曇りです。
ー秋月龍a著 一日一禅より kingstoneちょい変えー
本来無一物 ほんらい むいちもつ
「10月12日(水曜日) 本来無一物」にも出てきました。
五祖弘忍(ぐにん)和尚(601-74)は
「私も年だ、跡継ぎを決めたい。各自詩偈を作って移出せよ」
と言った。大衆の教授師(先生)をしていた神秀上座(606?ー 706 百歳?)が呈した。
「身はこれ菩提樹、心は明鏡の台の如し。時々に勤めて払拭(ほっしょく)して、塵埃に染(けが)さしむることなかれ」
弘忍はみんなの前で「良い詩だ。この通りすれば悟れる」と行ったが、あとで神秀をひとり呼んで「まだ門内にも入っていない」と退けた。
米つき小屋で働いていた行者(あんじゃ。得度を受けずに在家のままで寺にいる者)の慧能(638-713)が自分の詩も書いてほしい、と願った。(ということは慧能は字が書けなかったのだろうか?今、Wikipediaを見たら「読むこともできなかった」とのこと)
「菩提もとより樹なし、明鏡もまた台にあらず。本来無一物、何の所にか塵埃あらん」
行者慧能はこの詩偈によって、居士身で祖師位にのぼって六祖となった。
慧能の詩はオリジナルというより神秀の詩があっての返歌なんだな。
中国の唐(618年 - 907年)の時代の話。
ラベル:挨拶 天気 禅語