神戸シネ・リーブルにて
ジャンルとしては「社会派コメディ」というのになるらしい。
確かに、深刻な問題なんだけど、笑えるところも多かったです。
ーーーー ネタバレめちゃくちゃあり ーーーーー
フランスの移民政策は、パンフレットに解説も書いてはる増田ユリヤさんの
に詳しく書かれています。ただし、この本、2011年に出版され、その後大きな事件がたくさん起こっているので、変わっている部分も多いかも。
でも映画の中でも18歳未満なら不法滞在でもいいけれど、18歳になれば「紙(滞在許可)」が無ければ即強制送還(国外退去)させられるところが出てきます。そして身分証明書の年齢が違っている場合があるので、骨年齢で判定するシーンも出てきます。
逆に言うと、18歳未満の場合、手厚く保護されるのだけど。
そうそう、冒頭のほうで移民少年との話し合いで「特殊教育士なら3年続けられる」というセリフも出てきたな。
しかしこれって、その特殊教育士が、それほどの研修・資格も無く、フランス語が堪能でなくても(そこは実はその方がいい場面もあったりして・・・)できる、低い資格とみなされているのだろうか。
主人公、カティ・マリーは、テレビで有名なシェフの経営するレストランのスー・シェフ(板長)、しかしシェフと大喧嘩して辞める。
で、仕事を探して求人広告を見て面接に行ったら、移民少年たちを保護する施設の料理人で、最初は「住み込み・食事つき」で月、確か1400ユーロと少し(今日のレートだと21万円ちょい)という安さで怒って出て行こうとするのだけど、友人が「まず仕事でお金をためなきゃ」と諭してくれて思い直す。
で、まあなんやかんやたいへんなんだけど、少年たちに料理を教え始め、最初は少年たちとトラブルもありつつの、最後はめでたしめでたし(といいつつ、その時活躍した少年たちの中でも何人かは国外退去になる)という話。
なお、就学できれば3年間、国外退去させられずにすみ、資格を取って就職すれば永住権ももらえるのかな?
映画の中で施設長ロレンゾ役をやってる、フランソワ・クリュゼさん、「サッカーやってて肉離れした」と言って、びっこ引いてたり、カナディアン・クラッチ(杖)をついてたりするんですが、実は撮影途中に子どもたちとサッカーやってて肉離れを起こし、降板を申し入れたのだけど、監督さんがそれを映画に取り入れちゃったとか。
なんかすごくぴったりはまってました。
このカティ・マリーのモデルになったカトリーヌ・グロージャンさんの記事が無いか、調べたらこんなのが出てきました。
記事の一部を、Deep L でフランス語から日本語に訳して引用してみると
(しかし、英語の場合より「拙い」日本語のような・・・)
Treignacのホテル学校の料理教師であるこの異形のシェフは、彼の若い移民の生徒たちとのドキュメンタリーの中心人物です。情熱と人生の教訓。 (中略) アビジャンでの幼少期、ブリーヴでの学校生活、心理学の勉強はすぐにやめて、パリやマドリードで仕事をしながら自分の道を探す... そしてブリーヴに戻ってレストラン「ラルケード」を開き、10年ほど前からまるで本能のように美味しい料理を作り続けているのです。そして、常に存在するのが、「教えたい」という淡い願望だ。「しかし、私はCAPどころか、卒業証書すら持っていなかった。だから、トレニャックの料理教室の先生の後任として急遽オファーがあったにもかかわらず、後天的に習得した経験の検証を受けることにした。恐怖を感じながらも、彼女は立ち向かった。 「女性の権威を否定する人もいて、とても難しかったのですが、なんとか自分を押し通すことができました。プロとしての身のこなしや、他者に対してオープンであること、そして参考となるような存在であり続けること。また、異文化交流についての本もたくさん読みました。彼らには本当に感謝しています」と彼女は言う。他の場所にはいられない、そこで私は役に立っているのです」。 数年前から、その実力は公式な卒業証書で証明されていた。しかし、現在の彼女にとって、「チーフ」と呼ばれること以上にうれしいことはない。"伝えたい "という思いがずっとあったので、数年後の定年退職を楽しみにしています。何よりも、料理は共有するものです。 |
また、この映画のもととなったと思われる、ドキュメンタリー映画の一部が FaceBook の動画コーナーにありました。
こんなのも見つけました。