※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2022年09月28日

福祉現場の会議に活かすファシリテーション(特殊教育学会 自主シンポ II-41)



2022年度特殊教育学会 自主シンポジウム
支援会議を活性化させる「ファシリテーション」(6)

「福祉現場の会議に活かすファシリテーション」

  企画者:三田地真実(星槎大学)
話題提供者:田熊立(千葉県発達障害者支援センター)
   吉田五月(千葉県発達障害者支援センター)
   竹村雅裕(二葉むさしが丘学園)
   鵜沢敦史(菜の花会)
   千田弘美(はーとふる)
指定討論者:佐藤智彦

 今回、話題提供が福祉の現場の実践事例であったのがたいへん参考になりました。

 中に出てきた用語で「一言チェックイン」というのがわからなかったので調べてみたら

「目指せ仕切り上手! 会議が変わるファシリテーション(その1)」(レイコ先生の「明日から使える! コミュニケーションスキル」(3))

によると

緊張をときほぐす「一言チェックイン」

 重要な会議で、参加者のほとんどが緊張した面持ちだった場合、そのまま始めてしまっては自由闊達(かったつ)な意見が出ない可能性があるため、緊張から開放してリラックスした雰囲気を作ることが必要です。そんな時は「一言チェックイン」というアイスブレイクが使えます。

 参加者に現在の気持ちを一言で言ってもらうという単純なものです。「重要な会議なので緊張しています」「ここのところ残業が続いていて疲れ気味です」など、参加者の本音がチラッと垣間見えるだけで、張り詰めていた雰囲気が一変します。もし、気持ちを表現するのに抵抗がありそうな場合は「今の気分を色で例えると何色でしょうか?」といった形にアレンジしてみるのもよいでしょう。

 「氏名」「所属」みたいなの(当然職場での会議だったらそもそも必要無かったりするでしょうし。顔見知りだから)でなく、「現在の気持ち」とかいうのが大事なんだろうな。

 またとりあえず口を開くことで、「参加している」という気分が強まり、後で話しやすくなるってのがあるんだろうな。

 なお、最後に一言言う、「チェックアウト」ってのもあるそうな。

 「個人ワーク」というのもわからなかったのですが、動画を見ていて「自分なりにその会議のそのテーマで言えることや、提案できることを考えておく」というような意味であることがわかりました。「そりゃ当たり前じゃないか?」と思いかけましたが、そういやそんな時ばかりでないというか、そもそもテーマを知らされていなかったりする場合もあったりするよな、と気づきました。

 この「個人ワークの事前実施」を参加者にしていてもらうのは大事だし、だからこそ、コーディネータはテーマを参加者に事前に伝えておくことが大事になるな。

 ライブ・レコーディングというのも大事ですね。リアルタイムでホワイトボードに書いていくわけですが、広い部屋だと、私なぞ字が読めないことも出てくるな・・・大画面でパソコンなどの画面が即書き込まれていく、なんてのもいいかもしれない。

 三田地真実さんのプレゼンに出てきた、「会議の進行チェックリスト」を自分でも作ってみました。

 本物は他に「座り位置」とか「発言回数」のチェック欄があったり、他のシートと連動させるようになっていたりするようです。でもとりあえず、の部分のみ。一応ダウンロードできる PDF も置いておきます。

※図はクリックすると大きくなります。

会議の進行チェックリスト.jpg


 なお、話題提供されてた福祉事業所さんでの研修で、三田地さんの研修は人気があるそうなのですが、田熊さんがその資料を見て「あんまり中身が無いですね」とおっしゃったと(笑)。実はそれ、自分が作業して書き込むための空白がたくさんとってあったからだそうです。

 また研修時間も「3時間」なら一気にやるんじゃなくて、

 1時間 → ホームワーク(宿題ですね) → 1時間 → ホームワーク → 1時間 → ホームワーク

 とすることによって、研修の効果というか、実践が継続するようになったと・・・


 私、昔から教師の研修でよく思っていたのが、講師の先生が「いい話」をされ、それを聞いて参加者は「ええ話を聞いた」で終わってしまうことがほとんどだ、ということ。やっぱり手と頭を動かし、また実践してみて、初めて講義内容がわかることが多いよな、と。

 これ、現在の多くの県でやられている「強度行動障害実践研修」や「行動援護従事者研修」でも、知識としての中身はすごくいいけれど、4日間で全部詰め込むために、ほとんど座学になっていて、手や頭を動かし、また現場でやってみて、そこからまた疑問をもって質問できたり、ということにはなっていないよなあ、と思っています。


 研修を事業所でする以前の悩みとして

○職階が上の人が司会し、意見を言い、他の人が発言せずに聞いているだけになる(その司会をやってる職階が上の人が「これでいいのか?」と悩んでおられた)

○司会をする人がひとりに集中する(仕事量もたいへん)。スタッフみんなができるようになったらいいのにな。

○個人の責任追及の場になって雰囲気が悪くなる。

などがあったのが解消されてきたとか。

 大事ですね。







posted by kingstone at 16:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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