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2024年01月14日

「発達障害者に対する認知行動療法」木原陽子他を読む



「発達障害者に対する認知行動療法」
 ー自閉スペクトラム症をもつ子どもの不安に対する認知行動療法の適用と課題ー
 木原陽子・石川信一(2023)『発達障害研究』Vol.45, 3, ,201-208

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy;CBT)とは、行動的技法と認知的技法を包含する心理社会的アプローチの総称である。CBTは複数の理論から構成され多様な技法を有している。

 私にとっては某氏からうかがった「認知行動療法とは総合格闘技である」というのが一番しっくりきています。

 なお、ここで「行動的技法と認知的技法を包含する心理社会的アプローチ」というのは、『本当の TEACCH』で内山登紀夫さんがショプラーさんにインタビューした時の「TEACCH が重視するのは強化子のみではなく、認知理論からもたらされた、人間がどのように環境を理解し学習するかという点に焦点をあてた知見に基づいた指導方法である。」という回答を思い起こさせます(つまり強化子も大事にしている)。


 認知行動療法の場合は「全部で◯回のセッションを行い、1回目はかくかくで、5回目はしかじかで」というパッケージが多くできているのですね。

研究が蓄積されている代表的な CBT プログラムについて展望を行った。まず、文献検索はPubMed を用いて “autism” “anxiety" “CBT” のキーワードで検索した。そのなかで,複数の効果研究で行われている8つを、ASD をもつ子どもの不安に対する代表的な CBT プログラムとしてレビューした。

 その8つは

1. A modified version of Coping Cat program (Coping Cat) 
2. The Building Confidence program with modifications (Building Confidence program) 31)
3. Cool Kids ASD 2nd edition (Cool Kids) 
4. Discussing + Doing = Daring
5. Exploring Feelings
6. Behavioral Interventions for Anxiety in Children with Autism (BIACA)
7. Facing Your Fears protocol (FYF)
8. Multimodal Anxiety and Social Skills Intervention (MASSI)  

 そこで用いられている主な技法は

1.心理教育
2.認知構成法
3.リラクセーション
4.エクスポージャー
5.SST

とのこと。次に、上記と日本の4研究を合わせ、その中で指摘されている工夫をふまえ留意点を指摘している。

1.視覚支援
・教材にイラストや図を多く用いる
・発言を紙やホワイトボードに文字情報として残す
・折れ線グラフや円グラフの使用

 そして 「視覚支援は CBT の各技法通じて適用すべき工夫である」と書かれている。

(っていうか、生活全般、暮らし全般だと思うけど・・・)

2.こだわりの利用
 ここで書かれているのは、「心理教育の具体例やエクスポージャーの強化子に子どもの好きなキャラクターを用いたりする」と書かれているので、これを「こだわり」と言うのかどうかは、私には少し疑問かな。でも、本人の好きな物を用意するというのは大賛成。

3.具体的表現
 そりゃそうだ・・・

 ここまで、おめめどうで言うところの(厚生労働省も言ってるみたい)「視覚的・具体的・肯定的(2.の「君の好きなもの、なかなかいいねえ」というのは肯定的にあたると思う)」だな。

4.介入内容の調整
 結局のところ「1人1人に合わせる」というわけで、この特集の「応用行動分析」でも「TEACCH」でも同じことを言ってますよね。

5.親・学校の関与
 セラピールームだけでは完結せず、支援会議などを含め、チームで取り組む、ということですね。

 なんか、「実際に適用する時の工夫」としてはみんな同じことを言ってるような・・・

 で、そこが大事なのだと思うのだけど、そこを強調するのは TEACCH (そしておめめどう)となるのかな。
posted by kingstone at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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