「乱れる」
高峰秀子・加山雄三 主演
1964年東宝
1964年だから昭和39年作品。でも時代は、「結婚してから18年」ということだし、結婚半年で夫は死亡しているから、昭和38年か。
地方都市(静岡の近所?)の商店街。高峰秀子は戦争未亡人。19歳の時に嫁いで来て、18年間と言うのだから37歳という設定。夫の実家の酒屋を大きくして来た。ところが近所にスーパーが進出して来て商店街の店がどことも立ちゆかなくなって来ている。卵屋さんでは11円の卵が5円で売られていたり。で、後で卵屋さんは自殺する。そんな時代。なお、スーパーの大売出しの宣伝をするトラックは、船木一夫の「高校3年生」(1963年6月リリース)を流しながら走っている。
途中喫茶店のシーンで「トースト30円」「クリームソーダ80円」という値段表が貼ってある。
高峰秀子に家を出て行ってもらいたいために(?)見合いを勧める時、「中学生の子がいてお給料が7万円」とか言ってたな。これはそこそこ高給だったような話しぶりでした。
加山雄三が戦死した夫の弟で、高峰秀子が嫁いで来た時に7歳だから、今25歳という設定。大学を出てすぐ仕事をやめてブラブラしている。時々酒屋を手伝ってましたが、お酒の仕入れから帰って来る時、リヤカーに一斗樽を6個くらい積んでました。1963年とかでそういう仕入れ方法だったんだろうか??
で、酒屋をスーパーにするかどうか、高峰秀子はどうするのか、また12歳差の弟とどういう関係になるか、とかいろいろあるわなあ。
しかし戦争未亡人と夫の弟が結婚するという例はたくさんあったろうな。
それから浦辺久米子が出ているのだけど、みんな若くてびっくりするような感じで出てるかなあ、と思ってたら浦辺久米子の場合はやっぱりおばあさんだった・・・でWikipediaでは「旅館のおかみ」という役になってるけど、温泉町の飲み屋(食堂?)のおかみってのが本当じゃないかな。
しかし・・・ラストはなんか「えええっ!!」って感じでした・・・こう終わるか・・・
商店街はなぜ滅びるのか 新雅史著
もずらいとさんがつけて下さったコメントから
>昭和初期までなら子どもは幼児期にかなり亡くなったため
「乱れる」の中でも近所の人が出産し死産、そして私はよく聞き取れなかったのですが、お母さんも亡くなったのじゃなかったかな?そんなシーンがありました。ごく普通のことだったんでしょうね。
(あれ??あのシーンは「妻として女として」の方だったかな・・・(^_^;) なんせ2本立てで見てるのであいまい)
>1960年代の普通の40歳の人はかなり老けていました
昨日、高校時代の友人と飲みました。
みんな私と同じ年。みんなめちゃめちゃ顔も服装も若いです。
しかし考えてみると、(昨日集まった中には学校関係者は一人もいませんが)校長室なんかに掲げてある歴代校長の写真とか見たら、みんな「お爺さん」「おばあさん」だもんね・・・まあこれは「立場がそういう雰囲気を出させている」面もあるとは思います。
でも寿命が延びて、全体に若い感じになってきている、ということもあるかな。
ロケ地の情報がありました。
ラストのシーンの温泉は銀山温泉というところだって。
「山は白銀? いでゆは銀山」加山雄三
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ごく普通でしたし,今だって他国では普通の話です。北欧は医者の都合(医療が無料な分,出産日もスケジュールが決められている)と自然分娩の危険を回避するためたいてい帝王切開だそうです。初産年齢が30代半ば以降も珍しくないのに,ほとんど妊婦が死なないというのは奇蹟です。1960年代は日本も「普通の国」だつたわけです。
>寿命が延びて、全体に若い感じになってきている
むしろ,昔は大人になるのが早かったのだと思います。山口百恵は引退時21歳でした。でも,今37歳の米倉涼子より大人びています。ウルトラマンのムラマツ・キャップを演じた当時,小林昭二さんは36歳でした。今だったら「中堅役もしくはコメディ・リリーフの若造役」の年齢です。同じくウルトラセブンのキリヤマ隊長役の中山昭二さんも当時の年齢は40歳です。
これは強く思います。