※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2023年12月21日

お金を節約しようと思い始めた話(おめめどうで言う予算軸)




の、記事の下のほうに、「資料1 A君の行動援護報告」というのを書いています。

その中に

「どこへいきますか?」とメモで尋ねると、路線図の大阪を指差す。ところが、「じゃあ、お金高いからな」と言いながら貯金箱(透明のプラスチック容器)から千円札を2枚取ろうとすると、私の手を押しとどめ「神戸」と言う。(すごい!)

ということを書いてありますが、そのきっかけとなったと推定されることを書いていませんでした。

A君と関わり始めた当時の様子を再掲します。

A君は中1。2つの放課後等デイサービスを利用していましたが、当時、他害や周囲を困らせる行動があり

・1つの事業所をやめさせられそうになっていた(関わり始めた直後にやめさせられた)
・もう1つの事業所でも、どう関わっていいかわからなくなっていた

という状態で、私が関わり始めました。その半年後、かなり落ち着いてきた時の話です。

まず前提条件として、A君の家から「神戸」に行くのに比べて「大阪」に行くには、交通費が何倍もかかる、ということがあります。
また、

「お金があれば物を買える」(行動援護時)
「家事活動でお金を儲けることができる」(最初の頃は無茶熱心に回数多く)
「買いたい物が手持ちのお金より高ければ買えない」(行動援護で1回)

という体験は積んでいました。

行動援護で自分の好きな物を買うのはそれまで3回くらい。

そしてそれまでの私との関わり、もう1つの事業所への SV などで彼の他害はほとんど無くなっていました。


この、私が「大阪」までの交通費を取ろうとしたら、私の手を押さえて「神戸」と言ったのは、1月のことでした。

その数日前、家で書き初めをしていてお母さんがつい先ごろ買った大事なビーズソファを墨汁まみれにしてしまい、新しいのを買うしかない状況になりました。お母さんはムカッとして「高いんやで!あんたも半分出し!」と言って(というかたぶん怒鳴ったんだろうな・・・)彼の貯金箱からお金をごっそり取っていきました。

(しかし、この「半分」というのが親心なのかも)

それが「痛い経験」となって私が千円札を貯金箱から2枚も取り出そうとした時に、私の手を押さえ、行き先変更し、小銭で済むようにしたのだと思われます。

おめめどうで言うところの「予算軸(お金の感覚)」ができてきたわけですね。

なお、その頃、「家事活動など充実した活動がある」「そして感謝される」「(カレンダー・スケジュールなどで)みとおしのある暮らしがある」などで他害は無くなってましたが、

・私への抱きつき、肩組み(中1なら社会的な関係ならやらない)
・私への頭さわり(中1なら歳上にはやらない)
・メモ用のサインペンで私の手に書く(たぶん注目を求めて)

などがあったので、それらの行動をしたら罰金10円をもらうことを伝えたコミュメモの画像は再掲します。
※クリックすると大きくなって見やすくなります

10円もらう.png

なお、これらのエピソード、いずれも、

・見てわかる環境が、本人にわかるように整ってきた
・充実した活動が増えてきた
・褒められたり、感謝されたりすることが増えてきた

などの後であることにご留意ください。
(いきなりはできません)
できれば「罰金」的なものはやりたくないですもんね。

posted by kingstone at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | おめめどう・視覚支援 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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