回避行動(嫌なこと、苦手なことを避ける)が不適切にひどくなると、適切なことに時間を使うことが難しくなり、支障をきたすことがある。
そこを改善するのに
エクスポージャー
行動活性化
セルフモニタリング
があるというのだが、著者が
行動が健全に発展しつづけるには "遊び" もしくは "揺らぎ" とでもいえるような多様性(これを行動変性という)が必要だ。 |
と書かれているのが、とても面白い。
ABA の本で「遊び」や「揺らぎ」という言葉が使われるとは思ってもみなかったので。(それが不勉強というか偏見というかステレオタイプな見方というようなものなんだろうけれど)
もう、まったく賛成しますです。
暴露反応妨害法(Exposure and Response Prevention, ERP)
例にあげられているメイヤーが改善した事例は、クライアントが不潔に過敏になって回避や手洗いをするので、クライアントが不潔であると感じる行動をせざるを得ず、手洗いができない環境を作り、不必要な行為をしないように説明し勇気づけてる。
暴露して出てくる反応(回避行動)を妨害するわけやな。
行動活性化 (Behavioral activation, BA)
(パソコンを買った時に最初にあれこれ設定して使えるようにするのを、アクティベーションって言うことがあるけれど、それは活性化ってことだったんだ)
うつ病のための短期行動活性化療法(BATD)
1.毎日のモニタリング
どんな活動をしているかの記録(本人の自覚をねらうとともにセラピストにわかることも大切やろな)
2.価値の領域とそれに関連する具体的な行動の同定
価値:クライエントがこうありたいと願うこと
同定:活動の楽しさや重要性を記録
3.活動の選択と順位づけ
難易度を得点化し、スモールステップでできるようにしていく。(得点の少ないものからやっていくということだろうな)
4.活動の計画
計画を立て、やってもらって、実行できたかどうか、楽しさと重要度はどうだったかを次週報告してもらう
行動活性化(BA)
C・R・マーテルら
クライエントの気づき → セルフモニタリング
P145 の[注5]で「『ベッドで過ごす』は死人テストを通過しないけれど、クライエントに対して『〜しない』という受身的な姿勢自体がクライエント自身の『選択』(というオペラント)であることを意識してもらう意味で有用だ」と書かれています。
私、昔から「『◯◯をしない』というのは死人テストを通過しないから」え〜〜っと次にどうつながるんだっけ?「行動と認めない」だったか「標的行動としては認めない」だったか「評価しない」だったか・・・
しかしベッドの例で言えば「ベッドから出ない」と書けば否定的になるけれど、「ベッドで過ごす」とか「ベッドで眠る」とか書けば肯定的になるし、「死人テストを通過しない」という理由で考えに入れないのは狭量だ、と考えていた。
ABA の視点でも「有用」とする考え方が出てきていることが嬉しい。
(まあ「自分で選択してるんだよ」という気づきだけの部分だけど。私はもう少し広く有用性をとりたい)
(学校で「(何も意味あることをしていないのに)机の前に45分座っている」ことを目指すような、評価するようなことばかりが多いと、「死人テスト」を持ち出したくなるが)