著者の田中靖浩さん、現在NHKの「カルチャーラジオ 歴史再発見」で「会計と経営を巡る500年の歴史」の題名で連続して話をしてはります。
それが面白かったので、ご本のほうも買いました。
フィレンツェでメジチ家が銀行(バンコ)を作ったのが15世紀。ちょうどレオナルド・ダ・ヴィンチが活動していた頃。そしてダ・ヴィンチもつきあいのあったルカ・パチョーリが書いた数学の本の中に少しだけだが会計についても書かれていた。
この頃は自分の、そして社内(仲間内)にわかればいい会計(決算)
活版の発明や、紙が安価になったこともあり、会計簿もよく作られるようになった。
なお、当時の紙はパルプからではなく、綿製品のリサイクルなどで作られていたと。
最初、変だな、と思ったけれど、考えてみれば「植物繊維」という意味でならパルプと同じだわ。
1602 オランダ東インド会社(VOC)
世界で初めての株式会社とも言われている。
1799年に政府から解散を命ぜられている。
(でも、ほとんど200年続いてたんだ)
解散理由。
1. ずさんな会計計算・報告(会計制度の未成熟)
2.高すぎた株主配当。(内部留保の不足と借入体質)
3.不正や盗難に対するチェック機能の甘さ(ガバナンス機能の不足)
なんせ、船員が勝手に積荷を売って、自分の収入にしていた。
なるほどなあ・・・
本当にいろいろ面白かったです。
追記
私、減価償却って「なんでそんなことするんだろう?」と思ってました。
だいたい、高い備品を買って経費がたくさん出ていくのに、それを経費にできなくなるから利益が多いみたいになるのはダメなんじゃないか、っと。
しかし、もともと減価償却というのは鉄道会社の経営から出た知恵だそうですね。
鉄道会社って初年度はものすごく設備投資にお金がかかる。
しかし、そのお金を初年度に処理してしまうと、翌年からはものすごく儲かるように見えてしまう。
これでは運賃決めもお給料決めも上の数字を使ってはやりにくくてしかたがない。
そこで、使った経費を年度ごとに平準化して、経営判断をしやすくするために減価償却という考え方ができた、と。
なるほどな、です。
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