※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2020年11月21日

日本ポジティブ行動支援ネットワーク研修会(2020年11月21日)



スクリーンショット 2020-11-21 17.54.05.png

このオンライン研修に参加しました。
私が学んだこと(たぶん他の方はもっと多く学ばれたと思いますが)

「重度知的障害のある児童生徒の行動問題に対する個別的介入」
加藤慎吾(東京学芸大学)

機能的アセスメントをして介入する。

今回は「注目獲得」によって、不適切な行動が出ている場合。

介入1.少しでも良い標的行動が出た時に即時強化(分化強化)
介入2.だんだん少なくし、最後はひとつながりの行動を終えた時にのみ称賛というところまでもっていく(フェーディング)

私は、ついつい介入1のところ、めんどくさくなって、介入2だけでうまくやろうとしてしまうところがあるかも・・・

機能的アセスメントについては、これをできるだけコストをかけずにアセスメントできるようにすると。

1.聞き取り
2.行動観察
3.MAS(モチベーション・アセスメント・スケール)


MASというのを検索したら、「兵庫教育大」の「井上研究室」のサイトが出てきた!
(現在、井上雅彦先生は鳥取大学教授)


機能の種類

○注目獲得
○物や活動の獲得
○逃避
○感覚

で、MASの検査項目の中で

1.その行動は、生徒が長い間一人にされたら(例えば数時間何度も)繰り返して起こりそうですか。
5.その行動は、もし周りに誰もいなければ、同じ形で、とても長い間繰り返され
ますか?(例:体を前後に揺する)
9.生徒は、その行動をするのを楽しんでいるように見えますか?(感覚的、味
覚的、視覚的、嗅覚的、または聴覚的に)
13.その行動が起きているとき、生徒は周りで何があっても平気で、それに気づ
かないように見えますか?

が高ければ「感覚獲得」の可能性が高い、とかいうふうに使うと。

あと、「介入もアセスメントだ」というのは、ほんまやなあ、と思いました。
もっと言えば、「暮らしそのものがアセスメントだ」とも言えるかな。いわゆるインフォーマルなアセスメントですね。



「 放課後等デイサービス児童発達支援におけるPBSに基づく支援」
野口晃菜(貝ITALICO)

 職員、親御さん(お子さんも?)に対して「誰でもわかる言葉」を作ることの大切さを強調されていたのが印象に残りました。

 むつかしげな言葉で親御さんやスタッフを煙に巻くのではなく、「誰でもわかる言葉」で情報共有、共通理解していくのって大事だよなあ。

 あと、リタリコの児童発達支援や放課後等デイサービスでは、週1〜2回の通所が多いとか。つまり「預かり型」ではないと・・・。私の関わっているところも同じなのですが、これは私としては悩むというか、「福祉としてそれでええんやろか」と思う点ではあります。

 支援計画とかもかなりシステムを整えてやってはるな。

 あと、お子さんに「目標行動」があるように、スタッフにも「目標行動」があり、できることが増えるとお給料が上がるようなシステムになってるって。

 で、お子さんの QOL を大事にしてはるのだが、それを測定するのに、KINDL を使ってはる。

 私も、何を測定すればいいのかが、よくわからなかったので勉強してみよう。


こちらは本家本元の日本語版のあるページ。



あと、ペアトレにも力を入れておられる。

親御さんの困り感をみていくのに、使うもの。

1.SDQ
2.感覚運動尺度
3.スキル習得度
4.生活の困りアンケート(リスクスクリーニング)


「小学校におけるクラスワイドなポジティブ行動支援」
杉本任士(北海道教育大学教職大学院)

主として先日


で勉強した、

「Good Behavior Ticket (GBT) 手続きの実施」
「Positive Peer Reporting (PPR) 手続きの実施」

あたりのことを、小学校のクラスの子ども同士でやった実践、みたいなことになるのかな。

で、面白かったのは「こんなポジティブな行動があるな」とみんなで付箋紙に書いて、一覧表を作るのだけど、そこにはそれまでの担任の指導が如実に現れると。つまり日頃から担任がポジティブに接していればいっぱい出てくるし、そうでなければそうでないように・・・

 でも、オンライン研修って結構きついっす。
 大学で1日に何コマも受講すると疲れるだろうなあ・・・


posted by kingstone at 19:12| Comment(2) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Facebookから来ました。

放課後等デイの在り方、悩みますよね。
預り型で、なおかつきめ細やかな支援ができるのが理想ですが、そこまで実践できる環境やスタッフの質をあげられるか?というのは、これからの課題と思います。

でも、この実践ができると、子供の発達保障がかなり上がると思います。
本来、支援は本人の生活しやすさを叶えるためにあります。その毎日が保証されることで、安心して学び、育つ環境が整うと思います。

願わくば、その支援の歴史を成人した時の関係機関に引き継ぎ、ライフステージをつなぐことができる社会になってほしいです。

福祉に携わる者として、その社会の実現を目指して、私も頑張りたいと思います。

よい研修の報告をアップしてくださり、感謝します。ありがとうございました。
Posted by 中 麻美 at 2020年11月21日 20:26
中さん、初めまして。

>預り型で、なおかつきめ細やかな支援ができる
>のが理想ですが、そこまで実践できる環境や
>スタッフの質をあげられるか?というのは、
>これからの課題

まったくその通りですね。
そして預かり型で、お子さんたちが落ち着いて
穏やかに過ごせるためには、すごい専門性が
必要だと思っています。

そこを目指したいなあ、と思っています。
Posted by kingstone at 2020年11月21日 20:48
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