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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2016年01月01日

阿部彩 (「調べる」論 木村俊介著より)





「調べる」論 木村俊介著

阿部彩

リンクを貼った「貧困統計ホームページ」のプロフィールより

マサチューセッツ工科大学卒。
タフツ大学フレッチャー外交法律大学院修士・博士号取得。
国際連合
海外経済協力基金
1999年より国立社会保障・人口問題研究所に勤務。
2010年より社会保障応用分析部長。
2015年4月より首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学

専門は、貧困、社会的排除、社会保障、生活保護。
社会保障審議会生活保護基準部会委員(2011~)
男女共同参画会議環境・影響評価委員会(2009~2011)など。

著書
『子どもの貧困ー日本の不公平を考える』(岩波新書、2008年)


『弱者の居場所がない社会』(講談社現代新書、2011年)


『子どもの貧困U−解決策を考える』(岩波新書、2014年)


『生活保護の経済分析』(共著、東京大学出版会、2008年)にて日経経済図書文化賞受賞。



 高校時代から父の仕事の都合でアメリカに行き、MITでエンジニアリングを学ぶ。
 ソフトエンジニアとして働いていたが、
「ゆくゆくは日本人として世界のためになる仕事をしたい」
と思い、また

「特に個人的に差別を受けたとか、そういうことはなかったんです。ただ、アメリカはいろんな人種の「るつぽ」として聞かれた国ではあるけれど、それぞれのコミュニティどうしは交わることがあまりなく、また基本的には生きていく上で、個人主義的な考え方がしみついている。何かこう、私にとっては、老後を過ごしたくない国といった印象がありました。」


と思いはったのね。

 なるほどね、「それぞれのコミュニティどうしは交わることがあまりない」か・・・

 タフツ大学フレッチャースクールで国際関係学を学びはった。

 で、海外経済協力基金(要するにJICAで、ODAをするわけやな)に勤めていた時やっていたのは

「日本のODAプロジェクトによる現地の社会や環境に対する影響をチェックする仕事」

「援助にかかわらず大きな開発プロジェクトは、社会的な影響を冷静に考慮する必要があります。いくら開発が必要だからと言っても、ある地域に新しく大きな建物を建てたことで、従来から建設地にいた居住者たちを路頭に迷わせてはならない。
 彼らが住んでいた場所を機械的にどこかに移すだけでは、生計が成り立ちませんから、彼らが何がしかの生計を立てる手段を考える。彼らへの経済的な援助も含めて進めていくのが、途上国へのODAによる援助なのです」


 ところが日本に戻って来た時に阿部さんが見たものは、新宿駅の地下に動く歩道を作るためにそこに居たホームレスさんたちを排除する様子。今までの阿部さんの仕事のま逆のことを「日本」がやっている。

 それで日本の貧困について調べ始めたのだが、当時、日本政府の社会政策には「貧困」も「ホームレス」という単語も載っていなかった。

「そのような、貧困を「ないこと」にしたい人たちと闘う上で、私かやりたかったことは何か。わかりやすいかたちで、一般市民の方々に問題を提示することです。そのために、数字や表、グラフなどによる国内の貧困に関する客観的なデータを作り続けました。
 当時も、たとえば新聞記者による貧困のレポートなどは世に出てはいました。あるいは福祉関係者による報告がテレビ番組に流れることもあった。ルポやドキュメンタリーなどでよくある、後姿の写真で「Aさん」が出てくるといった個別の紹介です。
 もちろん、そうした具体的なストーリーを集めることも重要なのですが、社会的に無視できない規模で起きている現実を伝えるには、それだけでは説得力がないんですね。一つずつの事例は非常にかわいそうなものであるとしても、それだけでは、稀なケースなのか、一般的な出来事なのかがわからない。
 だから、私は自分にやれることとしてデータを作ることにしたんです。たいていの先進国でも、統計局か何か国の公式なデータとして貧困統計があるものですが、日本は一九六〇年代以降から、公的な貧困率も発表されていなかった。相対的貧困率というのが公表されるようになったのも、民主党政権になってからですので、つい最近なんです。
 で、私は個別のストーリーを調べるというよりは、エンジニア出身なので、ある程度は数字を扱えるという特徴を活かし、とにかく計算して表やデータにまとめ続けた。
 まだ、統計がなかったのにどうやったか? すでに公表されている人口や収入などの国内統計をもとにすれば、そのうちで貧困と言える人がどのぐらいなのかといったデータは誰でも計算できるんです。誰も作ろうとしていなかったから、やりはじめたというだけです」


 なるほど。
 エピソードでなく、統計で語る、ってやつね。

「私は政府系の研究所(国立社会保障・人口問題研究所に所属)で仕事をしているので、ある観点からは、政府側にいる人とも言えるわけです。研究の傍らでは政府に提言も行っていますが、それは特別なことでも何でもないんですよ。政府側にいない人こそができることがかなりあるというのも痛感してきました。正直な実感で言うなら、私の研究なり提言なりで政府を変えようとするのよりも、世論に大きな動きが巻き起こった時のほうが状況はサッと動く」

医療とお金(21)国保料などを滞納したらどうなる、どうする(yomiDr.)

 こちらの記事の下の方に書かれている「健康保険証を取り上げられた子どもたち」の問題は、1つの新聞が詳細に報道したことで、大きな動きができ、その年のうちに法律が改正された。

 
posted by kingstone at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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