※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2025年07月06日

『エビデンスを嫌う人たち』第5章〜7章




(アマゾンでは、紙版は古本だけになっていて、2倍近い値段になっていますね。Kindle版は 2112円)

 だいぶ前に読み終わっていたのですが、興味が別の方に行ってて、読書メモを書けませんでした。

 で、本当に、第二次トランプ政権の発足で、もうここに書かれている事態からかなり変化してしまっていると思われます。


第5章 炭鉱のカナリア

 「科学肯定派」は、「科学否定派」を無視したり、頭から否定するのでなく、「対話」が必要、という自分の説を実践しようと、炭鉱の町に著者は行きます。


という活動をしているご夫妻に泊めてもらい、近隣の炭鉱で働く人々に声をかけてもらうことにしました。

 そして、小さな食堂みたいなところを予約した。炭鉱で働いて来た方スティーブとダグの2名を紹介してもらったが、事前には行けるかどうかわからないとのことで、電話でインタビューもされています。

スティーブ(気候変動は起こっている、と考えている)

「炭鉱労働者というのは炭鉱労働者というのは運命論者であることを理解してもらいたい。この仕事は、緩慢な死のようなものなんだ」
 それでも働くのは、家族のためなんだ。


ダグ(気候変動は起こっている、と考えている)

 自分は塵肺を患っている。しかし金は稼げる。
 炭鉱の仕事が無くなれば地域の学校も無くなる。
「トランプは過去どの大統領よりも多くの石炭発電所を閉鎖した」
 会合には Center for Coalfield Justice(CFJ) という過激な団体が来るかもしれない。そうなれば公正な話し合いは無理になるかもしれない。

で、当日は6人の人が、スティーブとダグ、そして CFJ の人も集まったのだけれど、全員「気候変動は起こっている」と考えている人だった・・・

 なかなか対話しようと思っても、「気候変動は起こっている」と考えている人の集会に「気候変動は起こっていない」と考えている人は参加しにくいだろうし、「気候変動は起こっていない」と考えている人の集会に「気候変動は起こっている」と考えている人は参加しにくいだろうな。

 またやって来た、CFJ の人は全然過激な人じゃなかったと・・・

 これな・・・1999年に知人が京都で1泊2日のちょっとした学会大会みたいなのを企画して、私は講師として、1コマをもう1人の方と1/2コマずつ担当することになった。

 私は、私の学校が「威嚇と暴力」の学校であることを伝えた上で、TEACCH的な取り組みで、私のクラス(学年)はすごく変わり、そしてそのための基礎として、絵カードづくりをする、というワークショップをすることにしました(私は手を動かすことが大事、と考えているので)。

 もう1/2コマ担当する方(現在非常に有名。かつ日本でのTEACCH的取り組みというか視覚的支援の普及に大きな功績のある方)は、確か視覚的支援の重要性を話されたと思う。

 しかし、その方は事前に私のレジメを見た時に「TEACCH の名前、出すの?出さない方がいいんじゃないかな」と言って下さった。その方ご自身が、名前を出して痛い目に会っておられたのだと思う。まるで名前を出してはいけない戦前の非合法共産党か、って感じですけど。まあ、私は「どこから学んだか」は重要だと思っているので、TEACCH の名前を出しましたけど。

 まあ、実際、当時私も地域の中ではいろいろと攻撃されていたし、一緒に勉強している仲間たちを最前線で矢面に立って守っている感じでした。なかなか難しいものです。


 結局、著者は「気候変動なんか無い」という人とは対話できずに帰られます。

 しかし、科学的に正しいか正しくないか、というのとは別に、経済的にやっていけるか、いけないかというのも大きな問題としてあることはキモに銘じはります。


第6章 リベラルによる科学否定

 今まで見てきた科学否定は主として共和党(右派?保守?私は何かカテゴリーが違うように感じますが)系の人たち。

 しかし、リベラル(著者はリベラルと左派を同じ意味で使っているように見えます。同じ単語を続けないという原則で交互に使っている感じ。しかしこれもカテゴリーが違う気が・・・)による科学否定はないのか、と考え

・反ワクチン
・反遺伝子組み換え食物(反 GMO)

 について調べてみます。

 なお、現時点では、ワクチンは有害事象を凌駕する効果の証拠がある。

 GMO については、現時点では有害を示唆する証拠は無い。

 この「現時点では有害を示唆する証拠は無い」から使うのか、それでも将来に対してまだよくわからないから使わないのか(効果については、食料増産ができ、飢餓が救える)。

 なお、GMO 食品がほとんど無いイギリスと、かなり食べられているアメリカで、各種癌の発生率に、過去からの変化は見られていない。



第7章 信頼と対話

 昔から親しくつきあっている、GMO を嫌う人との1対1での対話。

リンダ:手作り食品を販売している。
サイトには「農家からあなたのもとへーーオーガニック・グルテンフリー、NON-GMO などと書かれている。

テッド:環境生物学者

 いずれも、リスペクトを持って話し合え、リンダは GMO を嫌ってはいるが、科学的に否定する気は無いことがわかる。

 テッドとは、この話題に関しては平行線だったが、テッドもまたいろいろ調べてみることを約束してくれた。

 で、この章の後半は、政治的姿勢と反ワクチン、反GMO のそれぞれに相関があるのか、調べたものを出し、相関は無い、それよりも「陰謀論を信じるか否か」が大きく影響するという研究結果を紹介しています。

The Role of Conspiracist Ideation and Worldviews in Predicting Rejection of Science
Stephan Lewandowsky ,Gilles E. Gignac,Klaus Oberauer
2013

posted by kingstone at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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