労働者階級の反乱 ブレディみかこ著
地べたから見た英国EU離脱
第III部 イギリスの労働者階級の100年
オックスフォードのセリーナ・トッドの
「ザ・ピープル イギリス労働者階級の盛衰」から、とのこと。
とりあえず、第二次大戦の終わりまで。
1910年(明治43年) 時代の転換点。「イギリス労働者階級出現」(ガーディアン紙)
1月 労働党28議席から40議席へ
5月 エドワード7世死去
ブラックカントリー(工場の煤で町が真っ黒だったから)のクラドリー・ヒースで、鎖工場の女性労働者たちが1日10時間(!)労働規制を求めてスト。労働側勝利。
11月 南ウェールズで炭鉱労働者スト。軍隊出動。
サフラジェットが国会議事堂で警官と衝突。
しかし、サフラジェットの指導者、エメリン・パンクハーストと、鉄の女、マーガレット・サッチャーと、どっちもメリル・ストリープがやってるんだ・・・
保守系のタイムズ紙
「民主主義の行き詰まり」
保守系の論調
「英国の繁栄は貴族階級の知性と分別によるものであり、ものを知らない労働者階級に選挙権が与えられていなかったから、他国より成功してきたのだ」
100年後、EU離脱が決まってから
「無知な庶民に投票権を与えるな」
というのと相似
1911年(明治44年) 自由党政権が国民保険施行
肉体労働者と年収160ポンド未満の者に、疾病と失業の保険を提供。
この中には「召使い(つまり執事やメイド)も含まれていた。
1911〜1914には「召使い問題」が新聞を賑わせていた。
考えたら召使いってプライベートのない超ブラック労働なんだな。
1914年 第一次大戦勃発。
これにより召使いがいなくなり、軍需工場労働者となった。
良い賃金を得られた。
1918年 第一次大戦終了。失業者があふれる。
1919年 暴動が起こる。
1917年にはロシア革命があったし、1918年にはドイツ革命があったし、上流・中流階級は労働者を恐れていた。
1920年代 メイドたちの反逆。フラッパー
追記
あれ?と思って調べたら、日本のモダンボーイ、モダンガールもこのフラッパーと同じ頃だ。
大正から昭和初期。背景として「大正デモクラシー」とか「大正自由教育運動」とかも起こったし。
これは日本も第一次世界大戦で好況になったし、それを背景として同じような現象が起こったのだろうか?
それとも、「情報」の流通で?
1926年 ゼネラルストライキ。9日間で労働側敗北。
1929年 ウォール街の株暴落
英国も失業率上昇
1930年代にかけて「家計収入調査」の強化の時代。(失業保険をできるだけ出さないようにするため)
って、これ、昨日日本でされたことと同じちゃう?
「現在の生活保護受給額」と「一般低所得世帯の生活費」を調査して比べて「下げろ」と言ってるのだから。
こういう時代にあって、ドイツやイタリアはファシズムに流れていったが、英国がそうならなかったのは、労働組合が一定の強さを持っており、ドイツの失業者より年齢層が高かったから、という説。
イギリスのナチ支持者は富裕層だった、と。
1942年 ヘヴァリッジ報告書(ゆりかごから墓場まで)
1945年 にかけて労働者の地位向上。(戦争になると軍需が強まる)
子どもたちの疎開計画に携わった人たちが、戦後の教育改革と社会改革に寄与した。
1926年には「国家の悪魔」と呼ばれ、1930年代は「国家の寄生虫」と呼ばれていたのが、この頃は「ピープル」と呼びかけられるようになった。
1945年 ウィンストン・チャーチルの保守党が大敗北
クレメント・アトリーをはじめとする労働党政権
1948年から1970年代の始めまで失業者数が労働者人口の2%を下回る時代が続いた
アナイリン・ベヴァンの公営住宅
また図書館、博物館、体育館、学校など総合的な街のデザインを視野に置いていた
(しかしそのためなかなか量ができなかった)
またペヴァンはNHS(国民保健サービス)を作った