※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年10月11日

金融で貧困はなくせるか〜アメリカの底辺と向き合う日本人〜枋迫篤昌(とちさこあつまさ)

 昨日のETV特集の感想。

$kingstone page-とちさこまさあつ
      (c)NHK

 基本的には前回の45分番組と同じ映像が出てきてました。でもより詳しくなってました。そして新しいこともいくつか。

枋迫篤昌(とちさこあつまさ) アメリカで移民相手のマイクロクレジットを始めた人

 前と同じかもしれないけど、いくつか印象に残ったこと。


 送金に来た移民に、受付のおねえさんが「ハーイ元気?」とかいろいろ話しかけてました。言葉がマニュアルにあるんだろうか?ファストフード店のマニュアルを言う時の感じとは全然違ってましたが。ひょっとしたら「フレンドリーに話しかけよう」みたいなマニュアルはあるのかもしれない。


 枋迫さんは起業時、アメリカでの当時移民の送金サービス手数料を1/6にしたとか。これは仕組みを熟知しIT化を進めてできたことだろうな。現在の他の送金サービスが出てたけど、15%の手数料を取られていた。1万円送ろうと思ったら1500円取られて、相手の受け取るのは8500円。そういうところで改善していかれたのだなあ。

 で、それまでの送金業は送金しかしていなかったのに、移民の顧客に便利なようにローン・公共料金支払い等を1ストップで同じ店舗(窓口)でできるようにしたと。

 これも前回出てきた場面ですが、マネージャーが180日間返済の滞ったローンを償却(不良債権化・・・つまり返済してもらうのをあきらめる、ということか)する要求をしてきたのに対し、熟慮の上一部に同意します。そして「しかし顧客とコミュニケーションを取るようにして欲しい。返せなくなったら相談をしてくれ、と伝えて欲しい」と言いはります。

 現場をよく歩いてはる。

 どこの国だったか、トルティーヤのお店をやっているおばさん。100ドル・8000円をローンで借り、店を改装し材料を揃えて今は繁盛している。そこのお店にも行っってはった。

 バングラディシュのグラミン銀行のムハマド・ユヌスさんとこでは、ほぼ女性にしか貸さない(男に貸すと博打ですっちゃうから)ことでうまくいったみたいですが、枋迫さんのところは男女関係なく貸しているみたい。

 これは今回初めて見た映像。

 枋迫さんは日本でも商売を考えてはります。銀行・証券会社なども回ってはります。しかしカメラがついて行くと、どう見ても立派ではない部屋へ・・・日系ブラジル人のための支援NPOでした。日系ブラジル人のほとんどは(日本の?)銀行口座を持っていないとか。ちょっとびっくりします。現在、口座を開くにはお金はいらないはずなので。でも、それこそ送金とかが高くて口座を作るメリットが無いのかな。だとしたら枋迫さんに商機があるわけだ。

 それからKDDIにも行きはります。口座が無くても携帯で送金できたらいいじゃないか、ということ。なるほど。


 で、他にも中国や中東などいろんなところに提携先を求めてはります。
 しかも貧困問題を解決したい、というぶれない思いがある。


 枋迫さんはローンを提供するさいの査定に送金履歴を重視されます。少額でもきちんと定期的に送金する人を信頼する。昔、私がある自営の職人さんに弟子入りした時、親方が「都市銀行は相手にしてくれない。信用金庫に毎月一定額を貯金すること。そうすれば信用ができて融資してくれる」と教えてくれたけど、今はどうなんだろう。ちゃんと貸してくれるんだろうか。

posted by kingstone at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・記事・番組など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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