※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2011年03月12日

NHKのUSTREAM個人放送許可と中井久夫さんの阪神・淡路大震災の時の言葉

 今回、NHKがUstreamでの個人による放送を許可したということがありました。

 その後、NHKは公式にUstermでニュースを流すようになります。

 こちらにその流れがあります。

地震時にNHK放送のUST再送信を独断許可! @NHK_PRの中の人の、超かっけー判断とアクション

 この中でNHKの中の人はこう言っています。

「私の独断なので、あとで責任は取ります。」

 中井久夫さんの言葉を思い出しました。再掲します。
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「1995年1月・神戸」中井久夫編(みすず書房)

(引用開始)
 初期の修羅場を切り抜けおおせる大仕事は、当直医などたまたま病院にいあわせた者、徒歩で到着できた者の荷にかかってきた。有効なことをなしえたものは、すべて、自分でその時点で最良と思う行動を自己の責任において行ったものであった。初期ばかりではない。このキャンペーンにおいて時々刻々、最優先事項は変わった。1つの問題を解決すれば、次の問題が見えてきた。「状況がすべてである」というドゴールの言葉どおりであった。彼らは旧陸軍の言葉でいう「独断専行」を行った。おそらく、「何ができるかを考えてそれをなせ」は災害時の一般原則である。このことによってその先が見えてくる。たとえ錯誤であっても取り返しのつく錯誤ならばよい。後から咎められる恐れを抱かせるのは、士気の萎縮を招く効果しかない。現実と相渉ることはすべて錯誤の連続である。治療がまさにそうではないか。指示を待った者は何ごともなしえなかった。統制、調整、一元化を要求した者は現場の足をしばしば引っ張った。「何が必要か」と電話あるいはファックスで尋ねてくる偉い方々には答えようがなかった。今必要とされているものは、その人が到達するまでに解決されているかもしれない。そもそも問題が見えてくれば、半分解決されたようなものである。
(引用終了)


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