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※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2011年05月08日

コミュニケーションメモ帳のすすめ

 おめめどうのホームページの「kingstoneのコラム」に書いたものですが、こちらにも残しておきます。

コミュニケーションメモ帳のすすめ

 自閉症やアスペルガー症候群など、自閉症スペクトラム障害の人の特徴は「なぜかはまだわからないけど大きく次の3つがある」と言われています。

1.社会的な意味(場の意味)がわかりにくい。
2.コミュニケーションがとりにくい。
3.相手が何を考えているのかがわかりにくい。

 この3つ目は「こだわり」を入れている場合も見たような気がするのですが。
 あと「えらぶことが苦手」とか、これは「コミュニケーションがとりにくい」に入るかもしれませんが「自分からの表現がしにくい」とかもあります。

 1.2.3.はそうでない人と比較した場合の「弱み」ですね。

「強み」としたら何があるんだろう。
「理屈がわかればできる」
「同じ(と見える。実は本人にとっては微妙に違っていることがありますが)ことを飽きずに繰り返すことができる」
「やりたいことには集中できる」
「見てわかるもの(視覚的なもの)については聞いてわかるもの(音声言語)より強いことが多い」
とかになるかな。

 で、おめめどうの商品はどうやって開発されてきたものだろう。とくにコミュメモについて考えてみます。

 比較的早くから出てきたものが「こたえるメモ」「えらぶメモ

erabu.jpg

 えらぶメモ

 これは「わかってる」人はすでに「白い紙」や「ノート」でやってきていたこと。例えば私でも1998年度か1999年度の話。

書いて質問すると答えてくれる

 これは選択肢に◯×を使ってますが、他にもいろんな選択の言語を書いてやりとりしていました。これは「えらぶメモ」と同じことですね。「見てわかる」も ので「えらんで」もらってやりとりする。で、そうするとあれこれできちゃう。「えらぶのが苦手」はそうでない人と比較すればそうかもしれないけど、できる ようになっちゃう。

 「◯×メモ」で言うとこれも1998年度か1999年度に

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 ◯×メモ

効果が無かった(?)話

 上は効果があったのか無かったのかわからない例ですが、効果があったのは2000年度(2001.2.25)の

パンツをはいたままおしっこする

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 これは「見てわかるものについては聞いてわかるものより強い」の例ですね。「理屈がわかればやる」とは少し違うか?

 「どうしてメモ(おにぎりメモ)」についてはTEACCHでは昔から氷山モデルを「どうして問題行動と言われるものが起きるのか」について説明するのに使って来ました。これは私が2000年度だかに自閉症託児活動「れもん」のボランティアさんに「問題行動の考え方」を講義した時の話。

「れもん」ボランティアさんへの講義9「問題行動の理解と対処

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 「問題行動」を「氷山モデル」で説明する

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 これは計画停電を説明したもの

 で、「どうしてメモ」は「どうしてか」の「理屈」が「目で見てわかる」という点がいいのかな。

 「おはなしメモ」「おはなしツイン」については「相手が何を考えているかわかりにくい」「理屈がわかればできる」「目で見えるものについては強い」「だれに向かって言っているのかがわかりやすい」などの点にはたらきかけ、これはもともと「コミック会話(キャロル・グレイ著 門眞一郎訳)」として私は知っていました。これについては2001年度〜2003年度にかけて診断名が何かわからないお子さんに対して説明するのに絵をいちいち描いて使っていました。

ohanasisita.jpg
 「舌が痛くてしゃべりにくい」を説明したもの

yokaerabu.jpg
 これは「メモ」ではなく「おはなし下敷き」ですが、使い方は同じですね。絵カードで選んでもらっています。

 というわけで、おめめどうのコミュメモは同じような取り組みは、私とかたぶん「わかっている人」(わっ!上から目線!!)は既に使っているものでした。 だから開発・販売された時に「これはいい!」「使える!」とすぐに判断できたのですね。(ただし、私はその当時はネタキリとなり、既に実践からは遠ざかっ ていましたが)

 で、「わかっている」人にはもう必要ないか、と言うと、いちいちこれだけの物を、そのたんびたんびに描いて用意するのはめちゃめんどくさい。ついつい描かずにすませてしまおう、とすることも出てきます。しかし手元にあればすいすい使える。

 いわんや「わかってない」人においておや。

 また「◯×メモ」では「つい×だけ考えてしまいがち」なのに「いや◯も伝えなければ」と周囲の人に常に考えさせてくれる効果があります。また「えらぶメ モ」だと「選択肢を用意しなきゃ」ということを思い起こさせてくれます。そういう点が、周囲の人や「わかってない」人や「わかりかけている」人にわかりや すい、という利点があります。

 そして大事な点はご本人からの「選択」や「表現」もしやすくなるという点。

 これはいつもいつも同じ型(フォーマット)が出てくる、ということとも関係していると思います。

 また周囲の「本人に尋ねてみよう」「本人に聞こう」という姿勢も明確になります。

 内容(コンテンツ)は何でも入れられる・・・と言いたいところですが、おめめどうでもTEACCHでもそんなことはないんだと思います。本人が「嫌なこ と」「やりたくないこと」はそれが表現できることが大事だし、避けて別のことができるならそれを選べることが大事だし。そういうやりとりをしていると、よ り「我慢」ができ「耐性」がつく、と外から見ていて思えることもあります。しかし、それはねらってはいけません。

 また、最近はそうでもないかもしれませんが、おめめどうの商品はたった1人の人のために、たった1人の人とのやりとりのために開発されてきた、というのも大事な点かもしれません。徹底的に1人にこだわることで普遍に行き着いた、みたいな。

 というようなわけでコミュメモ類を使われることをおおいにすすめたいと思っています。
posted by kingstone at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | おめめどう・視覚支援 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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