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2020年02月28日

統合失調症 村井俊哉著




 初版、第一刷が2019年10月18日

 最新の知識を俯瞰するのにはいいのじゃないかしら。

「普通の病気」である。

 病気の始まりのピークは20歳台。
 自閉症スペクトラムは児童期から顕著、認知症は基本的には高齢者、そこで区別できる。(でも別の障害・疾患であるから併発することもあるよな)

 誰が病気になるかは、知的水準、才能の有無、しつけ、貧富、地域、すべてほとんど関係ない。

 統合失調症のリスク因子について。
 移民、都市居住はリスク因子として出てくるが、その相対リスクは2〜3倍であり、もともとの発症率が1%(0.7%?)だから、100人中1人が発症するか、2〜3人が発症するかというかの違いであり、99人が発症しないか、98〜97人が発症しないか、ということになり、ほとんど意味はない。

 原因というか、発症の機序は
(もともと「○○のウィルスにより発症する」みたいなことはないので、「原因」とは言い難いかな)

・ドーパミン仮説
・異常セイリエンス仮説(これもドーパミン仮説の一種になるか?)

 などがある。

 なお、昔は(自閉症スペクトラムの「冷蔵庫マザー」と同じように)「統合失調症を誘発する母親」仮説があった。
 現在は否定されている。

 で、著者はくどいほど「脳の普通の病気」であり「育て方」でなるものではない、ことを強調されていますが、いくつか面白いことも書いてはります。

 統合失調症がなぜ起こるかといえば、それは親のしつけのせいでもないし、本人の努力とか生活態度のせいでもないのですが、統合失調症の再燃に関しては、患者さん本人のこの病気との向き合い方、ご家族のかかわり方、そして医療者な ど支援者のかかわり方が、大きく影響するのです。イギリスで古くからおこなわれてきたエクスプレスト・エモーション研究という一連の研究があるのですが、その結果は次のようなものです。細かいことは気にせずに温かく大きく受けとめるような親であれば再燃率は低いけれども、些末なことで子どもの失敗を批判、攻撃し、感情的に過制に反応する家族のもとでは、再燃率はかなり高くなるのです (Bebbington et al. 1995) 。

 もちろん、家族だけではなく、支援者もだよね。
 これ大事だよな。
 で、統合失調症の方に限らず、支援職すべて、この「細かいことは気にせずに温かく大きく受けとめる」というのが大事なのかもな。

 そして徹底的に科学的であろうとされているけれど、ご本人の「物語」をご本人や近くにいる人が共に読み進め、読み解いていくことは、ご本人にとって大きな救いになるかもしれません、とも書かれています。

 おおいに納得です。

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