※このブログに書いていることは、私の関わりある法人の意見ではなく、
 あくまでも、私個人の意見です。

2010年06月27日

戦い余話

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。



 kingstoneです。

 個人メールでも、いろいろはげましを頂いております。

 ほんとうは若い方や特に学生さんの前で「戦っている」ってことは出さない方がいいと思っているんですが、書かずにはいられない、というあたりでご勘弁下さい。(って大人扱いしていないってことになるのかな?でも、ほんと見せなくていい部分は見せなくていいと思い、発表者にもA教授との過去のあれこれなんて言ってなかったんだけど・・・)

 私の知ってるある先生。(近辺の方ではありません)

 ものすごく勉強してはる先生です。反TEACCHではありません。でもいわゆるTEACCHの使い手というわけでもありません。

 で、保護者の方がTEACCHを勉強して「こうやってね」と構造化の写真とかいっぱい持ってきはったそうな。使っているカードも。で、実際にやってみはったそうです。しかしよく見るとわかっている部分とわかっていない部分がある。

 で「まずこうやってみましょう」と提案され、違うやり方でやり始められました。でうまくいって、今は保護者との信頼関係もできてはります。

 これなんですよね。

 でもこの方の取り組んだことがTEACCHで無い、と言えるかどうかはまた別問題なんですけど。具体的にはコミュニケーションレベルをアセスメントして、カードコミュニケーションからレベルを下げて指さしなど(さらに具体物なども使ったのじゃないかな、これは想像)を使って、本人からの表現を引き出して行った、というものなんですけど。でも見方によったら「これはTEACCHです」ということになります。(ただ指さしと言っても、これまたカードコミュニケーションよりレベルが下かというと・・・これも何と言うのか「形」を見るとそうでもないこともあり得ると思います)


 アセスメントに基づいて、本人にあったレベルの自発的コミュニケーションを引き出していった、そして問題行動を無くしていった、というあたりなんですもん。

 先日、私が「カードにこだわらず」と書いたあたりですよね。

 ほんま、「保護者にひきずり回される」などと言わずにちゃんと勉強して「でもね」と言えるようにして欲しいっす。

(勉強せずに、そして子どもの様子を見ずに「でもね」と言う方は多いけど)


 私は周囲からTEACCH信奉者と思われていると思います。確かに行動もそう見られても仕方がないから、特に否定はしませんが。

 でももともとカウンセリングの勉強をしていて面接・箱庭・描画などについては半端じゃない勉強と体験をしてますし(自分で言うな、って(笑))動作法はトレーナー資格も持ってます。(これはわかっている人が聞くと恥ずかしかったりする(笑)トレーナー資格ってほとんど「意味なーいじゃん」の資格なのです。まあ1週間キャンプに3回は出席した、というだけのことなのね)

 肢体不自由児の意思表出のためのAACの学習や実践。

 それから「○○法」の達人さんには、現在でももう頻繁に相談をかけています。


 例えばある地域の幼稚園でもTEACCH的な取り組みを大幅に取り入れてはおられるけど、ポーテージもやりいの、様々な勉強をされていい指導ができるよう努力してはりますもんね。


 まあほんま自分でええと思うことを勉強し、実践していくしかないよな、と思います。

 ある先生「私もTEACCH始めようかな」
 私「(渋面を作りながら)でもね、私の周囲でも形だけまねする
   人が多くてね。こだわらんでええから勉強してほしい」
 あ「(我が意を得たりというように)そうそう、ひとつの方法に
   こだわらなくていいと思う」
 私(心の中で)「で、ひとつの方法にこだわらなくて「威嚇」を
  使ってはってんねえ・・・」


 あっ、私が「叱る」ことを否定しているとはとらないで下さい。

 私の周囲で某先生「大声で叱る」というのもしはります。

 私は若い人に「某先生の叱り方、見とけよ。お前は大好きだよ、というのがちゃんと伝わる叱り方やろ。あんなふうに叱れたらいいよね」なんて言ってました。

 ただし他の先生が叱っている時は決してそんなことは言いませんでしたけど。
−−−−−−−−−−−−−−−
追記
 上のエピソードの「ものすごく勉強してはる先生」は太田のステージを深く勉強されていました。その実践は私から見ればTEACCHに見える。ある応用行動分析家はTEACCHのうまくいってる実践を見て「これこそ応用行動分析だ」とおっしゃいました。

 そんなもんなんだと思います。




posted by kingstone at 10:29| Comment(7) | TrackBack(0) | 特別支援教育や関わり方など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
1 ■職人文化とTEACCH 
 「職人」ならTEACCHのようなシステマティックを超えるような実践も可能でしょうね。しかし、「職人」の数は少ないのです。即戦力を養成するにはTEACCHは有効な手段です。<br /> もっとも、日本の教員養成の問題もありますけどね。ピアジェとヴィゴツキーの理論の概要を理解していてビネーやWISC系の検査実施経験が10例もあれば最低限はクリアーするはずなのですが、そのような教育を受けてませんから。</p>
Posted by もずらいと at 2010年06月27日 13:17
2 ■Re:職人文化とTEACCH 
>もずらいとさん<br /><br />|即戦力を養成するにはTEACCHは有効な手段です。<br /><br />これね。新人さんたちとのあれこれでも書いたけど、ほんま実感してます。<br /><br />あとOJTのしやすさね。<br /><br />で、もちろんTEACCHは「わかってもらう」「表現する」であって、授業の中味はそれぞれに考えることなのだけど。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
Posted by kingstone at 2010年06月27日 13:28
3 ■on the job training
は容易なのかなぁ?教える方が間違えていてもそのまま伝わるという意味ではそうかもしれませんが。私は「教員なんてこの程度やってくれれば十分」という「教員なんて底辺職業」という米国文化で最大限の成果を発揮するもであって、日本ではよほど注意しないと「鼻持ちならない教員」を生む危険性が高い療育だと思っています。</p>
Posted by もずらいと at 2010年06月27日 15:29
4 ■Re:on the job training
>もずらいとさん<br /><br />??よくわかんない。<br /><br />底辺職業ってのは、昔は日本にも「代用教員」なんてものがありいの、アメリカの「大草原の小さな家」でローラ(?)だったかが若くてもすぐ教師になったりだとか、私はそれでいいと思ってるんですがね。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
Posted by kingstone at 2010年06月27日 16:04
5 ■教員の地位の違い
 代用教員かどうかは関係有りません。職能が細分化される米国にあっては、教員は「指示されたことだけやりなさい」という存在なのです。<br /> 米国だったら私もKingstoneさんも1年もたずに解雇されることでしょう(^^&#59;)。「余計なこと考えたりする奴はいらないんだよ」と言われて(^^&#59;)。TEACCHはそういう米国文化の産物だと言うことです。<br /> ある意味、教員は「知識の獲得」なんていらないのですよ。マクドナルドのアルバイトのマニュアルと同質なのがTEACCHという一面はあるわけです。「こうアレンジしてみました」と言ったら誉められるどころか解雇されるはずです。</p>
Posted by もずらいと at 2010年06月27日 17:42
6 ■Re:教員の地位の違い
>もずらいとさん<br /><br />|米国だったら私もKingstoneさんも1年もたずに解雇されることでしょう(^^&#59;)。<br /><br />あははは<br /><br />|マクドナルドのアルバイトのマニュアル<br /><br />これはもちろんすごいのですけどね。(たぶん)店長さんが過酷な労働になったら困るけど。<br /><br />今日もマクドナルドに行って来ました。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
Posted by kingstone at 2010年06月27日 18:12
7 ■Re:教員の地位の違い
そういや思い出した。<br /><br />昔、新幹線に乗っていて、隣に座ったアメリカ人と話したことがありました。<br /><br />その人は中学の英語教育プログラムで来ていたのね。<br /><br />私が「帰国したら教師になるのか?」って尋ねたら「教師は社会的に低く見られるのでやりたくない」って言ってましたね。<br /><br />しかし・・・私って若い頃はいろんな人に話しかけてたんだなあ・・・<br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
Posted by kingstone at 2010年06月28日 08:37
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