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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2012年03月22日

手話・手話教育の歴史の簡単なおさらい 全日本ろうあ連盟の冊子から

 みやびさんから

「みんなでつくる手話言語法」
財団法人全日本ろうあ連盟発行
本部事務所 162-0801 東京都新宿区山吹町130 SKビル8階
TEL 03-3268-8847
FAX 03-3267-3445
2011年10月発行
価格500円(税込)

を頂きました。

みんなで作る手話言語法.jpg

 ここに書かれていることの中で簡単に手話教育関連の所を引用します。すごく勉強になりました。

世界では130年前に手話が否定された
 1880年、イタリアのミラノで開催された第2回聾教育国際会議(ミラノ会議)で口話法の優秀性が認められ、ろう教育で採用することを決定しました。これ以後、ろう教育の現場では手話が見られなくなります。


日本でも手話が禁止に
 日本のろう教育では、1878年に日本で初めてのろう学校「京都盲唖院」を開設した古河太四郎が、ろう児たちが自然に交わす身振りのコミュニケーションに着目、手の動きを体系的に整理した「手勢法」を考案して、それによる教育か行われていました。
 しかしアメリカから口話法が伝えられ、1925年には「日本勢日活普及会」が発足して文部省(当時)も口話法の普及に力を入れたために、海外同様、日本のろう学校でも手話が禁止されていきました。



 なるほどなあ。
「最先端」を学んだ人たちが理想に燃えて手話を禁止する、というのが外国でも日本でもあったわけや。
 いろいろ考えさせられる。
 で、上のいろんなことを決めた団体は「当事者団体」ではなく親御さんや教育者の人たちの団体や会議。みんな「良かれと思って」やったんだよね。

手話の重要性の確認と手話教育の保障が世界で認められる(サラマンカ宣言)
 1994年、スペインのサラマンカで「特別ニーズ教育世界会議」が開かれ、「インクルーシブな方向を持つ学校(※)こそが、ノーマライゼーション社会実現の土台になる」などの「サラマンカ宣言」か出されましたが、これに対して世界ろう連盟は異議申し立てを行い、「ろう者のあいだに交わされるコミュニケーション方法としての手話の大切さは認知されなければならず、すべてのろう者が自国の手話で教育を受けられるようにすべきである」と主張しました。それが認められ、同宣言の「特別なニーズ教育に関する行動の枠組み」にその内容が明記されました。
(※)インクルーシブ教育を目指す学校。インクルーシブ教育とは、障害者も含め、特定の個人や集団を排除せず、学習活動への参加を平等に保障することを目指す学校教育のこと。



手話をコミュニケーション手段として認める(文部省)
 1992年に文部省(当時)は汀聴覚障害児のコミュニケーション手段に関する調査研究協力者会議」を設置、2年間の調査研究の結果を公表しました。これによると、学校教育は基本的に国語(日本語)による教育をペースとするが、文部省は初めて手話をコミュニケーション手段の一つとして認知し、教育の手段として位置づけました。
 1995年、上記調査結果を受け、「聴覚障害教育の手引〜多様なコミュニケーション手段とそれを活用した指導〜」を発行。


 私、1988年末にパソコン通信NIFTY-Serveの障害児教育フォーラムに参加しましたが、まだその時点で「手話禁止」の先進的(?)な聾学校ってあったような気がする。

 で、現在の手話が認められる世の中になったというのは、たくさんの当事者や現場の人の努力が実った、ということやろな。




posted by kingstone at 16:24| Comment(4) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> 私、1988年末にパソコン通信NIFTY-Serveの障害児教育フォーラムに参加しましたが、まだその時点で「手話禁止」の先進的(?)な聾学校ってあったような気がする。

 私が教員になって2年目ですね。その頃は「手話容認」の学校を含めて「手話教育」をしていた聾学校は全国で10にも満たない数です。「手話禁止」がデフォルトです。まぁ、今は携帯などが発達したせいで「手話を覚えない聴覚障害者」というのは昔より増えたそうです。
Posted by もずらいと at 2012年03月22日 20:48
もずらいとさん、どうもです。

|その頃は「手話容認」の学校を含めて「手話教育」をしていた聾学校は全国で10にも満たない数です

「その頃」というのは1988年頃。
うわっ、そんなに少なかったんですか・・・


Posted by kingstone at 2012年03月22日 20:59
これはたまたま視覚、発達からも期待の大きいという情報コミュニケーション法策定が載ってる理由でお渡ししました。あとは、手話基本法自体はマカトンサインの後ろ支えにならないかなーと。

そういう話にどうしてならないんだろう(^^;
Posted by at 2012年03月27日 21:54
どうもです。

|そういう話にどうしてならないんだろう(^^;

他人は思うようには動かないのですよ\(^o^)/
Posted by kingstone at 2012年03月27日 23:00
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