ChatGPT に
「アメリカでの 自閉症児への ABA 療育についての法制度、また市場規模について教えてください」
とプロンプトを入れ、返ってきた回答の裏を取りながら書いていきたいと思います。
また第二次トランプ政権になったので、現在、とんでもなくしょぼくなっている可能性もあるかもしれません。
1.法制度
連邦法(CONGRESS.GOV で確認)
•Combating Autism Act(2006)
• Autism CARES Act(2014, 2019)
autism speaks (日本で言えば日本自閉症協会かな?Light It Up Blue は autism speaks が音頭をとっている)の Autism CARES Act の説明では、20年間で 52億ドル(7500億円くらい)が自閉症研究に当てられてきた、とのこと。
なお、これは ABA 提供費用ではなく、根拠となる研究・インフラ整備・モニタリング・支援を目的とした法整備。
また、autisum speaks はミッションに、かつては「治療・予防・治癒」を入れていたが、2016年に削除しています。
州レベル
保険適用義務
•全50州で保険適用義務あり
NCSLやAutism Speaksによれば、全米50州およびDCで、民間保険への自閉症関連サービス(ABA含む)提供義務が成立していますが、カバレッジ額、対象年齢、サービス内容等には大きな差があります
州の保険義務の寛大さと自閉症スペクトラム障害の労働力の増加
(2022)
この論文によると、
| 全体として、ASD 児の多様な身体的および行動的健康ニーズには、チームベースの在宅医療モデルのケアが必要になることが多い ( Todorow et al., 2018 )。最近の推計では、これらの総合的なサービスにかかる平均費用は、知的障害 (ID) のない ASD 児の場合年間 50,000 ドル、知的障害のある児の場合は年間 90,000 ドル近くになる ( Buescher et al., 2014 )。応用行動分析だけでも、年間 46,000 ドル、または 1 時間あたり 120 ドルかかることがある ( Special Learning Inc., 2020 )。過去数十年にわたって、これらの費用の大部分は家族が自己負担してきた ( Callaghan & Sylvester, 2019a ; Parish et al., 2015 )。 |
為替と生活実感を考えに入れなきゃいけないだろうけど
5万ドル → 約730万円!
9万ドル → 約1300万円!
ABA を1年間利用すると
4万6000ドル → 約670万円!
1時間あたり(「かかることがある」だからもっと安い場合もあるのかも)
120ドル → 約17000円
だから保険適用ということになるのだろうけど、めっちゃ高いなあ。(最後のだけは、専門職が食べていこうと思ったら、日本でもそのくらい欲しいよね、となるけれど、それだけに少ない回数で、ご家族が安心して過ごせるように、環境設定、アドバイスができなきゃ困るだろうな。
で、保険適用という話になるわけですが、アメリカの医療保険の話を聞いてると、所得によってはたいへんじゃないかな、と思ってしまいます。
例
サウスカロライナ州
16歳未満の行動療法に年間最大5万ドル(インフレ連動)まで保障する「Ryan’s Law」があります
こちらは年間5万ドル(約730万円)まで援助するわけですが、文内で使われている「Medicaid waiver」が Google 翻訳だと「メディケイド免除」となって、何のことかよくわかりません。
ChatGPT に尋ねると「 本来のルールを「免除(waive)」して、柔軟な支援を可能にする制度」ということで、要するに所得に関わらず(無料?)利用できるということです。
しかし、例えば早期発見・早期療育で必要なことをしてこられたなら、16歳のお子さん(もう青年期)にそれだけの ABA 療法をするっていうのも、何か変な話だ、と思ってしまいます。(まあ上限であって、もっと少なくてすむ場合もあるでしょうが)
カリフォルニア州
SB946 という2011年に制定、2012年施行された法律で、BCBA(行動分析士認定資格。修士レベル)の利用が上限なしでも可能。(プラン書類に明記)
2.最新の民間市場推計
oU.S. Autism Treatment Centers Market(2025年報告):自閉症治療センター市場(ABA含む)は2024年時点で約44億ドル規模(年率3.8%成長予測)
44億ドル → 約6400億円
ただし、これは薬の販売なども入った額。
oGlobal Market Insights(2023年データ):ABA単独で約40億ドル規模、2024〜2032年にCAGR約4.8%で拡大見込み
40億ドル → 約5800億円
o別報告では、(ABA 市場は)2023年度は38億ドル、市場は2023〜2033年にCAGR4.5%で成長し、2033年に約59億ドルに達すると予測
38億ドル → 約5500億円
59億ドル → 約8600億円
約6万8000人のBCBAのうち、4万7000人が自閉症者に積極的に取り組んでおり、サービス提供額は約130〜210億ドル。しかし本来は300〜400億ドルの需要が存在
130億ドル → 約1兆9000億円
210億ドル → 約3兆円
1兆9000億円を 47000で割ると 1人当たり年収 約 4000万円!!!
しかしこのサイト、サプライする側だから仕方ないのかもしれませんが、読んでるだけでしんどくなるな・・・「就学前の低年齢の子どもは、通常、最も多くのケアを受け、週40時間を超えることも珍しくありません」なんてことも書いてるし。
それこそ、アメリカでは預かってくれるところなんか少なく、児童発達支援みたいな感じで「預かり」機能を含んでるんだろうか?
週5日としたら、1日8時間だよ・・・
なお、ジョージア州アトランタでパラメディカル(特別支援教育士。昔で言えば介助員)と居宅介護みたいな仕事をしておられる方にお聞きする機会がありました。
ABA の訪問療育を受ける場合、必ず保護者かそれに代わる人が必要とのことで、その役を2家庭でやって実際にやっているところを見せてもらったと。
で、高校生のお子さんに、何かできる度にチョコレートを渡すのが1家庭。
小学生のお子さんと(その方の目では)自然に遊んでいるように見える中でいろいろやってたみたいなのが1家庭。
追記(2025年7月3日)
後者みたいなのを何て言うんだっけ?とあれこれ考えていたのですが、さっきフリーオペラントという単語が浮かんで来ました。でも、確認したらこれは「測定」に使う言葉みたい。私の知識ってそんなもんです。
やはり機会利用指導法(incidental teaching)かな?
そんなのを見たそうです。
たぶん、小さな頃からやってはると思うのね。前者は日本だと、まずやらないんじゃないかな。
今まで、何も手立てされてこず、強度行動障害状態になり、初めてお会いした、なんて時だったらあり得るかもしれないけれど。
小さな頃から社会的称賛に変えたり、家事活動だったらトークン(お金直接でも良いと思うけど)だったり・・・
何かそのあたりも問題がありそう。
なお、ABA サービスとは関係無い話ですが、日本だと月23日間放課後等デイサービスを利用したとすると年間で(めちゃくちゃおおざっぱです)、
1万円✕23日=23万円
23万円✕12か月=276万円 → 約2万ドル
なるほど、物価が日本の3倍高く感じる、という説があるからかかるサービス利用費用としてはこんなもんか。
(で、これが所得に応じて無料、55200円、446400円で使えたりするわけで・・・)
う〜〜ん、アメリカが「良い」とはとても思えない部分、多いなあ。

