今日は愛媛県立松山養護学校の和田浩一先生の −視覚障害者の情報処理−という講義がありました。
私は白黒パズルのアイコンを使わないの(大きくできる)と、絵を隠すボタン(現れたり消えたりする)を作りました。わりと「固い」感じのする素材といった感じのスタックです。こういうのやると場所を座標で決めていったり、FOR〜NEXTみたいにREPEATさせたりと、何だかBASICをやってるみたいな感じでした。
MACを買って10日ほどのY先生は楽しい音やパラパラ動画入りのスタックを作っているし、S先生(今までパソコンはほとんどさわったことがなかったそうです)やM先生、はたまた大森さんなんかはアドベンチャーツクールで教材を作ってます。大森さんはスロットゲームみたいなのを作ってました。
ふーー眠たい。
久里浜日記6月15日(ごめん、やたら長い)
文責はあくまでもKING STONEにあります。
今日の午前はこんな講義がありました。
特総研肢体不自由教育研究室研究員
渡邉章先生の
−特殊教育における情報手段の利用の意義.1−
はじめに
パソコンは(使いたいと思っているが)使えば使うほど現状には不満足。
教育の中で使うことを考えたい。
1.肢体不自由児・者にとっての情報機器の意味
・1990.11.12 日本福祉大大学院に障害を持った人が入った記事
・(床に座り、床に置いたキーボードを打つ写真)
・ホーキング博士のビデオ
コミュニケーションの手段である。これを使うことで生活の質が全然違ってくる。
意志表出のハンディを軽減。
障害の重い児・者のコミュニケーションの手段
1.声や表情による気持ちの伝えかた。
2.身体的ふれあいによる気持ちの伝え合い。
3.動作によるコミュニケーション。
4.絵や写真(イメージを使う)によるコミュニケーション。
5.シンボル(S&Sなど)によるコミュケーション。
6.文字盤(文字)
7.コミュニケーション補助用具。
2.肢体不自由児・者のための情報機器開発の現状。
・米国 1988,10政府はリハ法508条として「電子機器アクセシビリティ指針」を公布
・日本 1990,6通産省「情報処理機器アクセシビリティ指針」を出す。
機器紹介
・パソパル
・トーキングエイド(現時点で完成度がこれを抜くものは無いのではないか)
・キャノンコミュニケータ(外国ではすごい人気・・・・・ローマ字キートップ)
・Pワード+様々な入力装置・子猫の手(イトウ英ちゃん作)
・KBマウス
・キーガード
・トロン(スキャン式ソフトキーボードが標準でつく)
・NECの液晶画面とソフトキーボード(98につなぐとアプリケーションをそのまま動かせる)etc.
この子のため、と思ってもフィティング・値段などでなかなか難しいところがある。
3.肢体不自由養護学校における現状
平成2年4月の統計(回答は130校ほど・・正確な数字をKING STONEが忘れた)
○導入していない学校の「理由」
1位・予算的に不十分(14校)
2位・児童生徒の障害が重いため利用できないと考えている。(kingstone・当然どう使ったらいいか知らないというだけ)
○機種
PC9801 90パーセント
MSX 22パーセント
○どういう用途で使われているか
1位・児童生徒の学習指導(90校)
2位・校務分掌上の事務(66校)
○活用状況
たいへん有効に活用されている(11校)
有効に活用されている(51校)
(少しは〔だったかな〕)活用されている(5校)
活用されていない(36校)
(上の2問についてKING STONEが思わず「うそやん!」ってつぶやいたら、「そうなんですよ。よく話を聞いてみるとほとんど事務で使わてます。でも学習に使うと導入した以上「使っていない」とは書けないのでしょう。使っていない大きな理由は入力装置までは予算化されていないので使えないということが大きいです」というお話でした。平成2年の4月時点ですからね)
○有効に活用されていない理由
1位・指導に使いたいと思うソフトが無い。14校
2位・機種に詳しい人がいない。13校
3位・子どもにあった入力装置が無い。8校(この回答が以外に少ないのはもともと使おうとしていないからかもしれない)
○どういう情報を必要としているか
1位・自作ソフトウェア情報
2位・活用事例情報
3位・入力装置などハードウェア情報
(この時点では普通のキーボードを使える人しか使えていないようだ)
○希望する提供メディア
1位・ハンドブック(59校)
2位・パソコン通信(28校)(へえー結構あるんだ・・KING STONE)
3位・ニューズレター(24校)
全体として基本的な物(本体・キーボード・ディスプレイ・プリンタ〔!!!〕)は入ったがソフトや入力装置が不十分。そこで
「使えないことはないが、ほんとうに使おうとすると非常に困難」という状況になっている。使えるようにするためには制作部品にも使えるような「入力装置予算枠」といったものを作っていく必要があるのではないか。
4.入力装置のいろいろ
・KBマウス ・信玄君 ・オムロンのタッチパッド ・エントリー1 ・マウス
・トラックボールのいろいろ ・ジョイマウス ・EPSON-BS20
・子猫の手(1センサーのものもある)
5.子どもの指導における課題
A君の例
身振りなどで応答でき、理解力はあるようだった。しかしどこまでわかっているのかわかっていないのかがはっきりせず、あいまいなままで受け答えしていた。機器を使って何がわかっているかがはっきりしてき、言葉を自分で判断し構成していくことによっていろんな力がついてきた。
課題
・ソフトの問題 開発にかかる時間と学習内容
(例えば開発が間に合わず、じゃもう1時間このソフトで、と子どもがソフトに合わせられる本末転倒状態も起こりがち)
・入力装置の問題
入力装置を確定するためのお金と時間
(いくらこちらがいいと思っても子どもの持っているコミュニケーションのスタイルを尊重すること)
・指導の一貫性と継続性
(KING STONE・・・ここで思ったんですが、ソフトも集める気になればすぐ膨大になる。また装置もすぐ膨大になる。指導法も膨大。それらを管理するのは図書室に司書がいるように、専門の管理者がやはり必要じゃないかな)
こういう課題を乗り越えつつ使っていかないといけないと思う。しかしテクノロジーが先にあるのでなく子どもとどうやっていったらいいかを考えているうちに利用しだした、ということは忘れないよう。
6.ネットワークとしての利用
パソコン通信はコミュニケーションの1つの形
重度障害者用パソコン通信入力ソフトの開発
例「電網開花」を利用した1センサー入力ソフト(NAPLSが使える)
神奈川の半官半民のKネットでも利用。
ここの福祉機器データベース用の画像づくりを障害を持った方にお願いしている。
障害者の就労機会拡大の検討と教育プログラムの開発
小規模作業所でも使用を考えていくといいのでは
何故このような大人対象のことまでかかわりだしたのか。最初は子どもばかりだったが子どもも大きくなる。学校時代は手厚くいろいろ考えられても、卒業後の生きがいやりがいの問題に直面し、関わりだした。みんながする必要はないが、通信などやりいた人がいればやればいいのではないか。テレビしか娯楽が無い、という状況をなんとかし、外部とのチャンネルを作りたい。
最後に
パソコンもぬくもりのある使い方を考えたい。
午後は特総研教育工学主任研究官・中村均先生の
−データベースアプリケーションの利用法−
の講義がありました。
久里浜日記6月16日
文責はKING STONEにあります。
今日は「リハビリテーション工学アプローチの教育応用について」ということで横浜市総合リハビリテーションセンターに見学に行きました。
うーーん、すごい。横浜が充実しているという話は聞いていましたが、ほんとにすごい。
市民へのサービスとしてエンジニアによる機器のフィッティングをしているのは、今のところ横浜市リハセンターだけだということです。
このサービスを受けるためには利用者さん(障害者さん本人のことをこう呼んでいるということです)あるいは家族の方が申し込んできはることが多いのですが、もちろん充分方針が出せるくらいお話を聞いた上で「では、保健所か福祉に声をかけてからお越し下さい」と言うそうです。
なぜか?
リハセンターはしっかり関わりますが、結局最後まで関わるのは地域の保健所や福祉なのだから、その人たちを巻き込んでいく。リハ工学の分野はまだまだ知られていない分野なので、そうやって現場の人に実態を知ってもらう、という意味があるそうです。
で、最初に来られた時にお医者さん、看護婦さん、ケースワーカー、理学療法士、作業療法士、エンジニア、それに保健所や福祉の担当者がチームで方針を立てるそうです。
学校から先生が子どもを連れて相談に来ることもあるそうです。またそういう場合は親が学校に強く希望して来ることも多いとか。で、意思伝達装置としてのパソコン利用のための入力装置の開発などをするそうです。
いいな。そうすれば私が自腹を切って部品を買ってきたりしなくてもいいし、私がやればどうしても選択の範囲が狭くなってたもんな。
うーん、私も帰ったらそういうことのできる可能性を、兵庫県総合リハビリテーションセンターや神戸市立心身障害者センターにあたってみたいと思いました。
今日の見学はほんとうに役に立ちました。
帰りは中華街で中華料理。うーんうまかった。
帰ってきてからは、ここんとこ肩がおかしかったので、視覚障害コース短期研修生のMさんに針を打っていただきました。料金は使い捨てバリの実費のみ。これが効いたみたいです。えらいもんやなあ。