※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2015年09月01日

9月1日(火曜日) 村(三好達治「測量船」より)





 おはようございます。
 雨が降ってる音がします。



                  三好達治
 恐怖に澄んだ、その眼をぱつちりと見ひらいたまま、もう鹿は死んでゐた。無口な、理窟ぽい青年のやうな顔をして、木挽小屋の軒で、夕暮の糠雨に霑(ぬ)れてゐた。(その鹿を犬が噛み殺したのだ。)藍を含むだ淡墨いろの毛なみの、大腿骨のあたりの傷が、椿の花よりも紅い。ステッキのやうな脚をのばして、尻のあたりのぽつと白い毛が水を含むで、はぢらつてゐた。
 どこからか、葱の香りがひとすぢ流れてゐた。
 三椏(みつまた)の花が咲き、小屋の水車が大きく廻つてゐた。


 これは「8月30日(日曜日) 村(三好達治「測量船」より)」
 「村」をうけてますね。
 8月30日に紹介した詩の段階では鹿は生きていたみたいだけど、
 この9月1日紹介の詩で死んじゃってますね。
 本当に「村」の日常だろうけどね。
 都会の人間からするとちょっと怖い・・・
posted by kingstone at 03:41| Comment(0) | TrackBack(0) | よしなしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック