「ナジャのバックアップとっておいたか?」
「いや、ザックにさしておいただけです」
「わるい。落ちちゃった」
一瞬間があってから松田は
「荷物が軽くなりました」
と無理して言った。
「滝ノ谷」
三つの初登攀
2002年3月16日〜2002年3月26日
ナジャというのはシモン ・ナジャカービングピッケル。24000円。
つまり・・・困難な雪壁・氷壁を登るのに、まずザックを置いておいて空身で登攀するわけなのだけど、そのあと、ロープでザックを上げようとして、登攀に一番大事と言ってもいいピッケルを落としてしまった、と・・・
この回ではこれだけでなく、いろんな物をロープで確保しながら登らなければならないのに、知らない間に落ちてしまったりしてはります。それはすぐに命を失うことにつながりかねない・・・
いやはや、ほんまようやりはるわ・・・
で、これだけ百戦錬磨の人たちでも、余裕が無くなっていっぱいミスをしはんねんなあ。
>ピッケルはひもでベルトなりなんなりにつないであるのが
>山岳兵の場合は普通です
たぶん、岩壁を登る場合でも、雪や氷の壁を登る場合でもそれが普通だと思います。
そうでなきゃ、いつ落としてしまうかわかりませんもんね。
このエッセイの中で「松田さん」は結構いろいろ(命に関わる)ちょんぼをしてはります・・・