ハルヤンネ(奥平綾子)さんが、Twitter で「このあたりから」と、思春期になって今まで特に手立てをしてこずに来られた親御さん向けに書かれた資料を画像でアップされました。
一読「とてもいい資料だ」と思ったのですが、印刷すると字がつぶれてしまいます(それでも問題なく読んで意味がとれる人間の視覚や脳ってすごいとは思いますが)。
これはきれいな資料にして、広く読んでもらったほうがいいのでは、と思い尋ねてみると元データ(ワードのデータ)はもっておられると。そこで私が少しだけ整形して PDF にしてダウンロードできるようにしました(文言は変えていません)。またテキストも下にアップします。
先に私のコメントを書いておきますと
1段目 カレンダーについて
「自分のを持つ」というのは、たぶん自分と家族がよく見るところに「自分のを貼る」ということです。
(そのくらいわかってるわい、と言われそうではありますが)
また、「嫌がるようなら」の対処は素晴らしいです。
なお、見てくれるようになるコツは「ご本人の好きなイベント」「待ち遠しいイベント」から始めることですね。
学校に行くのが嫌なお子さんの場合、学校という文字や写真があると見てくれなかったり、破いたりすることもあります。
カレンダーが自分のものになれば、ご本人に嬉しくない予定があっても、嬉しい予定をたよりに我慢できるようになったりもします。
2段目 スケジュールについて
スケジュールでも必ず「本人の好きなこと」「やりたいこと」が最低ひとつは入っていることが大事ですね。
3段目 本人の部屋
「独立した部屋をとる場所が無い」という場合は、カーテンやパーティションで完全に見えなくなるような空間を作るといいですね。
いろいろと工夫が必要な場合もあるかもしれません。しかし各段に書かれてあることをひとつひとつやりながら、できない場合は条件に合わせて工夫していきましょう。
4段目・5段目・6段目
「うちの子は軽度だから」「重度だから」「お話できるから」いろいろな理由で「そんなこと無理」「そんなこと必要ない」と思われるかもしれませんが、どのお子さんにも大事なことだと思います。
テキストファイルの下に PDF へのリンクを貼ります。
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2016.12..06
<なにもしていなくて、思春期から始めたい方に!>
奥平綾子
まずは「カレンダー(巻カレ)」です。本人が自分のを持つのが一番ですが、もし、嫌がるようなら、本人にわかる情報で、家族の「巻カレ」を作るといいでしょう。それを気にし始めると、本人の情報も書いてもらいましょう。これで「自分の一年」ができます。
次に、今日の「スケジュール」ですが、これも、本人が示されるのも嫌なら、「みとおしボード」に、「お母さん・お父さんの予定」を書きましょう。毎日書くことで、気にされていきますので、そうなると、「ねえ、あなたの予定も書いておいてくれる」と本人用の「みとおしメモ」や「みとおしボード」も用意しましょう。「自分の一日」ができます。
子供と親の距離が近いなら、「本人の部屋」を作ってください。「本人のものは本人が選ぶ」が原則。家具や寝具や日用品なども、本人が選び、「巣作り」をするごとく、部屋へ運んで行き、本人のものだけに囲まれるようにします。親が良かれと思うものや、壊されてはいけないものなどは置かないでください。押入れを一つ開けて「カームダウン」にしましょう。部屋に居るときは声をかけず、イライラしたときも、こちらからの働きかけをやめて、部屋に行くのをじっと待ってください。これが「自分の空間(居場所)」です。
親御さんに絡まってくる人は、大人から喋られすぎです。なので、親の方が黙ってください。あれこれの提案をやめ、「不用意に話さない」。どうしても伝えたいことがあったら、「おはなしメモ」や「MITECAバー」などを使い、無音で示してみましょう。「えらぶメモ」に丸をしてもらうのもいいですよ。説明も「四コマ」や「どうして」を使います。音声を減らすと、自分で発信しないといけなくなりますので、「自分の言葉」がでてきます。
本人が「言うてきたことは、見える化して、確認し」、できるだけ叶えます(もちろん、できないことは、理由を伝え断ります)。どんな結果になっても、後始末はしないでください。例えば、先日息子と、マクドナルドへ行ったのですが、「店内改装中・ドライブスルーをご利用ください」と看板にあったのです。幼児学童期なら「マクドナルド、おやすみやね〜。ドライブスルーで買えるよ〜」など提案する場面でしょうが、思春期からは「どうするんだろ」と「黙って見守ってください」。そこで起こる「葛藤も次の行動を決めることも本人から取り上げない」こと。つい提案、後始末しそうになるでしょうが、しないことに慣れていってください。本人が判断する、「自分の行動」となっていきます。
また、「親と財布を分ける」。お小遣い制にします。それが「自分のお金」になります。まずは、このあたりから、少しずつ、GO〜!