※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2021年02月23日

会計の世界史 田中靖浩著





 著者の田中靖浩さん、現在NHKの「カルチャーラジオ 歴史再発見」で「会計と経営を巡る500年の歴史」の題名で連続して話をしてはります。


 それが面白かったので、ご本のほうも買いました。

 フィレンツェでメジチ家が銀行(バンコ)を作ったのが15世紀。ちょうどレオナルド・ダ・ヴィンチが活動していた頃。そしてダ・ヴィンチもつきあいのあったルカ・パチョーリが書いた数学の本の中に少しだけだが会計についても書かれていた。

 この頃は自分の、そして社内(仲間内)にわかればいい会計(決算)

 活版の発明や、紙が安価になったこともあり、会計簿もよく作られるようになった。

 なお、当時の紙はパルプからではなく、綿製品のリサイクルなどで作られていたと。

 最初、変だな、と思ったけれど、考えてみれば「植物繊維」という意味でならパルプと同じだわ。



 世界で初めての株式会社とも言われている。

 1799年に政府から解散を命ぜられている。
 (でも、ほとんど200年続いてたんだ)

 解散理由。

 1. ずさんな会計計算・報告(会計制度の未成熟)
 2.高すぎた株主配当。(内部留保の不足と借入体質)
   3.不正や盗難に対するチェック機能の甘さ(ガバナンス機能の不足)
なんせ、船員が勝手に積荷を売って、自分の収入にしていた。

 なるほどなあ・・・

 本当にいろいろ面白かったです。


追記

 私、減価償却って「なんでそんなことするんだろう?」と思ってました。
 だいたい、高い備品を買って経費がたくさん出ていくのに、それを経費にできなくなるから利益が多いみたいになるのはダメなんじゃないか、っと。

 しかし、もともと減価償却というのは鉄道会社の経営から出た知恵だそうですね。
 鉄道会社って初年度はものすごく設備投資にお金がかかる。
 しかし、そのお金を初年度に処理してしまうと、翌年からはものすごく儲かるように見えてしまう。
 これでは運賃決めもお給料決めも上の数字を使ってはやりにくくてしかたがない。

 そこで、使った経費を年度ごとに平準化して、経営判断をしやすくするために減価償却という考え方ができた、と。
 なるほどな、です。




posted by kingstone at 23:21| Comment(3) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当におもしろいラジオ番組ですよね。聞き逃し配信で聴くNHKラジオ番組がほとんどなんですけど、火曜日の夜はこれが待ち遠しくて楽しみすぎてリアルタイムにその時間に聴いてます。内容がおもしろい上に、話し方がまた魅力的です。
Posted by おおまえ at 2021年02月24日 19:00
聞き逃し配信は、これ以外にも面白いのがたくさんありますね。
ファンになりました。
Posted by kingstone at 2021年02月24日 19:33
ほんとうに聞き逃し配信には有用な番組がもりだくさん。テレビとかその録画とか視聴hしている暇ないです。Youtubeか「NHKらじる★らじる」 だけで ほとんどの視聴に充てる時間を費やしています。
Posted by おおまえ at 2021年02月24日 20:25
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