※ここの部分は、第一次トランプ政権になっているので、大きく状況が異なっていると思われます。
まず HIV で起こったことから。
南アフリカのタボ・ムベキ大統領(当時)は2000年初頭、エイズ対策のための専門家会議を招集。その報告でムベキ大統領は「エイズの原因はウィルスではなく免疫力の低さであり、ニンニク、ビーツ、レモンジュースの摂取によって治療できるようだ」
その結論に至った原因は「AZT のような抗HIV薬はアフリカ人を毒殺しようとする西洋諸国の陰謀だ」という陰謀論を信じたから。
結果、2000年から2005年にかけて生じた早期死亡は36万5千人と見られている。
(ガーディアンの記事。なお、スクロールして下のほうに出てくるサポートのお願い文が面白い)
たぶん、著者が書いている数字は、元になったハーバードの論文の数字で、記事とは少し違っている。しかし、論文へのリンクは切れている。
著者は新型コロナウィルスに対しての科学コミュニティーの意見に反対する意見を、第2章で出てきた「科学否定の5つの類型」に当てはめていきます。そしてこれらが時の政権(アメリカでは第一次トランプ政権)に肯定されたためによりひどい状態になったと。
Eugene Jarecki, "Trump's Covid-19 Inaction Killed Americans. Here's a Counter that Shows How Many," Washington Post, May 6, 2020,
(ワシントン・ポストの記事)
(ワシントン・ポストの記事)
著者は新型コロナウィルスに対しての科学コミュニティーの意見に反対する意見を、第2章で出てきた「科学否定の5つの類型」に当てはめていきます。そしてこれらが時の政権(アメリカでは第一次トランプ政権)に肯定されたためによりひどい状態になったと。
1.証拠のチェリーピッキング
比較的軽症のケースに着目することで、重篤な合併症や死亡のリスクを軽く見る。
2.陰謀論への傾倒
Matthew Rozsa, "We Asked Experts to Respond to the Most Common COVID-19 Conspiracy Theories and Misinformation," Salon, July 18, 2020,
3.偽物の専門家への依存
トランプがマスク不要論を唱えるステラ・イマニュエルの仕事について「非常に感銘を受けた」「見事だ」と称賛した。その後、イマニュエルの主張には
「卵巣嚢胞や子宮内膜症といった婦人科の病気は、夢の中で悪魔や魔女とまぐわることで引き起こされる」
「科学者は人々が宗教的になるのを防ぐためにワクチンを作っている」などもあることがわかった。
「卵巣嚢胞や子宮内膜症といった婦人科の病気は、夢の中で悪魔や魔女とまぐわることで引き起こされる」
「科学者は人々が宗教的になるのを防ぐためにワクチンを作っている」などもあることがわかった。
4.非論理的な推論
2020年2月7日のトランプ発言
「(新型コロナは)消えつつある。ある日、奇跡のように消えてしまうだろう」
「(新型コロナは)消えつつある。ある日、奇跡のように消えてしまうだろう」
2020年夏
「アメリカで感染者が増加したのは、たんに検査数が増加したからだ」→事実は陽性率も上昇していた。
「アメリカで感染者が増加したのは、たんに検査数が増加したからだ」→事実は陽性率も上昇していた。
5.科学への現実離れした期待
著者は「現実離れした期待」というよりも、「科学者がコロコロと意見を変えた」ことへの一般の方の不満のほうをあげている。しかしこれも「科学への現実離れした期待」のひとつなのかな?真実は1つ、みたいな。実際は、今までの定説に対して、新な実験や疫学的な調査で出てきたエビデンスで、過去の定説を否定するようになることはよくある。
例「マスクはウィルスには役立たない」これ、2020年初頭には常識的だったと思うけれど、すぐに新しい様々なエビデンスが出て「マスクは(完璧ではないが)役に立つ」に変わった。
なお、アメリカではマスクの要不要論は完全に党派で別れたとのこと。
私は「科学への現実離れした期待」とは「◯◯の薬で治った!」というデマを信じるようなことを言うのではないか、と思うけれど。「薬が病気を治してくれる」という科学信仰は強いと思う。
トランプではヒドロキシクロロキン。日本ではイベルメクチンやアビガンetc.
そしてさらに「国外からの影響」
Robin Emmott, "Russia Deploying Coronavirus Disinformation to Sow Panic in West, EU Document Shows," Reuters, March 18, 2020,
ロシアはコロナウイルスの偽情報を流して西側諸国にパニックを起こさせているとEU文書が指摘
ロシアはコロナウイルスの偽情報を流して西側諸国にパニックを起こさせているとEU文書が指摘
Allen Kim, "Nearly Half of the Twitter Accounts Discussing 'Reopening America' May Be Bots, Researchers Say," CNN, May 22, 2020
研究者によると、「アメリカの再開」について議論しているTwitterアカウントのほぼ半分はボットである可能性があるという。
そして
「研究者らは、「Reopening America」に関するツイートの一部が、コロナウイルスと5Gの携帯電話基地局を結びつけるという、すでに否定された説のような根拠のない陰謀論を引用していることを発見した。」
'Reopening America' というのは、ロックダウンに反対し、経済活動を復活させよう、という運動。2020年の4月には始まっている。
日本では「緊急事態宣言」が発出され始めたころ。
まあ、いずれにせよ、国外からの様々な働きかけにより、死者が増えたり、分断が進んだりすることは、相手の国にとって有利になるからやるんだろうな。
国外の者が、ボットを使って、当該国の撹乱をねらって活動している、ということだろう。
これは「陰謀」ではなく、本物の「陰謀」というか情報戦であるということ。
科学否定に対する有効な4つの戦略
1.グラフや表の活用
2.科学的コンセンサスの強調
3.個人的なつながり
4.内容的反論と技術的反論(内容的反論はエビデンスのある研究の紹介とかだろうけど、技術的反論というのはよくわからない)
2.科学的コンセンサスの強調
3.個人的なつながり
4.内容的反論と技術的反論(内容的反論はエビデンスのある研究の紹介とかだろうけど、技術的反論というのはよくわからない)
私たちは、他者、特に自分と意見の異なる相手ともう一度対話をはじめる必要がある。
(そしてまずは傾聴)
(そしてまずは傾聴)
科学の不確実性を認めることは、結果的に信頼を高める場合がある。
メモはここまで。
で、今、どんなことを第二次トランプ政権がやっているかというと
今後、まだまだいろいろなことが起こりそうです。


