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 あくまでも、私個人の意見です。

2019年07月02日

観光亡国論 アレックス・カー、清野由美著




観光亡国論 アレックス・カー、清野由美著

題名は「観光亡国論」ですが、中身は

「観光におけるマネージメントとコントロールの重要性」

を説くもの。
題名のインパクトで手にとる人を増やそうという編集者さんの思惑で作った題名かな。

アレックス・カーさんは、徳島県の祖谷で自分が住むために古民家再生をし、そこから観光客がやって来るようになり、という町(村?過疎地?)起こしの実践者として有名な方。

オーバーツーリズム(観光過剰)
ホストやゲスト、住民や旅行者が、その土地への訪問者を多すぎるように感じ、地域生活や観光体験の質が、看過できないほど悪化している状態
#overtourism

インバウンド 訪日外国人動向より
※クリックすると大きくなります
スクリーンショット 2019-07-02 18.00.18.png

バルセロナモデルとその崩壊

1992 バルセロナオリンピック
旧市街や観光名所の整備による「まちおこし」を本格化
DMO(Destination Management / Marketing Organization)
観光地域作りにおいて、戦略策定やマーケティング、マネージメントを一体的に行う組織体
を世界に先駆けて組織。
2010頃より
交通、ゴミ収集、安全管理などの公共サービスが打撃
土地代高騰
観光産業労働者の滞在する場所が無くなる(サービスの担い手不足)
「観光客は帰れ」というデモ
「観光が町を殺す」というチラシ

世界における中国人観光客
2005  3000万人
2016 13000万人
世界での観光消費額 1位(2位アメリカの2倍)
中国人のマナーの悪さが各国で言われているが・・・

1950〜60年代 醜いアメリカ人(アグリー・アメリカン)
 その後 アグリー・ジャーマン
     アグリー・ジャパニーズ

嘆いてもしかたがない。どうコントロールするか。
観光も変わるべき点(ティッピング・ポイント)に来ている。


宿泊について

京都では外国資本による「町の買い占め」がおこっている。
日本の資本でも安手のビジネスホテルを作る動きも。
カーさんは町家をリノベーションして一棟貸しするなどしているが・・・
投資ではなく投機としての動きになっている。

(確かに路線価も)
Airbnb(エアビーアンドビー)など民泊もひとつの解決策だが、投機としてやっている動きもある。
家主不在で「勝手にしてね」でコミュニティが空洞化したり。
またそのための不動産取得で地価高騰。
そこで民泊新法ができたが、全国一律はいろいろとまずい。
京都などで180日上限はいいかもだが、地方では毎日でも良かったのでは。


イタリア発祥の考え方(スローフードみたいやな)

アルベルゴ・ディフーゾ
(分散したホテル)


オーバーキャパシティーへの対応

総量規制と誘導対策

総量規制をしている観光地
・マチュピチュ
・タージマハル
・ガラパゴス諸島
・ドブロニク(アドリア海。1日4000人)
・サントリーニ島(ギリシャ。1日8000人)
・チンクエ・テッレ(イタリア。年間150万人)
  1日の訪問者が一定数に達すると道路閉鎖。

アムステルダムは総量規制と誘導対策

アムステルダムの総量規制
・民泊の営業日数上限年30日
・市の中心部では民泊全面禁止
・中心部ではホテルの新築禁止
・市内への観光バス乗り入れ禁止
・中心地では観光客目当ての出店規制

アムステルダムの誘導対策
・大型クルーズ船ターミナルを中央駅の近くから北方へ
・観光バスは幹線外側に駐車し徒歩や公共交通機関やタクシーで市内へ
・特典を付与したアプリを配布、動向をデータ化し、いつどこが混むかを分析。周辺の人気スポットや飲食店を紹介、推奨
・アムステルダムから30km圏内にあるビーチを「アムステルダム・ビーチ」と改称、市内の交通カードが使えるエリアに組み込む

富士山 富士山保全協力金(入山料)
しかし「任意」「1000円」で協力率は40〜60%
「義務化」し「値上げ」してもいいのでは。

(私も、昔は入山料とか入漁料(言わば川で遊ぶのに払うお金)とか取られるのは嫌だなあ、と思っていたけれど、排泄物の始末や、いろいろトラブった時の対応など、高く取られても仕方ないのじゃないかな、取るべきかもな、と思い出した)

(ところでこの章の扉写真には2017年1月5日に富士山山頂でご来光を眺める人たちとされる写真が載ってる。写っているだけで300人は居そうなのだけど、厳冬期の富士山にそれだけの人数が登れるものか?バリバリのアイスバーンですごく危険だと聞いていたし、風にしろ吹雪にしろ半端じゃないと思うのだけど)


竹田城跡
入場料 500円(これは安いのでは、という提案)
グランドキャニオンやヨセミテ 車1台3800円、ハイシーズンは7600円
(これはまあ規模が違うかな・・・でも1000円でもいいかな。で保全・改修、道路整備などに使うと)

美術館・博物館
日本は500円というところも多いが安すぎるのでは
ヨーロッパは10〜25ユーロ
(こないだの為替120円だと1200円〜3000円)

あと「予約制度」(桂離宮などは昔からやっている)


交通・公共工事

「名所」から外れたところに駐車場を作る。
そして歩いて商店街などを通ってくれるようにする。
(もちろん景観は守った上でバリアフリー化も必須だろうな)

メリット
・商売:町の活気が守られ商売繁盛
・生活:交通渋滞や排気ガスから町が守られる
・景観:美観が守られる
・文化:古い町や遺跡の持つ価値を損なわず、本来の文化的・歴史的環境を健全に維持できる

(考えてみると神戸の垂水駅北側周辺の商店街は、車で入れなくて、しかしどういうルールかはわからないけれど商店街の店への搬入、ゴミ収集車は入れて、あと時間帯でも規制が解除されてるのかな。なんかいい感じかもしれない)

 世界遺産石見銀山は「坑道だけでしょぼい」と言われることがあるが、実はやまあいに残る江戸期からの町並みに趣がある。そしてそこから坑道へ歩き歴史に思いをはせる。そこをアピールしていく必要があるのではないか。


公共工事も、経済が依存している以上「やめるわけにはいかない」が、電線の埋設、など景観保存のための公共工事に転換していくといいのでは。
また、例えば祖谷でも「屋根の吹き替えプロジェクト」に補助金を使っている。それでお客さんが呼べることにもなる。
また土木でも小さな工事なら地元の土建屋さんにお金が落ちる。大きいとゼネコンにしかお金はいかない。

(補助金、公共事業もそれだけで悪では無いよな。特に今、緊縮財政に反対するべき時、必要なものにお金を使う必要がある)


マナー

看板だけではあまり意味が無い。

でもって、外国人が不躾に写真を撮ろうと集まってきた時に日本人が「変態」な行為に及ぶって。触りに行くとか・・・

撮影禁止は今の時代に合わないのでは。(もちろん三脚立てたり、強いストロボなんてえのは使っちゃだめだろうけど)


文化

ユネスコの世界遺産については「ユネスコサイド」という言葉がある。
herbicide(ハービサイド。除草剤)
genocide(ジェノサイド。集団虐殺)

ユネスコサイドの進行順
1.世界遺産に登録される、あるいは登録運動が起こる
2.観光客が押し寄せて遺産をゆっくり味わえなくなる
3.周辺に店や宿泊施設が乱立して景観がだめになる
4.登録地の本来の価値が変質する

ゼロドルツアー
タダとかすごく安く旅行ができるっと宣伝し、来た客を強制的にショッピングさせ、地元にはほとんどお金が落ちない旅行
(これ、妻が喫茶店で、無料旅行が当たります、というので何か書いて「当たりました」と行って来たのが、まさにこういうバスツアーだった。買いたくもない土産物屋でえんえんと時間を過ごさされ、売り込みもすごかったと)

この場合は中国資本の旅行社が、中国人の旅行熱を利用し、自分たちだけが利益を上げられるようにしている。


ヴェネツィアでは大型クルーズ船による観光公害が問題となり計算してみたところ、寄港から得られる金額よりも、市がクルーズ船に与える公共サービスの方がはるかに大きいことがわかり2014年から厳しく規制するようになった。
大型クルーズ船がよくない、というのではなくゾーニングが必要。



posted by kingstone at 21:59| Comment(0) | コミュニティ作りなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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