野中他(2019)にある山本・室橋(2014)というのは
のことであるが手にはいらなかったので、上記論文で 21/30 改善した、ということも書かれている
山本彩(2015)『行動療法研究』Vol.41, 3, 193-203
を読んでみた。これは他の例も含めて一般的(?)に CRAFT がどのように行われるか、も書かれている。
kingstone注
※CRAFT では、クライアントというか当事者というか、この論文の場合だと「引きこもり者(児)」のことを「Identified Patient;IP」(認証された患者)と呼ぶ。わかりにくいので、以下「本人」とする。また「周辺、共同体の人々」のことを「Concerned Significant Others ; COS」(心配している重要な他人)と呼び、本来は連携する機関の人々全部も含むが、家族と読み取れる場合が多いので、「家族」場合により「母親」「父親」とする。厳密には違うので注意。
※なお、私が読み取れていなかったり、まとめ方が言葉足らずだったりするところは多々あると思うので、興味を持たれた方は是非元論文にあたって下さい。
なぜCRAFTを応用するのか
@物質依存では本人が相談に訪れず家族だけが訪れることが多い。引きこもりも。
A物質依存では家族の世話焼き行動が維持要因になっていることが多い。引きこもりも。
B物質依存では家族が抑うつ、不安、低い自尊心示す。引きこもりもストレス反応、セルフエスティーム(自尊心)の低下や、セルフ・エフィカシー(自己効力感)の低下を示す。
A物質依存では家族の世話焼き行動が維持要因になっていることが多い。引きこもりも。
B物質依存では家族が抑うつ、不安、低い自尊心示す。引きこもりもストレス反応、セルフエスティーム(自尊心)の低下や、セルフ・エフィカシー(自己効力感)の低下を示す。
違い
ASDのある人に対しては、特性に応じた支援が必要。
CRAFT では危機的な状態では介入しないが、ASD のある人では(家庭内暴力など)介入が必要な場合も。
CRAFT では危機的な状態では介入しないが、ASD のある人では(家庭内暴力など)介入が必要な場合も。
本人支援には必要に応じて以下の役割の人や機関を準備する
@危機介入は行わず「急がない担当」(山本さんはこれにあたる)
A自傷他害への介入など危機介入を法律に準じて急いで行う「急ぐ担当」(警察など)
B矯正施設送致や精神科入院の場合の「リセット担当」(矯正施設や病院など)
※ASD児者は物事が一対一対応であるほうが混乱しないので、別々の人・機関がするのを推奨
A自傷他害への介入など危機介入を法律に準じて急いで行う「急ぐ担当」(警察など)
B矯正施設送致や精神科入院の場合の「リセット担当」(矯正施設や病院など)
※ASD児者は物事が一対一対応であるほうが混乱しないので、別々の人・機関がするのを推奨
構造
基本的には、1か月に1回、1時間のセッションを6か月(最長1年)。加えて支援会議。
有期限であることは、家族の動機づけを保つうえで重要。1年たっても変化が見えない場合は他機関を紹介して終結する。
「急がない担当」はABC分析で機能を分析する。
有期限であることは、家族の動機づけを保つうえで重要。1年たっても変化が見えない場合は他機関を紹介して終結する。
「急がない担当」はABC分析で機能を分析する。
構成要素
@家族の動機づけの強化と維持
A不適応行動の機能分析
B家庭内暴力の予防
C家族のコミュニケーション・スキルの改善
D不適応行動と両立しない行動への正の強化(本人へのと思われる)
Eマイナスの結果の使用(本人へのレスポンスコスト法のことと思われる)
F家族自身の生活を豊かにする支援
G支援を開始するように本人を誘導する
A不適応行動の機能分析
B家庭内暴力の予防
C家族のコミュニケーション・スキルの改善
D不適応行動と両立しない行動への正の強化(本人へのと思われる)
Eマイナスの結果の使用(本人へのレスポンスコスト法のことと思われる)
F家族自身の生活を豊かにする支援
G支援を開始するように本人を誘導する
家族のコミュニケーション・スキル改善のために
@簡潔に
Aポジティブに
B具体的な行動に言及する
C自分の感情に名前をつける ← (認知行動療法っぽいところってここだけじゃないか?)
D思いやりのある発言をする
E部分的に責任を受け入れる(全面的に、でないところが重要と思う)。(本人の)特性から「部分的に」がわかりにくいこともある。
F支援を申し出る。これがプロンプト依存にならないようにする。
介入例(2010年4月〜2012年3月) 30例(男性 26人 女性 4人)
年齢:14〜44歳
ひきこもり年数:1年以内10人,2〜5年6人,6〜10年9人,11〜15年3人,16〜20年2人
診断名:広汎性発達障害7人(23%),知的障害1人(3%),広汎性発達障害疑い5人(17%),不明17人(57%)
インテーク時暴力や破壊のあった人9人(30%)
結果
自発的に相談行動をとる 10人(33%)
日中活動の所属先(就労支援やデイ)ができていた 8人(27%)
入院中または入院待機 3人(10%)
変化なし 9人(30%)
日中活動の所属先(就労支援やデイ)ができていた 8人(27%)
入院中または入院待機 3人(10%)
変化なし 9人(30%)
なお、相談機関を上手に勧める段階のみで自発的に相談機関に行った人 9人(30%)
(逆に言うと、必要な情報が届いていないのでは。このあたり、ごく最近(2020年代)になると変わってきているかも)
(逆に言うと、必要な情報が届いていないのでは。このあたり、ごく最近(2020年代)になると変わってきているかも)
kingstoneの感想
山本さんは心理職。しかし「本人支援には必要に応じて以下の役割の人や機関を準備する」の項目のところに書かれているように、各機関と連携を取られている。
連携ということで言えば、相談支援専門員やソーシャルワーカーの出番も考えられるのではないか。もちろんその人たちが「ABC分析」や「機能分析」まで担うのは重荷だけれど、そこの部分は心理職の方にお願いして・・・(となると、本来の CRAFT で無くなってしまうのかな?)
「自閉症スペクトラムが背景要因のひとつと思われる引きこもり者・児に対する CRAFTA」では別の一例と思われるものを、山本さんが詳しく書いてくださっているのでそれを取り上げる。