先日見た映画「ドライブ・マイ・カー」の中の劇中劇で「ワーニャ伯父さん」が出てきたので、読んでみたいな、と思っていました。
昨日、明石のジュンク堂に行くと、『女のいない男たち(ドライブ・マイ・カー原作)』が棚にたくさん表紙を出して置かれている横に、『かもめ・ワーニャ伯父さん』が置かれていて、買ってしまいました。(ジュンク堂、うまい)
映画の中で、ワーニャ伯父さんって、地主の高等遊民で、何をしていいかわからずイライラしている人なのかな、と思っていました。
読んでみると違っていました。
ロシアの相続権がどうなっているかわかりませんが、伯父さんの妹が学者と結婚し、伯父さんは土地を管理して(小作とか農奴に丸投げというわけではなく、自立農という感じ?)、上がりを学者さんたちに援助して来た。妹が死んでからも。
なお、土地は妹の子(つまり学者の子でもある)、ソーニャが継いでいる。
妹は亡くなり、学者は他の女性と結婚した。しかし学者が退職となると、モスクワでの生活は負担が大きく、農園に転がり込んできた。(他の女性と夫婦になってて、元妻の農園(ただし相続権はソーニャ)にやって来る、というのが私などには「へー」です。
そこでのなんやかんやがドラマになっているわけです。
伯父さんはひたすら働いて、お金を送ってきたけれど、47歳で何者でもない自分はいったい何なんだろう、みたいな話かな。
なお、最後に学者と新妻は引っ越して行くのですが、引越し先がハルキウ(ハリコフ。現在のウクライナの激戦地)。
イメージとしては太平洋戦争中に満州や朝鮮半島、台湾などの都市に引っ越す感覚なのかな?
なお、チェーホフは1860年ー1904年 の生涯ですから、明治維新の少し前に生まれ、日露戦争の年に亡くなってますね。