追記
私、この本「行動問題を3ステップで解決するハンドブック」っと表紙を見て思い込んでいたのですが、間違っていたことにやっと気づきました。「3ステップで行動問題を解決するハンドブック」だったんですね・・・
このご本が、どんな人に向いているかというと・・・
今までいろいろ本を読んだり、講演を聞いたりしたけれど、いまひとつ頭の中が整理できておらず、実践することがなかなかな難しかった人(つまり私(笑)のような人)ではないかなあ。
すごく平易な言葉と、ABA(応用行動分析)の専門用語(私が言うところの「むつかしげな言葉」)を橋渡ししてくださる本だと思います。
また大久保先生は、先日 Twitter で大意
「ABAは本人を変えるように見えて、実は支援者が変わるもの」
と述べておられましたが、それもこのご本によく反映されていました。
いくつかメモ
まずコミュニケーションの重視。
そして「やる気」。
「やる気」にさせるのも、「やる気」をなくすのも、行動した「後」次第。
しかし「やる気」には実体がない。また「(本人の)内側」にある問題は直接的にアプローチするのは不可能。なので、問題解決のためには、「外側」にある人・物・できごとにも目を向け、さらにその中で、「変えられそうなところ」を見つけ出すこと。
第2章は「問題となる行動を解決する3ステップ」
その中の
(3)実行可能性を左右するポイント
@教師の「時間」
A「場所」や「設備」
B「費用」
C教師の「態度」や「信念」
A「場所」や「設備」
B「費用」
C教師の「態度」や「信念」
(これは実行できない例として書かれているのですが、
「この子は何をしても無駄」
「子どもは甘やかさず厳しく育てるべき」
「ごほうびでつるのはよくない」
など。で、それに対抗するには、ということも書かれています)
「この子は何をしても無駄」
「子どもは甘やかさず厳しく育てるべき」
「ごほうびでつるのはよくない」
など。で、それに対抗するには、ということも書かれています)
D教師の「経験」や「スキル」
引用します。
「例えば、前述したシェイピング、課題分析とチェイニング、プロンプトとフェイディング、あるいは問題となる行動を強化せずに代替行動を促し強化する対応などを適切に実行するためには、文書や口頭でやり方を伝えるだけではおそらく不十分です。そのため、教師も系統的で反復的なスキルトレーニングを受けることが必要です」
「例えば、前述したシェイピング、課題分析とチェイニング、プロンプトとフェイディング、あるいは問題となる行動を強化せずに代替行動を促し強化する対応などを適切に実行するためには、文書や口頭でやり方を伝えるだけではおそらく不十分です。そのため、教師も系統的で反復的なスキルトレーニングを受けることが必要です」
これは私が常に「教師にはわかっている人からのOJTが必要」と言っているのはこのあたりになります。
(もちろん大久保先生はもう少し集中的なトレーニングや、月に1回定期的になどを想定しておられるのだと思います)
でも、文書だけ、口頭だけになりやすいですよね・・・
なお、この本は、そういうOJTをさせる立場(ベテラン)の人が頭の中を整理するためにもとてもいいと思いました。
第3章は「行動支援の成果を広げて定着させる」というもの。
個人の工夫した支援にとどまらず、周囲の人とチームを組んで取り組んでいくための、支援計画の立て方などに紙数を割いておられます。
なお、大久保先生は、強度行動障害の方のおられる事業所での研修指導などもやっておられます。しかしこの本の場合はどちらかというと「通常学級にいるお子さん」中心に書かれているかな。
例えば、P30に「プロンプトの種類と「強さ」の階層性」に示されたプロンプトは「弱い」とされるものも全部「音声言語」と一緒に使われています。私がおつきあいしている方たちだと、一度は「音声言語」の使用はやめてみることが必要な方もよくおられます。
でも、それだと多くの読者に想像がつかなくなってしまうか・・・
ここから個人的宣伝。
ご本の中にも、チームで仕事をする時のチェックリストに言及した部分がありましたが、「個別」ではないですが「一般的」なチェックリストを私は作ってみました。
チェックリストも解説書も無料でダウンロードできます。
(チェックリストも解説書もバージョンアップさせないと、と思っているのですがなかなかできません・・・)
(チェックリストも解説書もバージョンアップさせないと、と思っているのですがなかなかできません・・・)