日本特殊教育学会第58回大会(2020 福岡大会)研究委員会企画シンポジウム
「特別支援教育からその先へ ー発達障害のある生徒の高大連携と情報共有ー」
企画者 竹田一則・岡崎慎司・佐々木銀河
「特別支援教育からその先へ ー発達障害のある生徒の高大連携と情報共有ー」
企画者 竹田一則・岡崎慎司・佐々木銀河
スケジュールが頭に入ってなくて、たまたまネットでお誘い頂き、ZOOM で参加しました。途中からでしたが、いろいろ知らないことが知れて面白かったです。
まずは企画案から
【企画趣旨】より
特別支援教育の枠組みにおいて、発達障害のある生徒の高校における通級指導が2018年度より開始されている。 |
そうか、もう3年目に入ってるんだ。
【話題提供者の趣旨】より
●高校の特別支援教育に関する山口県の取り組み
今年度から、すべての公立高校の教育過程に通級による指導を行うための自立活動を位置づけるなど、高校における特別支援教育の推進体制を整備している。加えて、県内7支部の高校7校を拠点校として位置づけ、専門性の高い教員を特別支援教育推進教員として配置し、自校の通級による指導を担当するとともに、巡回や要請に応じて地域の高校を訪問し、通級による指導や相談支援、職員研修、事例検討会等の充実等を図るなど、県教委と連携し、県内すべての高校における特別支援教育の充実に向けた取組を推進している。 |
すごいですね。
他都道府県ではどうなんだろう?
他都道府県ではどうなんだろう?
●普通科高校における特別支援教育の展開と進路支援
神奈川県の例です。神奈川ではこんな取り組みがされていると。
また教育局の中に
で、インクルーシブ教育実践推進校の校長先生が話題提供して下さったのですが、体制としては
・各クラス2人担任制(国基準以上に県独自採用で)
・進路(就労)指導については特別支援学校から進路担当経験者に赴任してもらう
・できるだけクラスで授業が受けられるようにしているものの、クラスから離れて指導できる場所も作っている
などの手立てをしている。そして変化としては
・1年目より3年目になって知的障害のある生徒がいることを当たり前と思える生徒の割合が増えた
・知的障害の生徒も就職(就労)希望よりも進学希望が増えてきている
・教師が教科を超えて1人の生徒について話し合う機会が増え、それが教師にもいい結果を及ぼしている
などのことが印象に残りました。
あと、その校長先生のことなのですが、始めてみて、初めてのことばかりで大変だろうな、と思っていたし、今年は新型コロナの件もあってどうなるのかな、みたいに思っていたけれど、年度始めに行うストレスチェックの数値が1年目よりも2年目、2年目より3年目と軽くなってきている、っていうのがなんかいいなと思いました。
もちろん N=1 でしか無い、とも言えますが、特別支援教育にまじめに取り組むとそうなるような気はするんですよね。
●大学における発達障害のある高校生の支援
筑波大学にはダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター(DACセンター)ってのがあるそうです。
そしてこんな動画もあります。
「発達障害学生支援について」
また自己理解のためにマイメモというのも利用されいるそう。
いろいろなことがやられているんだなあ、私は高校や大学についてはうといのですが、知らない間に進んでいる部分があるんだなあ、と思いました。
あと、話を聞いてて
「合理的配慮として、朝起きられないから起こしてくれ、みたいな話もあるが、それは大学のする合理的配慮では無いのでは」
というような話も出ていたのですが、そういうのって、ひょっとして高校以前の段階で計画相談を受けている方なら、その大学のある地域の相談支援専門員に引き継いで、福祉の枠でできることもあるんじゃないかな、と思いました。
もちろん、高校以前で計画相談を受けていなくても、大学(に限らず専門学校であろうとどこであろうと)に入ってから計画相談を受けてもいいだろし。
本当のところ「学校」だけが何でもかんでもやろうとするより、手助けしてくれそうなものは何でも利用したほうがいいだろうし。
(なお、どっかの大学では学生ボランティアに頼んでいるのだったかで、モーニングコールをしてあげてるような話を聞いたことはある。でもそれはしなくていい、という考え方の大学もあっていいと思うしね)