映画「殿、利息でござる!」の元になった話です。
穀田屋十三郎は、仙台藩の吉岡宿という宿場町の商人。
(現在の宮城県大和町)
年々町がさびれていくこと、それが藩の「伝馬役」(人や馬を出す一種の税)という義務によるものであること、などからなんとかしたいという思いにつき動かされ、行動した人。
しかし、江戸時代は「上」に対して何人かでお願いするということ自体がタブー視されていた時代であり、それは死をも覚悟したものだった。
同じ宿場で茶を作っていた機知に富む菅原屋篤平治の「藩に千両の金を貸し、その利息を宿場全体で毎年いただけるようにしよう」というアイデアを実現してしまう。
なるほど、商売ではなく、金融で勝負した、ってことやな。
また「年金制度」「福祉制度」とも言える。
しかし、その資金を捻出するために、主立った出資者はまる裸に近い状態になった。
その中でも十三郎の本家の浅野屋甚内が一番多く出資し、身代がつぶれるほどの状態になった。もとよりそれは覚悟の上であったけれども。
浅野屋は造り酒屋と質屋をしていた。その身代がつぶれるような状態で、まるで周囲からはやけくそに見えるように、「極窮人(借金で田畑を失い、飢寒の中で着物までも質草にしなくてはならなくなった貧乏人。質屋としては相手にしてはいけないと考えられていた)」にまで金を貸し続けた。
すると「どうせ質屋に金を借りにいくなら、浅野屋さんで」ということになり、筋の良い客が集まって来て繁盛するようになった。
また仙台藩主が訪問して「霜夜」「寒月」「春風」と酒の銘をさずけ、それを売り出し大繁盛と・・・
なんかおとぎ話みたいだなあ・・・
今も「霜夜」は売られてますね。
下記にあらすじがあります。
こういう所にも「聖地巡礼」に行きたいなあ・・・