満席。立ち見(と言ってもたいていは地べたに座り見)の出る盛況でした。
ネットとか映画評で「地味」「『(息子成之の)袴着の祝い』で鯛を用意できず絵を見ながら食べたところがクライマックス」とか書かれていたので、そうなのかなあ、と思っていました。
しかし、そんなことは無い。もちろんアクションシーンがある、ってわけじゃないけど、でも私、いっぱい泣かされました。
Wikipediaより少し改変
猪山直之 - 堺雅人 加賀藩御算用者猪山家8代目。
猪山駒 - 仲間由紀恵 直之の妻。
猪山成之 - 伊藤祐輝 直之の子(「ぼくはうみがみたくなりました」主人公。彼のナレーションで物語は進む)
猪山政 - 藤井美菜 成之の妻。
猪山常 - 松坂慶子 直之の母。(特別出演)
おばばさま - 草笛光子 直之の祖母。
猪山信之 - 中村雅俊 直之の父。
西永与三八 - 西村雅彦 駒の父。町同心で直之の剣術の師。
大村益次郎 - 嶋田久作
前半は、直之が「救い米(飢饉の時に援助用とするために備蓄しておく米)」の不正を知ってしまうエピソード。農民が「おかしい」と振りかざし落としていった書類を拾ってしまい、つい計算してしまったために見つけてしまう。で、ついつい上司に報告してしまうわけで、上司はそれで儲けていたのでもみ消そうとし、直之は左遷されることになります。しかし、どこでどうなったのかよくわかりませんが、不正をしていた上司たちは摘発され、全員罷免されます。そして事件が終わったあと直之は「これだけ調べておきながらなぜその筋に伝えなかったのだ」と言われますがその人も「下っ端だから何もできないわなあ」と理解してはる。そして直之は抜擢されます。
中盤は、家、また藩の財政建て直し。家はとにかく借金がかさんでいる。そこで対応として、武士の面目を捨てても「着物・骨董など資産売り払い」「節約」そして「借金をまず4割一気に返して、残りは利息なしの10年払い」ということにして返すことに成功します。上の鯛のエピソードもこの時のもの。(結婚式の時は全員鯛があった。逆に当時それだけのものが流通していたことがすごいと思います)
鯛は買えないが、安い(しかし大きな)タラ(鱈)を買っていました。物語は金沢の加賀100万石の話ですが、私も富山で海水浴をした時に海でタラ鍋を食べたことがあります。北陸では普通によく食べられるのでしょうね。
後半は直之と成之の葛藤。代々の算用で立つ家として、直之は成之にも書・論語そしてソロバンを教えます。成之は幼少の頃より「武士としてソロバンの力をつけるというのでいいのだろうか」と悩みます。また7歳くらいの頃か、直之が厳しく計算を合わすことを教え、また足りなかった分を拾ってきたお金で合わせようとした成之を叱責したことから「父上には情が無い」と反発します。
また青年になってから、幕末・維新が近づき成之は「ソロバンばかりでいいのですか。(世の改革のために動かなければ)」と直之に反発します。
そしてそのまま成之は京へ。
このあたり、私自身、何の話でだったかは忘れたのですが父から学歴が大事みたいな話をされ
「◯◯中学(父の出身校)出のあほが□□高校(私の出身校)の者に意見をするのか」
みたいな暴言を投げつけたことを思い出しました。父は笑ってましたが。まあ、今になっても父を超えることができたと感じたことはありません。
京で成之は行方不明になります。しかしそれは大村益次郎に「武で立つ武士はいくらでもいる。しかしあなたのようにソロバンができる者は1人で1000人万人の武士に匹敵する」と口説かれてスカウトされたのでした。
私は大村益次郎の話は司馬遼太郎さんの小説でしか知りませんが、その記述はどう見てもアスペルガー症候群の人だなあ、という気がします。で、益次郎は政敵をいっぱい作って(たぶん相手のプライドを傷つける「本当のこと」を言い過ぎた)暗殺されるわけです。その時に加賀の藩士も殺されたので成之が殺されたのではないか、と里の者は心配します。しかし成之は生き延び、明治政府の海軍主計大鑑とした海軍を支える存在となって行きます。
最後に父と子は和解。
う〜〜ん、私は読んだ映画評よりよっぽど良かったと思いました。
ラベル:映画 幕末
ぎく。
傷つけようと思ってるんじゃないんですよね、あくまで善意。
実は私もそういう傾向があるので、一年半前に障害児教育フォーラムでやってしまいました。
今も…そこにはいかないことにしたのですが、mixiでやってるのかもしれません。自分では自覚がないのです。悪意はまったくないので。
ところで、武士の家計簿うちも一家で見てきました。
以下、昨年末のレビューから拝借。
生真面目で融通の利かない算盤バカ、猪山直之はひょっとして自閉圏入ってないかと思いました。見栄とか世間体に合わせるとかそういうことをぜんぜん頓着しないの。いつもニコニコしてるし、やっぱり(むぎゅ
BBは感動のポイントがよくわからなかったようです。
「ふつうのいえ」と言いました。
ふつうじゃないぞー、ふつうはここまで徹底して家財を切り詰めないって。
そりゃぁね、BBも直之と同じ形質だもん。
新婚時代のみやびがパソコンをたたき壊したとき以外、ずっとエクセルで家計簿をつけています。(弁償しますた)
おばばさまが「塵劫記」を解いてる!
わぁすごい。名品ごのみのお母さんと少しづつ、ナンクロ解いてるBBのおかあさんが入ってるみたいで勝手に盛り上がっておりました。
奥さんになるお駒がとても気だてがよいのね。
二分で買ってもらったかんざしと白砂糖をしっかりと胸に抱きしめてそれだけで幸福になれる才能がとてもいいです。
それから聞き上手なんです。
何をきいてもキーワードを復唱してる。それが相手の次の喋りを引き出す。「オウムパス」ですね。
BBがこんな難しい内容、萌那には早かったのじゃないか、と言いました。私は、子どもがすぐにわかるような内容のものは与えない、と言いました。一生掛かって、意味がわかるのでもいいじゃないかと。
そうしたら、萌那が正月の看板から「にらみ鯛」の語句をぱっと探し出して教えてくれました。賢い! 日本語字幕ちゃんと読めていたのねぇ。
萌那は結構早読です。児童書は15分ぐらいで読み終わってるのを見てるから、あなたの子よ、とBBを褒めておきました。
BB、子どもの時図書委員で一番読書数が多かったらしいです。
河原で拾ったお金を落として無くしたお金の繰り越しにつかった成之に「河原に返してくるように」という教育方針がBBはよくわからなかったようでした。
私はだいたいこれと同じ方針をとってます。
交番に届けにいく、というのですが、人件費と徒労を考えると「募金箱に入れる」というのを指示しています。子どもが交番に届けにいくと「よい子だね」と貰えちゃうことが多いので、その方がよくないな、と。
子育て方針と倹約について考えることができてよかったです。
私も二年半の現金出納帳(家計簿分館)の実績が認められて最近、家計簿に直接書き込みを許可されましたので、これから頑張ります。
あと、お弁当づくりもがんばろう。
|自分では自覚がないのです。
あはは、自分で気づけりゃそりゃもう困らないですよ。
|ひょっとして自閉圏入ってないか
もちろん映画ではそこらへんの描写はなかったですが、可能性は高いですよね。
|「ふつうのいえ」
爆笑
|萌那が正月の看板から「にらみ鯛」の語句をぱっと探し出して
おお、すごい。
もちろん小さなお子さんに相応しくない映画って世の中にはいっぱいあるでしょうが、あの映画は多くのお子さんがそのお子さんなりに感じるところとかもあるのじゃないかなあ。
障害を持った子自身が人間関係の因果関係を考える構造を持つ習慣をつけようというトレーニングなんですけど、私も勉強になりました。
@自分の経験からの教訓(主観)
A友人などの経験(客観)
B一般的事実(客観)
C一般的知識(本などステレオタイプ)
普通の人はこの4つが等分に均等に入ってくるのですが、視覚優位だとABの「他山の石」「観察学習」が足りなくなるのです。すごーく細い円弧になる。
それは私も同じです。
生真面目で人の事情の裏を読む力が弱いと思うのですね。
つきあいづらいでしょう。
「高機能自閉症・アスペルガー障害・ADHD・LDの子のSSTの進め方」
http://kingstone3.seesaa.net/article/186390202.html
そうだとしたら私がこのブログに感想などを書いた中で唯一「これはまずい」と書いた本です(^_^;)
よく勉強されているのだけど、方向が・・・
私が一番注意を惹かれて書き留めたのが上記だけなので、他のところは実は記憶に残っていません。