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 あくまでも、私個人の意見です。

2011年07月16日

落合博満 変人の研究 ねじめ正一著



 いろいろな人へのインタビューとか落合語録とか。

 江夏豊が落合と麻雀をして、江夏が落合の待ちを当てるのでびっくりして落合が尋ねると

「わかるよ。麻雀と野球は同じで、一球一球追っかけたら楽に読める。ピッチャーにとって一番嫌なのは、ある一球をずっと待たれることや。図太く待つのが、いいバッターなんだよ」

と答え、それが参考になったのか、以前と比べて落合がすごく変わったそう。ツーアウト満塁で落合と対峙したシーン。

江夏  その時の配球は、いまだに忘れられないですよ。一球目カーブ、ど真ん中。平然と待っていました。二球目カーブ、これも見送った。三球目、キャッチャーの大宮(龍男)はいろんなボールを要求しましたけど、全部、首振ってもう一つカーブ放った。つまり、カーブ、カーブ、カーブです。それも落合は見送って、三球三振。それで平然と帰ったんです。
 その姿を見て、あ、落合は変わったなと思いました。その場面は僕が抑えましたけど、あまりの変わりように、おれはひょっとしたらいかれるんじやないか、と冷や汗流したんです。案の定、その後の落合には、そんなにいいヒットは打たれてないんですが、ライト線にポトンと落ちるヒットとかばかり、五割近く打たれましたよ。五十六年は、ヒットはたしか二本くらいしか打たれていませんから。


 豊田泰光との対談。

 落合は誰であれまったく挨拶をしないそう。で、「みんなに」(AさんにしてBさんにしない、というわけじゃない)だから「礼儀知らず」のレッテルがついて天下御免になっている。

豊田 野村は、自分ができっこないようなことを平気でいうんです。落合は、野村みたいな作り話はしません。

ねじめ 野村さんは、野球を一回止めて語るでしょう。野球は本来、ボールが来て、バットや野手がバンバン、ビュンビュン動いてゆく、アクティブなものじゃないですか。落合は、野球を止めて語っていませんよね。

豊田 それは、野手とキャッチャーの差でしょう。キャッチャーは、ボンと球握ったら、止まっていられる。ピッチャーに返したり、ボールを替えたり、タイムをかけてマウンドに行ったり、自分から野球を止める権利を持っている。でも、野手にはその権利がないから、いつも動なんです。だから、落合は動で物を考えていくんですよ。キャッチャーだけですよ、話をバチッと止めて考える癖がつくのは。

ねじめ なるほど。野村さんのあの傲慢さは、キャッチャー特有のものなんですね。それにしても、「嫌われ者落合」といっても、豊田さんによれば、野村よりはるかにましだと(笑)。

豊田 まあ、野村とは若いとき、酒は一回呑んだだけ’でおしまいだったけれど、落合は何度か誘って呑んだくらいですから。そりゃ、こっちの見る目は違います。

ねじめ 野球の話が多いですか?

豊田 野球の話しかできないの、あいつは。一般常識ゼロです。

ねじめ いいじやないですか、いまどき珍しい野球バカで。私なんかうれしくてしょうがないですけど。

豊田 でも、野球をそんなに知らない、野球に関係していない人だって周りに二、三人いるわけですから、その中でバッティング理論を話し出しちやったら、みんな苦痛ですよ。だいたい、落合のバッティング理論なんて、よくわかりませんよ。人が想像しないようなことを想像している。バッターボックスに立っていて、ピッチャープレートからホームベースまでのラインが引かれているのが見えるというんですよ。そのラインの中に来た球を打つんだというんですよ。なんべん見たって見えませんよ、オレなんか(笑)。線なんか引いてあるわけないし、見えるはずもない。けれども、見えるつもりというならば、わからないでもない。

ねじめ イメージですか?

豊田 そう、イメージ。ラインが見えるつもりでいて、練習のときからいつもその中の球を打つというふうに打撃を作ってゆく。試合ではなかなかできないと思いますがね。


 敗戦時のコメントについて。

ねじめ そういえば、落合監督の十八番のコメントは、「負けたのは監督のせいだ」ですね。あれは本音ですか。

豊田 本音じゃなくて、テクニックでしょうね。選手のせいにする監督が一杯いましたから。誰とは言いにくいですけども、広岡(達朗)とかね(笑)。あの辺になるともう、ぴしっと誰が敗因というコメントをします。落合は端で見ていて、嫌らしいなと感じていたんでしょうね。だから、選手を褒めたりするんですよ。責任は自分が取るというのは、似合わない男なんだけれど。何か言いたそうだけど、我慢してあんなふうに選手を立てている(笑)。落合は、大人になったんですよ。


 まあ手柄は部下のものに、失敗の責任は上司である自分が取る、これは大事なことやと思うなあ。

 暴力について。

 「コトバの人」である落合はまた、ニッポンの体育会系と相容れない。コワモテに見える落合が、非暴力主義者であることは、いくら強調しても足りないだろう。

 コーチから選手へはもちろん、選手から選手への暴力を一切禁止する。従えない者は即刻ユニフオームを脱いでもらう。

 これは中日の監督に就任した2003年10月17日、全員ミーティングで発した言葉である。


 高校時代のこと。

 いきなりレギュラーだったから、そりゃもう、風当たりなんか人一倍強かった。上級生には毎日ぶん殴られた。
 だいたい、オレが練習に行かなくなった一因もそこにあるんだ。野球部の封建的な体質がたま
らなかった。だって、たかが1、2年早く生まれただけで、なんでそいつらにぶん殴られなきやいけないの。
 ケンカやらせてくれれば、絶対負けっこないと思っていたからね。やってやればよかったなあ。
 バカだよ。昔の軍隊じゃあるまいし、自分がされてイヤなものは、他人だってイヤに決まってる。そんなこと、まるっきりわかっちゃいないんだ。


 主力選手がケガをするたびに発するコメント。

 でもやりくりは慣れているから。

 そうっすね。なんでも一緒。現有戦力で戦わないといけないのだから。

 来たボールは打てばいい。
 打ったボールは取ればいい。
 捕ったボールは投げればいい。


 その通り!ってなかなかこの境地までは至れないわけですが・・・

 どうしようもなく泣けてきたよ。あれだけ練習させてきた選手が勝ったんだから。

 (練習は)見せるもんでもないじやない。11(?12の間違い?)球団の中でも主力張ってるようなヤツは隠れてでもやってるよ。


 なかなか面白かったです。





ラベル:野球
posted by kingstone at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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