遊ぶ(楽しむ)ためのCDプレーヤーとCD各種、レゴ(?)、絵本などが置かれています。インスタントカメラチェキの入ったバッグもありますが、これは別に遊ぶためではないはず。(その場でパッと視覚支援用のカードを作るためのもの)これは後の1分45秒あたりからアップになります。

 41秒あたり。教室中央の机の手前左側にA4サイズのバインダーに挟んでいるのは、どの教材がどのようにできたか記録する用紙です。これでチーム全員が情報共有をします。そして教材が難しすぎるか、簡単すぎるか、ねらいをかえるか、などを相談します。

 46秒あたり。あるお子さんの手順がアップ。一番上は私の写真。この写真があると私と1対1の学習をします。このお子さんは「◯」「△」「バイキンマン」などの絵のカードで自分の教材をマッチングし、学習を開始します。途中にある薄い黄色のカードはかなで「きゅうけい」と書いてあります。この「きゅうけい」カードは全員同じにしました。

 55秒あたり。Bさんの手順。数字でのマッチング。教材は「6」と「3」の2つだけです。お子さんによって量を調整しています。

 1分4秒あたり。A君の手順。アルファベットでのマッチング。4つの教材をします。

 1分11秒あたり。C君の手順。かなのマッチング。4つの教材。

 今日はここまで。




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実践動画をアップして思ったこと

 1997年6月から1999年1月の主として自立課題学習(ひとりでできる学習)の動画をアップしました。この動画を見てつくづく思うこと。

 私、早口で、いらぬ音声言語しゃべりすぎ。「ちゃうちゃうちゃう」とか「A君、A君、A君」とか連呼というか繰り返しというか。

 で、そのあたり、まだあまり表には出していませんが、新人Aさんや新人Bさんの方がいい対応をしています。それは「私が指導(OJT)した」のをお二人がよく学んでくれた、ということもあります。また私が「言ってることとやってることが違う」ってこともあります。頭で考えていることと、自分でできることは違うし、自分の動きはわかりにくいんですよね・・・・

ビデオ撮影して自分のパフォーマンスや子ども実態を点検する

みたいに、自分のパフォーマンスを点検するのにビデオ撮影は大事だよ、なんて書いてるのに。

 まあ、これらのビデオ、たぶんパフォーマンスの点検のためよりも、「ドヤッええ授業しとうやろ」と校内の周囲の教師にアピールしようという気持ちで撮影してたのじゃないかな・・・自分の点検のためよりも。ほんと壁1枚へだてたら、隣の先生がどんな授業をやっているかはわからないから知って欲しい、そして「自立課題学習について学んで欲しい」って気持ちがありましたし。(もちろん表現コミュニケーションやそれらひっくるめてTEACCHを知ってほしいみたいな気持ち)

 でもって大失敗の1997年6月の授業だって、当時の学校の現状を考えたらまわりから突出している授業だったかもしれない・・・

 それとひとつ気になるのは、今回は周囲で自立課題学習について質問があったので、それに関するものを集めました。だからそんなのばかりになってるわけで、いつもいつもこんなことばかり(自立課題学習や1対1の学習)やっていたわけではありません。もっともっとぼけーっとしたり、教室で遊んだり。特に1998年のビデオは楽しそうにやってるのばかりです。しかし他のお子さんや他の人がいっぱい映っているのでアップはできません。

 なお、自立課題学習の教材について言うと、最初1997年10月に2日間セミナーに行って、自立課題学習の実際の様子を見たあと、「はい、では20分で1個教材を作りなさい」と指示されてめっちゃ困りました。そんなもん20分でできるかい!みたいな。しかしとりあえずそこにある様々な材料(ほとんど100円ショップにあるもの)で何とか作りました。思い出してみるととんちんかんなものでした。「教師」らしく数字・文字・色など様々な条件を変えてあるものをマッチングさせていく、という「いったいお前は何の勉強をさせたいねん」とツッコミを入れたくなるようなものでした。それでもセミナーに来ていたお子さん、やってくれましたけどね。

 で、「ひとりでできる」を考えて、またその子ができること、こちらから伝えたい(というか、こんなの身につけてくれたらいいな、と思うこと)を教材にまとめていくのがだんだん早くなりました。例えば

某所の話の時、自立課題学習の教材を4分で3つ作った

みたいな感じです。実際、1時間に1個できました、なんて言ってたら毎日の授業に間に合わないですから。もちろんあまり教材にはこりません。変なところで「美しく、かわいらしくしよう」なんて考えません。もちろん「見てわかるための工夫」はしますけど。手抜き(?)はできるだけします。そこらへんにすでにある「物」で教材に使える物はないか、と常に探していましたし。

 まあ、そんなふうにやっていました。

自閉症のお子さんとの授業の失敗例1997年6月

自閉症のお子さんとの課題学習1997年12月(まだ私にわかってない)

自閉症のお子さんとの自立課題学習1998年6月
 
自閉症のお子さんとの自立課題学習や1対1の学習1999年1月

自閉症のお子さんとの選択や注意喚起の授業1999年3月

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2011年07月04日

自閉症のお子さんとの自立課題学習や1対1の学習1999年1月

 これは1999年1月のkingstoneの実践映像ですが、この時点ではクラスのチーム担当教師3名ともできるようになっています。。私1人にできたわけではないのです。1997年10月に自立課題学習というものが少しわかってから、1年3ヶ月後のことです。



 この時は1対4でやっています。撮影は新人さんにお願いしています。

 最初の映像はBさんと1対1の学習をやっているもの。これはゲームであるとか、コミュニケーションであるとか向かい合う必然性のあるものをやっています。

 自立課題学習の手順書(ワークシステムの一部)の合間に「私の写真」を適宜はさみ(その場の進行具合を見つついい時間の時に挟みこめば、自分で私のところまで来てくれる)伝えていました。それぞれのお子さんとやっていました。1対2で(3人で)カルタやトランプをしたこともあります。これはおうちでそんなゲームが楽しめたらいいなあ、と考えてやったもの。それぞれのお子さんのその時できるやり方で遊べる形(しかし本物に近づけるように)に考えました。

 この時は文字列(単語)の書かれたカードを縦に並べています。カルタや7並べの前段階です。

 終わって、「もうちょっとやることないのかな」とカゴの方を見ていますが、私がいろいろな手段で終了を告げ「机カード」を渡すと、ひとりで学習する机に戻ってくれています。

 この頃はそれぞれの机の前に手順書が貼ってあり、次にする自立課題学習に関する指示がわかるようになっています。この場合Bさんは「3」と書かれたカードを取り、「3」の教材を探しに行きます。

 なお、この机の前に貼られた手順書のことを「ワークシステム」と思っておられる方もおられると思いますが、ワークシステムとはこの手順書(しかしこれをさしてワークシステムと私も呼んでしまうこともある)だけでなく、カゴも棚も、その時にする学習や作業をわかりやすくするもの全部をひっくるめてワークシステム(だからシステム)と呼びます。

 最後のところで画面左側にカーテンが見えます。ここをA君はカームダウンエリア(落ち着く場所)として使っていました。

 Bさんは自分の教材が置いてある所に来て「3」をマッチングさせ自立課題学習用の教材を学習用の机まで自分で持って行きます。横にある棚にA君が教材を返しに来たのがわかります。何の音声指示もありません。

 少し注目して頂きたいのは、スチール机の右横にある机の上にCDプレーヤーや何かが置いてあることです。これは休憩時に「自分のやりたいこと」が選べるようにしてあるのです。また教室中央の机の上に黄色い絵本がちらりと見えますが、これは休憩時にBさんが楽しみとして読むためのもの。実は自立課題の学習よりも休憩時に何をするかを大事に考えたほうがいいかもしれません。その楽しみがあってこそ頑張れる。またこの映像の場合、Bさんは選ばずに絵本になっていますが、他のお子さんはいろいろ選んでもらっています。選択活動は学校生活の中でもいろいろと取り入れることができます。

 結構静かに淡々と進んでいることがおわかりになると思います。これを最大1対7(?)でやりました。

 自立課題学習とは「ひとりでできる学習」というところはキモだと思います。そしてひとりでできることをやっている途中では、自閉症の人に限らず、なんじゃかんじゃ言われたくないでしょう?そういうものだと思います。

 なお、1998年9月からチームとして取り組み始め、いろいろと形ができてきて、私1人がやっていたのを新人Aさん、新人Bさんにもやってもらえるようにしましたが、最初は新人さんたちも嫌がりました。「どないしてええかわからない」と言うわけです。でも「そんなこと言われたら私、休まれへんやん」と言ってお願いしてやってもらえるようにしました。それができるようになったら安心して休めるようになりました。新人さんたちは私を信じてついて来てくれていましたから、吸収は早かったです。教材もみんなで考えて作りました。

 翌1999年度は異動してきたベテランさん、若めのベテランさん、達人さんと4人で組みましたが、やはり最初はやってもらえませんでした。こういう授業に反発を持っておられたようです。歌ったり踊ったり、トランポリンをしたり、ボールプールに入ったり(というようなものももちろんあっていいですが)ということのみが授業と思っておられたようです。

 しかし、この時もへらへら笑いながら半ば強引にお願いして、みなさん自立課題学習の指導はできるようになりました。最初は先生方がすることを私がOJTしました。そりゃやることがわかれば簡単ですし、指導者も楽ができることが実感できますから、できるようになります。しかし他の方は1対1の学習はできませんでした。また教材も作って下さいませんでした。

 たぶん異動してきたベテランさんは学びはらへんかったことを後日後悔しはったと思います。

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2011年07月03日

自閉症のお子さんとの自立課題学習1998年6月

 1997年10月に自立課題学習について少し教えて頂き、これは1998年6月の映像です。

 8ヶ月後です。少しずつじりじりと進んでいます。この時点で本来2人担当のとこ ろ、志願して4人を担当させて頂いています。

 詳しいことはまた書きます。

自閉症のお子さんとの課題学習1997(まだ私にわかってない)」は1997年12月ですから、その半年後。大きな違いは、机が1人に2つ並ぶようになったことと、その机での自立課題学習が終わったら、休憩用(?休憩じゃなくてこの画面では1対1というか1対2の学習になっているかな?)場所で「大好きなプリントをする」とか「したいことを選ぶ」の時間が入っているところ。

 また詳しいことが書けたら書きます。



 ところで、今回はC君の表情がよくわかります。1999年3月(今回の映像の9ヶ月後)の「自閉症のお子さんとの選択や注意喚起の授業1999」との表情の違いもよくわかるでしょうか。



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2011年06月26日

自閉症のお子さんとの課題学習1997(まだ私にわかってない)

 私はそれまで「机の前に座ってする学習」が無かった特別支援学校で「机の前に座ってする学習」を1997年4月から取り入れました。

 その6月ころの動画がこちらです。

自閉症のお子さんとの授業の失敗例1997年

 その後もとんちんかんなことをやり続けていたと思います。

 そして、その後12月の動画がこちらです。

2011年7月3日記。この動画はまだまだとんちんかんで失敗している点を自分でツッコミを入れておかないと危険だと思ったのですが、自立課題学習につていイメージがわかない、で、この動画が参考になったと言われる方がおられたので、ツッコミはあとにして、その他を次々上げていきます。ツッコミは途中です。




 これも今の私から見れば無茶苦茶とんちんかんなこと、また子どもたちに失礼なことをやっています。細かいツッコミは後にして、とりあえずの経緯を書きます。

 なお、先に書いておきたいですが、この時の私は「机の前に座っての学習」にこだわっていましたが、別に机の前のイスに座れないなら、立ったままでもいくらでも学習はできます。だいたいどのお子さんだって給食の時は座っていられましたし。また普通の工場などでも立ったまま作業することだってよくあるわけだし、もちろん座ってできるならそれでいいし、できないならできないでいろいろやり方はあります。

 この動画は1997年12月8日12時50分頃。

 この年度は「自閉症」と題のついた本を片っ端から読み、TEACCHと名前のついた本も少なくとも2冊は読んでいましたが、何をどうやったらいいかわからず。

 その時点ではTEACCHがいいとも悪いとも、何をどうするのかも、全然わかっていませんでした。

 10月10日-12日に熊本大学で開かれた特殊教育学会というものに生まれて初めて参加しました。そこで斉藤宇開さんの給食時に「おかわり」という表現を獲得して問題行動 が減った人についての口頭発表がありました。そこにTEACCHという言葉が出て来ました。その時のエピソードがこちらです。

特殊教育学会へ
特殊教育学会にて

 このエントリの中に出てくる「何かのカードを、教師の都合の良いようには使ってはいけなくて、本人の都合の良いように使わなければいけない、とか何とかめちゃ面白い話もうかがうことができたのだけど・・・ああ、肝心の細かいところが思い出せない・・・」というのは「待って」とか「してはダメ」とかの類のカードですね。ついそれを見せてやらそうとしてしまう、って話です。

 1997年段階ではっきりそうおっしゃってたわけです。

 その発表ににTEACCHという言葉が出て来ました。それは「表現コミュニケーションの大切さ」を教えてくれるものでした。私は「これだ」と思って勇んで学校に帰りました。

 そう言えば、帰ってからたぶん月曜日に威嚇と暴力の上手なリーダーさんに「特殊教育学会行ってすごく参考になる話があったわ」と言ったら、「それ民間団体やろ?(そのこころは文部科学省とかの公的機関とかでないから信用できないよ、みたいな意味)」私は「う〜〜ん」と何も答えられませんでした。確かに別に公的研究機関ってわけじゃない。しかし養護学校のリーダーの方が特殊教育学会と言っても話が通じなかったのですね。1997年段階では。

 そして金曜日に学年の打ち合わせ(会議)がありました。そこで

撃沈
えらいね、かしこいね

 これはC君についてだったと思います。A君?
 まあ、私は異動希望を伝えたわけです。

 しかし、その前からたぶん友達が「ええセミナーあるで」と教えてくれて、申し込んでいたので10月25日・26日に開かれた2日間セミナー(しかしそのチラシにはTEACCHという言葉は、チラシの裏に小さく1か所しか出てこない。何故だろう?もちろんノースカロライナのTEACCH部がやっているわけじゃない、というのは確かですが。ひょっとして、当時やっぱり「言ってはいけない言葉」だったんだろうか?)に参加しました。

TEACCHの2日間セミナーへ

 で、初めてTEACCHというものが少しわかりました。実際に来て下さった自閉症のお子さんとのやりとりを通じて「自閉症のお子さんを信頼していい」ということが実感としてわかりました。そしてそこで「自立学習」というものを知ります。(当時はまだ自立課題学習とは呼ばれていない)そして

2日間セミナーから帰って来て1
2日間セミナーから帰って来て2

 この「2日間セミナーから帰って来て2」は話が2年分凝縮されています。まだ上の動画の1997年12月段階ではA君Bさん2人の担当だったのを、威嚇の上手な超ベテランさん担当のC君を任せて頂いた段階です。10月終わりにセミナーに行き、A君Bさんと一緒にやってみて、これはいいと確信して(このレベルで!!笑)11月半ばには提案し、C君も担当させてもらいました。

 いやはや、この動画を見てもまだ全然何ともうまくいっているとは言えないのに、でも私が担当した方がいいだろうな、と判断したわけです。

 ツッコミについてはまたにします。(書けるかなあ)

 当時の実践部分についてのツッコミ、とかいろいろ。

 ビデオを構えつつ「指導(?)」をしています。

 50秒あたり、木製ボーリングピンをと片付ける箱を教材にしています。何でも教材になります。しかし、Bさんはちょっとどうしていいかわからず遊んでいるところもあります。Bさんが「自分でピンを持つ」はやっているので、たぶん私はBさんの腕でなくピンを一緒に持って入れることを試みています。

 58秒あたり、A君が木製のジグソーパズルをしています。

 なお、1997年4月からたぶん10月末までは私は子どもたちと対面して学習をしていました。しかし10月末に「この自立課題学習は『ひとりでわかってできる』が大事なのであって対面する必要はさらさらないし、時には不必要な刺激を与えてしまい『ひとりでわかってできる』ことへの害になることもある、ということがわかりました。

 そこで机を壁の方に向けました。それが4月からの大きな変化です。

 また、机の前に「赤い鳥居」みたいなマークがあり、そこにその「赤い鳥居」マークのカードが突っ込んであります。

 これは「勉強する机の所に行ってね」という意味を伝えたいと思い、「机」のマークを作ろうと思ったのです。それを少し幅広にして目立つようにと思って赤色にしたのですが、他の方から「その鳥居のマークなに?」と尋ねられ、あっ、ほんま鳥居を簡略化したと思われるなあ、と思いましたが、子供たちが慣れてしまっていたのでそのままにしていました。

 A君の場所とかBさんの場所とかの差をどうやって伝えていたのかは覚えていません。ルーチン(習慣)だったのか?机の上にもそれらしきシンボルは見当たりません。ひょっとしたらイスの背もたれにそれぞれのお子さん個別のシンボル(紺色の△だとか、赤色の◯だとか)を貼っていた可能性はあります。

 1分あたり、私がA君を「コラコラ」と言いながら名前を連呼しています。もちろん私の場の設定のミスなわけです。人ってものは当然こちらの意図とは違う行動をとってもいいのですが、この場面では「見てわかるように」教材そのものを設定し、ジグ(作業の補助のために使う道具)やワークシステム(学習や作業の流れがわかるようにする仕組み全体。手順を書いたものもこれにあたる)を整えることで、そんなに連呼する必要が無いようにできるはずです。「人を枠にはめるようにする」とかいう話じゃなく「相手にわかるように提示する」ってことが必要なのです。

 また、他のお子さんにはそれほど連呼していないのにA君には連呼してしまっているのは、A君は音声を出す(遅延性エコラリアがほとんどですが)ために、私が無意識に「音声言語で言ってきかそう」としてしまっている面があったと思います。

 1分あたりC君がやっているの自分の名前に使われている字を1字ずつ書いたカードを、それが1枚ずつはられた仕切り(お菓子を入れていた仕切り板)に分類して入れる作業。もちろん「字がわかっている」わけではありません。「字の形のマッチング」をしているだけです。しかし、たぶんそんなことができると思っていた人はそれ以前は学校の中にはいなかったでしょう。

 1分6秒あたりにあるのは「くっついているボルトナットを外す」という作業です。何も作業のやり方を示すものがない、かなり不親切な課題ですが、後の場面にも出てきますが、みんなできていますね。

 またこのあたりで机の前にはまだ「どの課題や作業をするのか」といった手順を示すものが何も無いことがわかります。ワークシステムの一部ですね。この段階のワークシステムは

「机の左側に置かれたカゴの中に入っている教材を、上のカゴから順番に」
   ↓
「自分の机の上でする」
   ↓
「できたら机の右側に置く」

という形で全員しています。最後の「机の右側」に「おしまいボックス(終了箱・単なる段ボール箱を使っている)」お子さんもいれば、使っていないお子さんもいます。しかし、机の左側・右側と言っても、床に置いているのでイスに座った状態だと取り上げにくく、置きにくいものになっています。

 その後、同じ高さの机を左側に置き、教材の入ったカゴを取りやすくする、おしまいボックスはイスの上に置く(こうすると机から右にスライドさせるとそのままおしまいボックスに入れやすくなる。高低差も少なくなるので「落とす」という感じが少なくなる)ということで対処していきましたが、この動画の段階ではまだそれに気づくことはできていません。

 あれ?1分15秒あたりで、「ボルトナット」を机の上に出したまま、「トンカチで打ち込む」の課題をやっていますね?いったい何がどうなったのかは覚えていません。

 1分15秒あたり、C君が立ち上がっています。これはC君も「ナットをボルトから外す」という課題を彼がセットしたのか私がセットしたのかはわかりませんが、机の上に出しているけれど、いったい何をどうやっていいかわからないから立ち上がっている状態なわけです。名前を一度呼んでいますがA君の時のように連呼はしていません。

 で、たぶん「声かけ」ではなく私が近づいて、指差しでもしたのじゃないかな、と思うのですが、彼は「座って何かをやる」ということはわかったようです。ひょっとしたら体に軽く触れ座らせたかもしれません。しかしその「何か」はわかっていないので、(たぶんカゴの中にあるボルトナットをたくさん掴んだのはC君で、私は彼の腕を軽くとってそのうちの1個にはたらきかけることを伝えたのだと思います)1分25秒あたりでカゴの中の白いバット(100円ショップで3個105円とかの)を、私が出してそれぞれに分けて入れることを伝えようとしています。いやはやそれはいきなりカゴの中に白いバットを入れて用意していても何の手がかりも無かったらわからなくて当たり前、というやつですね。しかし、このようなことを何回かやるとC君はこれだけの手がかりで自分で判断しやってくれるようになりましたが。

 1分48秒あたりのA君がやっているのは「友達の名前をひらがなで書いたカードを分類する」です。この時点でA君は絵本も大好きだったので「単語」を「単語」としてわかっていたと思います。A君はさっさと分類してマッチングすることができています。

 1分40秒あたりでBさんの上体が折れてしまっていることがわかります。これは「疲れた」「しんどい」もあるかもしれませんが、この場合は「やることがわからんなあ」ではないかと想像します。それがわかる映像が後で出てきます。

 ちょうど、自立課題学習をする時の、介助のしかたのいい例が映っています。「できるだけ引く」という感じですね。

 2分35秒あたりからですが、それ以前にBさんがぐちゃっと「つぶれてる」映像もちらっと映っています。

 2分44秒あたりか。教材をセットするのができなくて(というか教材が床に置いてあったのでBさんに非常に取りにくかった。これは私の環境設定の失敗)私が机の上に教材を置きます。

 で、私の意図としては「レゴブロックを同じ色同士集めて入れる」という課題をやって欲しかったのですが・・・見てもらったらわかるように、最初に「集めて入れられた状態」で、それをBさんの前でばらまいている・・・

 これはBさんに対してめちゃ失礼。Bさんは怒り狂っていいレベルのやり方です(^_^;) でもBさんはやってくれるわけですが。しかし、本当は「見れば何をしたらいいかわかる状態でないとまずいのですが、見てもいったい何をどうしたらいいかわからない状況ですね。

 で、また2分58秒あたりでわかると思いますが、白い枠に1個ずつ見本となるレゴブロックをセロテープなどで固定しときゃいいのに、それをせずBさんの目の前でレゴブロックを放りこんでます。これまた失礼・・・

 ま、でもBさんはやってくれるわけですが・・・

 でもBさんは最初、なんのこっちゃ?状態です。で「これは私の意図は全然伝わっていないな」と判断した私は、まず3分14秒あたりで、Bさんの腕を持ってブロックの方まで持って行きます。しかしまだ何をするのかわからない。

 だから3分18秒あたりで、私はBさんの手を包みこむように持ち、一緒にブロックをつかみ、白い枠の方へ持って行きます。

 次に「ブロックを持つ」ということはわかったかな?と判断して、今度は手首のみ持ちます。Bさんは青ブロックを持ってくれました。そこで手首を持ち、青のところへ誘導したらBさんはその上でブロックを放してくれました。

 そこで、私は「もうBさん、わかったかな、どうかな」と一度Bさんから離れます。

その間、声かけはいっさいありません。そしてその後、Bさんが「ひとりで」やっている映像があります。

 4分13秒あたり、Bさんが止まってしまっていたので、私は腕を取ってブロックの上まで持って行きました。で、それだけで後はまたBさんは「ひとりで」できはじめました。

 最後、できあがった課題を「おしまい箱(終了ボックス・フィニッシュボックス・・・って単なる段ボール箱ですけど)」に入れるところはまた手伝ってます。これはやり始めて間が無いころだった、といいうのもあります。

 必要なプロンプトは出して、しかしできる限り引く、その感じですね。不必要に手とり足とりすることはありません。

 また同時に、Bさんの背筋がピンとしていることにも注目して下さい。わかってできることがない常態ではつぶれていたBさん、シャキッとしてきました。そういう意味でも「わかってできる」ことは大切ですね。

自閉症の人の自発性とか表現コミュニケーションとか

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