※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2019年12月15日

父が娘に語る経済の話 ヤニス・バルファキス著




TED での講義もあります。




○なぜアボリジニはイギリス人を侵略しなかったのか。
 (なぜイギリス人はアボリジニを侵略したのか)

これは

・アボリジニはオーストラリアでそれなりに安定して暮らしていた(侵略する動機なし)
・イギリスから食い詰めた、あるいは一攫千金をねらった人たちがやってきた(侵略する動機あり)
・イギリス人は、よりすぐれた武器(火力)を持っていた
・イギリス人は、それまでに機能的な組織を作る経験があった
・アボリジニはイギリス人が(意図せず)持ち込んだ菌やウィルスに耐性が無かった

ってことじゃないかな?
 あとこの場合だと、格差社会というのも関係するか。
 イギリス人は格差社会の中で生きていて、自分が生き延びるためには他人を引きずりおろすことが必要、侵略であっても農耕地(放牧地含む)を獲得することが必要、と思っていたのじゃないかな。


「値段のつくものは人の欲しがるもの。値段のつかないものや売り物でないものは価値が無い」
  ↓
 勘違い 例。献血。
       お金と交換だと、集まりにくくなる。


お金はなぜできた?

言葉(農耕での必要性)→余剰が生まれる

余剰を倉庫へ。ここでまた記録する文字、数量を表す文字が必要になる。
それに基づいて入庫した分を返してあげる。
メソポタミアでは「硬貨3枚分の穀物を受け取った」と記録された。
硬貨は交換して使うためではなく、あくまでも記録用。
しかし、そこにあるのは現在と同じく「信用」
それは現在の仮想通貨でも同じだし、貨幣はできた最初からある意味「仮想通貨」だった。


農奴が領主(地主)の囲い込み運動を経て流出し、労働者となった。
また土地を借りての起業家(小作人?)となった。

「怒りの葡萄」は大恐慌時代のことを書いており、数十万人が飢えている時に、ジャガイモが川に捨てられたり、オレンジに石油をかけて燃やす描写がある。
(読まないといけないな)


 銀行がお金を融資する時、別に「預金者が預けたお金」を融資するわけでなく、「どこからともなく魔法のようにパッと出す」・・・そして中央銀行も。

 また金融、利子を認めるか認めないかは宗教的な問題だった。プロテスタントを牽引したのは商人や起業家だったので、当然利子を認めた。(カトリックは「ベニスの商人」みたいな感じ?イスラムは公的には認めていない)

 金持ちは、国家の介入(規制)を煙たがりつつ、国家に救ってもらおうとする。

 予言の力。「ダメになる」という予言は当たるし、「よくなる」という予言も当たる、ってことでいいのかな?
 で、みんなが「ダメになる」と考えれば不況がやってくる。

 第二次世界大戦中のドイツの捕虜収容所。

 ユダヤ人やロシア人は殺された。
 アメリカ人、カナダ人、フランス人、イギリス人などはジュネーブ条約に基づいた権利が与えられた。
 そのアメリカ人などの捕虜収容所では物物交換からタバコが貨幣として利用されるようになった。

 なお、著者の父はギリシア内戦のおり、1946年から1949年まで政治犯として収容されていた。そこでタバコが通貨になったか著者が尋ねたところ、ならなかったと。そしてみんなやってきた物は分け与えようとした、と。

「すべてを民主化しろ」VS「すべてを商品化しろ」

AI が仕事を奪うという話については、昔から「機械が仕事を奪う」とか言われていたけれど、そう単純なものじゃないと。

そういうのを考える時の著者お勧めSF映画

ターミネーター
ブレードランナー
マトリックス

どれも観ていない。また観てみよう



posted by kingstone at 01:39| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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