※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2014年04月29日

「弱くても勝てます」読書メモ



「「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー」めちゃ面白かった。
テレビドラマの方は視聴率が急落してるそうですが・・・

某生徒「(もともと守備が苦手でピッチャー)ピッチャーだけは受け身じゃないんです」
筆者 「ピッチャーに向いていたんですね」
某生徒「向いてはいないと思います。僕には向いているポジションがないんです。
    向き不向きで考えたら、僕には居場所がありません」


そやなあ・・・向き不向きじゃなく、自分が「やりたい」か「やりたくないか」が大事やろな。だいたい向き不向きって誰が決める??

某生徒「大事なのは、反省しないってことだと思うんです。
    反省してもしなくても、僕たちはエラーは出るんです。
    反省したりエラーしちゃいけないなんて思うと、かえって
    エラーする。エラーしてもいい。エラーしても打ちゃいいや
    と思うとエラーしない。
    といってもエラーしますけどね。下手だから」


某生徒「(ものすごくきっちり計画を立てて進める)僕は国語が苦手なんです。
    他の教科は答えを導くまでの確固たるプロセスがあるじゃないですか。
    でも国語にはない。答えを出したって模範解答と同じにはならないし」
筆者 「それって野球に似てない?」
某生徒「そ、そうかもしれません」

 私は糸口を発見したような気がした。「コツ」や「イメージ」というのはつまるところ言葉だし、バッティングもバットを球に当てる物理現象ではあるが、ヒットになる確率は3割なので、青木監督が言うように「とりあえず適当なタイミングで振ってみる」ことが大事。
 確固たるプロセスを飛び越えるこの「とりあえず」、あるいは「さしあたり」という言葉のニュアンスが彼らには欠けているのではないだろうか。


青木監督「チームに貢献するなんていうのは人間の本能じゃないと思います。
     思い切り振って球を遠くに飛ばす。それが一番楽しいはずなんです。
     生徒たちはグラウンドで本能的に大胆やっていいのに、それを押し
     殺しているのを見ると、僕は本能的に我慢できない。」
    「たとえミスしてもワーッと元気よくやっていれば、怒れませんよ。
     のびやかに自由に暴れまくってほしい。
     野球は『俺が俺が』でいいんです」

 例えば「僕は打つ」は僕の中の「打つ僕」が打つような。しかし「僕が打つ」なら、人を押しのけるようで、「僕」は僕の外に働きかける。働きかけることで「僕」というものの輪郭が現れ、そこで初めて物事に対峙できる。思い切り球を叩く、というのも「僕が」でなければできないのだ。


 試合の応援に来たOBとのやりとり。ちなみにこのOBの頃は守備が下手なのに、守備を固めて僅差で勝とうという野球を目指していて、1勝もできなかった。だから青木監督の「守備はいいから、ドサクサにまぎれて大量点で勝つ」という方針は正しい、との意見を持ってはる。

筆者「甲子園へ行けますか?」
OB 「可能性は高い」
筆者「どれくらい高いんでしょうか?」
OB 「東大が六大学で優勝するより、開成が甲子園に出るほうが先になる可能性が高い」


開成の夏の東東京予選戦績。
平成17年(2005年)。ベスト16(5回戦)国士舘に敗れる。
平成24年(2012年)。ベスト32(4回戦)日大一高に敗れる。


後書きの桑田真澄解説インタビューより。

 エラーしてもいいんです。エラーを容認するのが野球です。それが証拠に、どんな野球場のスコアボードにも「E」という表示があるじゃないですか。エラーは必ずする。大事なのはどうしたらエラーを少なくすることができるかを、自分で考えることです。

 常識を疑うというのが僕の信条であり、野球に対する考え方です。足のあげ方、グローブの持ち方、バットの振り方など自分なりのやり方を考え「仮説と検証」を繰り返しました。
(通説と自分が身につけた動きが違う例を投球・バッティングで挙げたのち)
 野球には3つのことが大切です。言葉・感覚・実際の動き。それぞれにギャップがあることを知っておくことが大事なのだと思います。

 そやなあ・・・これは、ほんま特別支援教育について担当する方にあれこれ伝える時も痛感するわ。言葉と実際にやってることのギャップ、そして自分でやる時の内面の感覚のギャップ。全部あるよなあ。
posted by kingstone at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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