特殊教育学会では、大きな刺激を頂きました。
いつも、自分の考えたこと、そこで語られたことのどこまで書いていいのか悩むのですが・・・
これは書いていいだろうと思うものを書いてみたいと思います。
自主シンポジウムI -15「知的障害を伴う自閉症児の行動問題への支援と教師の専門性の向上に関する検討」
いつのかはわからないのですが、特別支援学校の教職員(常勤のみ)に対して行ったアンケートで
n=227(回収人数)
内訳
0〜3年:71人(約31%)
4年〜10年:85人(約37%)
11年以上:71人(約31%)
0〜3年:71人(約31%)
4年〜10年:85人(約37%)
11年以上:71人(約31%)
で、行動障害への指導・支援の困難さの要因(複数回答)の中で、一番多かったものが
「特性に基づいた指導・支援」
であり、行動障害への指導・支援に向けた研修として知りたい内容(複数回答)の中で上位3つは
「特性に基づいた支援のアイデア」73.6%
「支援の基本的な考え方」61.2%
「行動障害が起きる理由」60.8%
「支援の基本的な考え方」61.2%
「行動障害が起きる理由」60.8%
という結果なので、発表者の先生は「『強度行動障害支援者養成研修』の基礎研修で扱う内容の研修ニーズが高い」と述べてはりました。
まったくもって賛成です。で、私は会が終わった後、発表者の先生に
「今の特別支援学校教諭の研修の一部を削って、強度行動障害支援者研修を入れたらよろしいやん。まあでも講義だけでなく、またグループワークに留まらず、自分の担当のお子さんとやってみて OJT をベテランの同僚なり、外部の専門家なりにして頂く必要はあると思いますが。」
などと言いに行きました。またこの発表者の方の願いは
のサイトを作っている私と同じだろうな、と思えました。
自主シンポジウムI -29「発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指す PBS(17)」
ある先生が「こうしたら」というような提言をされたのですが、その提言に至った研究の事例は本来3つあったのに、1つはベースラインをとる段階の説明に「カードの使用」について書いたところがあって、今までやってなかったのにベースライン期間に担当の先生がカードを使ってしまってうまくいき、事例にならなかった、というのがめちゃめちゃ面白かったです。
確かに「研究」としてはうまくいかなかったかもしれないけれど、その対象のお子さん、担当の先生にとってとてもいいことですよね。現場としてはまったく OK。
でまた、他に参加したシンポにしろポスター発表にしろ、私の見、聞きした範囲では
・視覚的支援(スケジュール・意思表出)
・機能的アセスメント
・選択活動
・機能的アセスメント
・選択活動
などのどれかの組み合わせでうまくいくようになりました、というのばかりでした。
じゃあ、大きな行動問題(行動障害)とかが出る前からやってりゃいいじゃん、という話ですよね・・・
しかし現状はされていない・・・
もちろん「それだけじゃない部分」もあるし、たぶんうまくいった例というのは、それこそ、それ以外の楽しいというか豊かなというか、そういったものが背後に広がっていると思えました。
私たちチームで、1998年に行った取り組みで、私は校内研修で視覚的支援のことを、動画などで校内にお伝えしていったわけですが、メンバーの新人Bさんが
「ビデオもよくわかったけど、でも例えば課題学習とかやってる以外の部分の○年の生活全部をみなさんに見て頂きたいですよね。結局カードを使ってる部分って一部分だし、それ以外の楽しいところなんかも知って頂きたいですよね。」
とおっしゃっていたように。
ついでに
なお、私の発表
「自閉スペクトラム症児に対するエビデンスに基づいた実践を学ぶことのできるネット上の公的資料について」
も何人かの方と「やっぱり OJT が必要だよね」、「技法だけ伝えたらすごく危険だよね」などと、いろいろ話し込むことができました。
論文集に載っている PDF の元はダウンロードできるリンクを貼ります。
現場では、ポスターの内容と資料になりそうな1枚ものをお配りしたのですが、これは Twitter(X)の DM なり、facebook のメッセンジャーなりで連絡して頂ければ、差し上げます。ただしメッセンジャーの場合は「ともだち」になっていない場合、送られても見えない場合があり、なんらかの手段で私に「送ったよ」と伝えて下さいね(「ともだち申請」を同時にして頂ければいいのかな?)。先日も「送ったのに回答が無い」と叱られてしまいました(汗)