※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2017年12月21日

穀田屋十三郎(無私の日本人 磯田道史著より)



 映画「殿、利息でござる!」の元になった話です。


 穀田屋十三郎は、仙台藩の吉岡宿という宿場町の商人。
 (現在の宮城県大和町)

 年々町がさびれていくこと、それが藩の「伝馬役」(人や馬を出す一種の税)という義務によるものであること、などからなんとかしたいという思いにつき動かされ、行動した人。

 しかし、江戸時代は「上」に対して何人かでお願いするということ自体がタブー視されていた時代であり、それは死をも覚悟したものだった。

 同じ宿場で茶を作っていた機知に富む菅原屋篤平治の「藩に千両の金を貸し、その利息を宿場全体で毎年いただけるようにしよう」というアイデアを実現してしまう。

 なるほど、商売ではなく、金融で勝負した、ってことやな。

 また「年金制度」「福祉制度」とも言える。

 しかし、その資金を捻出するために、主立った出資者はまる裸に近い状態になった。
 その中でも十三郎の本家の浅野屋甚内が一番多く出資し、身代がつぶれるほどの状態になった。もとよりそれは覚悟の上であったけれども。

 浅野屋は造り酒屋と質屋をしていた。その身代がつぶれるような状態で、まるで周囲からはやけくそに見えるように、「極窮人(借金で田畑を失い、飢寒の中で着物までも質草にしなくてはならなくなった貧乏人。質屋としては相手にしてはいけないと考えられていた)」にまで金を貸し続けた。

 すると「どうせ質屋に金を借りにいくなら、浅野屋さんで」ということになり、筋の良い客が集まって来て繁盛するようになった。

 また仙台藩主が訪問して「霜夜」「寒月」「春風」と酒の銘をさずけ、それを売り出し大繁盛と・・・

 なんかおとぎ話みたいだなあ・・・

 今も「霜夜」は売られてますね。





 下記にあらすじがあります。



 こういう所にも「聖地巡礼」に行きたいなあ・・・



posted by kingstone at 23:06| Comment(0) | お金・暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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