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 あくまでも、私個人の意見です。

2022年07月18日

『「ひきこもり」から考える』石川良子著





 この本は ひきこもり者への CRAFT の適用について調べていて、CRAFT の改善に対する有効性は(本来の意図通り運用されれば)間違いないとして、論文には改善できなかった数とか、場合によっては危険が大きくて適用をやめた例とかも出てきます。もちろんそこが論文として素晴らしいところです。

 で、じゃあ改善されなかった人に対してはどんなことがいいのか、違った方向の意見も知りたくて読んでみました。

 筆者の石川さんは、松山大学人文学部教授。ずっとひきこもりについて研究されてきた方。筆者は「ひきこもり」という書き方をされ、「 」に「いわゆる」という意味を込めておられるそう。

 筆者は冒頭「本書は支援のあり方について、<聴く>ということに焦点を当てて考えようとするものです」と書いておられます。

 確かに私には半分程度は ロジャース派で言うところの「受容」「共感的理解」「積極的傾聴」「純粋性」の話だなあ、と思って読んでいました。もちろんそんな言葉は出てきませんが。

 最初の方で過去の支援は当事者不在であったが、最近、当事者が声を上げるようになった、というような歴史を書いてくださっています。その例が下で紹介する「UX会議」であったりするわけです。

 このあたりは他の障害支援とも同じですね。って引きこもりは障害ではなく、状態ですが。

で当事者からの「表1 支援批判の内容」に書かれた支援批判が興味深かったです。一瞬「何を甘えたことを・・・」とか思ってしまいそうになるのですが、読み替えて行くと「なるほどなあ」と得心できるといったような部分が多いです。

 当事者が声をだしづらいのは、「ひきこもり」が語るのが難しいものである、ということであり、それだけに聴く態度というか、聴くことの必要性を説いておられます。

 ところが最初の頃、当事者として声を挙げられた方たちは消えてしまわれた、と書かれてますね。どうしても講演会などで人前で話すと迎合的になり、少しずつ相手に合わせようとしてしまうところが出てきて、消費されてしまったのかも、と筆者は書かれています。

 難しいもんです・・・

 あと

「ひきこもる人々は社会的に反抗してひきこもっているのではなく、むしろ『こうあらねばならない』という規範や要請に対して従順であるがゆえに逆に引きこもってしまうということは、これまで繰返し指摘されてきました」

と書いておられのはなるほどなあ、と思いました。

 第7章は「居場所論」なのですが、「居場所への期待も人によってそれぞれ違う」のでいろんな居場所があったらいいよね、というこですね。その直後に筆者も書いておられますが、田舎の方だとそもそもそんな場所が無い、というのが普通なのかもしれない。

 そして支援方法にも言えて、引きこもりの要因もいろいろあるし、本当にいろいろな支援方法が必要なんだろうな、と思います。

 しかし支援者の態度といい、やはり藤里町での実践は参考にする点が多いのじゃないかな。


 勝山実さんの「安心ひきこもりライフ」は2011年に出版されましたが、それ以前の歴史を詳しく書かれています。 





「ひきポス(HIKIPOS)」当事者の声を発信するサイト。


 一般社団法人ひきこもりUX会議というのは当事者団体。
 そこが2019年に調査したものの一部を無料で公開しているのがこちら。


 それに分析を加え書籍化したものがこちら。

posted by kingstone at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 福祉関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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