「日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の歪みと闇」
畠山勝太( @ShotaHatakeyama )
米国の教育システム
地域住民の要望に応え、地域共同体を守っていくことがその使命と考えられている。
しかし、教育政策においては分権化と集権化の間に自由と平等のトレードオフが存在する
マイノリティや格差の教育問題を是正できるのは集権化された教育システム
分権化されているために、州間の格差も非常に大きくなる。
図1 州の所得の中央値とテストスコア
X軸に州内の世帯所得の中央値を、Y軸に8年生を対象とした学力調査の数学の成績(全米学力調査:NAEP)を取ったもの。
(アメリカ最貧のミシシッピ州(46000ドル)よりも日本の中央値(34000ドル)のほうが低い。しかし数学の得点は米国で裕福なマサチューセッツ州(87000ドル)よりも日本のほうが高い。)
また同じ州内でも格差がある。ミシガン州では、富裕層が多く住む学区の教員の平均給与は、貧困層が多く住む学区の教員のそれの3倍近い値。
このあたりのこと「アメリカの教室に入ってみた 赤木和重著」にも書かれていたな。
また教育については大学の人が論じることが多いだろうけど、大学のある町はアメリカの中でも特殊であり、大学の周辺は富裕でも、周辺の地域は貧困であったりする。大学周辺は民主党的でバイデン支持だったりするが、周辺は共和党的でトランプ支持だったりする。だから大学周辺の人間からの意見でアメリカの教育を語ると間違うことも多いと。で、この本からわかることは、そういった大学人の見せてくれる先進的な教育は、めちゃくちゃお金がかかっていて、日本でマネしようたってできない場合が多いかも。
確かに私が思うの(著者の言ってる部分も含め)
日本の教育は
・貧しいけれど平等
(広域で給料も支払われる。都道府県単位で1/2だか出してくれる。また私の見ている限り、困難校には優秀な教員が配置される)
・集権的
(学習指導要領など)
・すごく効率的
(学力テストでも世界で見てかなり上位)
であるのだけど、教師の「働き方」にしろ、不登校の増加にしろ、いろいろ無理がきているのかもしれない。そしてもちろん米国をはじめ、諸外国のいい部分は参考にしたら良いのだけど、ある意味日本は最先端というか、独自の発展というか、見本が他には見当たらないところにきていて、自分たちで考えなきゃいけないところに来ているのだろうな、と思う。