「海軍に入るより海賊になろう」
これは「ONE PIECE」の言葉ではなく、1983年1月に行われたマッキントッシュチームのための研修会でジョブズが言った言葉。
よくわかる。そして、しかし、そのたいへんさも。
海軍(公)ってものは動きにくいんよね。また変化しにくい。だから海賊(私・民間)で素早く動いた方がいいものがたくさんある。
だが、もともと「公」ってやつは、そう簡単に動いたり、変化したりしたら、それはそれで困るような気もする。だからこそ「私」を活用して下さったらいいんだけど。
でまた「海賊になろう」と言ったって、一時は羽振りが良くても、結局は「海軍」に滅ぼされることが多いような・・・ゲリラとかパルチザンとかも、たいていは正規軍にやられちゃったろうし・・・
でもイギリスでは海賊で、海軍総督になった人がいたっけ?今、WikiPedia見たらキャプテンドレーク(フランシス・ドレーク)だな。
またこのジョブズの言葉の場合、海軍ってのはIBMとかのことかな?もちろんIBMだって民間企業だけどな。
映画「仁義なき戦い」でも、たぶん出てきた警察官や刑事さん(公)は、そこそこいい暮らし(老後)を送られただろうけど、暴力団(私)は梅宮辰夫にしろ、松方弘樹にしろ、一時は羽振りが良くてもどんどん殺されたわけだもんなあ・・・
いや、しかし・・・
違います。この時期、ジョブズは社内左遷されていて主力事業に手を出せなかったのです。で、泡沫事業だった「Macintosh」プロジェクトを実行支配したときに言った言葉とされています。
ただし、ジョブズはこのとき若かったので勘違いをしています。「海賊」は通常の戦法をとらないので「奇襲で一勝」ならあげる可能性はありますが「連戦連勝」は不可能です。彼は「海賊」で連勝を目指して、結果的にアップルから追放されるのです。
> 海軍(公)ってものは動きにくいんよね。また変化しにくい。だから海賊(私・民間)で素早く動いた方がいいものがたくさんある。
これも間違いです。トップの力量次第です。真珠湾攻撃の山本五十六、彼が参謀として起用した黒島亀人大佐の作戦は作戦と言うより博打でした。海賊だってある程度になると保守的になります。「損害保険」の発祥は海賊ですよ。
|奇襲で一勝
そうそう。そうなんよね。
連勝というか、継続は非常に難しい・・・
|「損害保険」の発祥は海賊
今探してみたら、これくらいしか無い
http://www.j-sa.net/history/index.html
ここに書いてあるあたりだと「海賊」なのか「まっとうな商人」なのか、グレーっちゅうかほとんど変わらないもんだったんでしょうね。
ちょっと間違えましたね。「傷害保険」です。戦闘で片目とか片手が無くなると保険金が出る制度を作っていたのです。
いずれにしても「海賊」は「正規軍」に対して連勝することは無理です。海賊は良くも悪くも「自由闊達」ですが、正規軍は「統率が取れている」のです。これは職人芸的な技量による日本海軍航空隊が、統率が取れ完全交替制で休養を十分とった米国陸海軍航空隊に負けたのと通じます。個々の技量は日本軍の方が高かったのですが、連日勤務で昼も夜も迎撃している「プロ」より、休養を十分とり、組織力に長けた「セミプロ」の方が勝ったのです。実際、米国にならって休養を強制的に課した部隊は強いままでした。