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2020年09月16日

「自閉症の行動要因の特定を志向した動画アノテーションシステムにおける教師の気づき獲得支援機能の検討」を読む(後編)



結局、テンプレートを使っての吹き出しへの入力では議論が深まらないということでテンプレートはやめはったのかな。

こんなテンプレートですが。

When
「いつやるねん?」
「いつまでやるねん?」
Where
「どこでやるん?」
「どこに行ったらええん?」
What
「何したらええん?」
「今から何があるん?」
Who
「誰がやるん?」
「誰とやるん?」
Why
「なんでやるん?」
「なんでやらへんの?」
Which
「どっちなん?」
How
「どうすればいいん?」

 しかし、これらは著者が「このあたりがご本人にわからないことが、トラブルの原因」と分析され取り出したもの。

 で、もちろん動画に書き込んでもらっても、議論が活発になったり、気づきが起こったりということがなかったわけです。

 う〜〜ん、被験者になった先生がたに、このあたりが大事なんだ、ということがわかっておられなかったし、ピンとこなかった?

 ひょっとしたら、座学で事前に「このあたりが大事です」ということをお伝えしておかなければならなかった?


 ま、いずれにしろ、著者はここから

「いいね」
「イライラ」

の2種類の感情アノテーションにしぼって被験者にやって頂く、という方法に変えられます。

 そして、複数のアノテーションがついたところについて議論をすると気づきが起こりやすかった、と。

・同じアノテーション
・違うアノテーション

 いずれの場合も、議論が活発になりやすかったと。

 今後の課題の「●気づき獲得」のところで著者はこう書いておられます。

・議論の内容については特別支援教育の既有知識に頼る部分が多いため、特別支援教育に関する既有知識を多く有している被験者にとっては、気づきを獲得することが困難であったことから、参加者の条件について今後検討する必要がある。
・メンバー構成によっては、明らかに誤った行動の分析をしてしまう可能性があることが示唆された。今後、行動要因分析の正確性について検討する必要がある。
・特別支援教育の知識を有していない被験者は、対象児の表情やしぐさ、あるいは障害種に固執してアノテーションを挿入している可能性があるため、不適応行動の前後関係や不適応行動が起こった際の周囲の様子についても注目できるような機能を準備する必要がある。

 1個目の「既有知識を多く有している被験者」にとっては自分がお子さんについて何か新しい気づきがなくてもいいんじゃないかな?「既有知識を多く有している被験者」なら、そうでない先生がたにいかに気づいて頂くか、いかにそうでない先生方のいい指導に結びつけていくかを考えて頂く役回りじゃないのかな。(注。「教える」とは限らない。ワークショップ式に「自ら気づいてもらう」チャンスを作るために敢えて「教えない」という場合だってある)

 2個目の「明らかに誤った行動の分析」・・・現実としてそうであることはよくわかります。

 現在、特別支援学校教師の80%以上が特別支援教育の免許を持っているそうです。2014年でも50%くらいはおられたのじゃないかな。そして複数の教師が集まって「明らかに誤った行動の分析」になってしまうということは・・・事前の座学の段階、また OJT の段階で間違ったことが行われているのじゃないか・・・

 3個目の「前後関係」「周囲の様子」これも基本中の基本だと思うのですが、その部分を「既有知識を多く有している被験者」が指摘してあげればすむことだと思うのですが・・・


 この論文の教訓としてどういうことが言えるだろう。

 私も新任スタッフの研修のために動画もよく使って来ました。
 でも経験の浅い方に「見せるだけ」では役に立たない、というあたりかな。
 見る時にどういう作業をして頂くのがいいのか。
 それはできるだけ簡単な方がいい。
 また、事前の座学には何が必要なのかな、というあたりか。


















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