『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の続編です。
日本で言えば息子君の中2,コロナ前までの周囲とのあれこれが書かれています。
第1話はルーマニアからの移民家族(と後にはその仲間たち)とのあれこれ。
夫さんがDIY趣味でかつ捨てられない人、だったので(みかこさんもかなりやいのやいの言ったのでは、と推測)、前庭に捨てるものを入れるためのスキップという箱を置いていたら、そこに鉄くずを集めているルーマニア人家族がやってきて交流が始まったそう。
以前のみかこさんの本でも、夫さんは移民排斥の空気が強まって、地元の人から嫌がらせを受けている移民の家に、仲間の労働者を引き連れて行って守りに行く(ただし、意見としては移民政策反対)ような人だから、「これももってけ」「あれももってけ」と毎日鉄くずを出してあげるようになります。
すると、近所から「捨てるつもりのない物まで黙って取って行く。彼らを来させるのをやめさせられないか」と苦情が出たと。
夫さんは、「うちのはいいけど、他のところのは、置いてあるのは持って行ってはダメ」ということを伝えたら、翌日からまったく来なくなったそう。(後で出産が近いというのであげた産着は、死産だったから、と返しに来たけれど)
実のところはよくわからないですが、なんかありそうな話やな。
あと、緊縮財政でどんどん住民福祉が削られ、地域の図書館が廃館になりました。そこを利用しようと、ホームレスのシェルターを作ることが自治体から提案され、説明集会が開かれたけれど、ものすごく激しい反対意見ばかりが出て、説明に来た自治体職員の女性が途中で泣きながら帰ってしまったと・・・
なお、近所の人たちの中に、離れたところに住んでる人がいて、みんなを煽るような言動をしてまた反対意見が激しくなったのだけど、後からその人は近所に不動産を持っていることがわかります・・・
地価下落をみんな警戒してる、ってことなんですが、う〜〜ん、抱き合わせでいろいろな福祉系の複合施設ができ、それができると地価が上がる、みたいなことできないのかなあ・・・
息子君が数学で悪い点を取って帰ってきたとき、夫さんは激しく叱ります。そして「頼むから俺みたいになるな」と言います。その言葉を父親に言わせてしまった、という思いで息子君は涙をあふれさせます。息子君はなんかめちゃ優しく、よく考える人になっていってるな、と感じられます。
なお、イングランド、ウェールズ、北アイルランド(つまりスコットランドは別のやり方)では9年生(13歳?)からGCSE(中等教育修了時の全国統一試験)に向けての授業を選択するので、12歳でその説明会が開かれるそう。
中に「ビジネス」という科目もあり、興味を持つ子どもや親も多い。で、みかこさんも説明会場に入ってみたら、自営業(スタートアップ、フリーランス)を始めるのに必要な知識を与えるもののようだと感じられたそう。で、それは役所や企業に雇う力が無くなったという時代の流れで出てきたものではないか、と。
う〜〜ん、確かになあ・・・
日本でも同じようなこと、言えるよなあ。