知的障害特別支援学校にいた頃。
※最近のエントリーの流れからするとさらに昔になります。
kingstoneです。
今日は、うーーんと・・・地域の特別支援教育初任者研修というやつでした。私の学校の教師は開催校なので全員出席。そこで超有名大学の自閉症研究で有名な超有名教授の講演がありました。
「自閉性障害のある子どもたちとのかかわりについて」
はーーー、ためいき。
まず「私に具体的対処法などが聞けると思う方はあきらめて下さい」とおっしゃり、まあ何というかいわゆる何をするにしても基盤となる考え方を教えて下さった、と思ったらいいのかな。
教師はその「具体的」部分で苦しんでいると思うのだけど。
例えば「子どもに能力が欠けている、という考え方ではいけない」ってのは「そこで教師なり親なりが対応を考えなくなり、反復の訓練で身につけさせようとしかしなくなるから」ということだそうです。
しかし「子どもに(ある部分の)能力が欠けているから、そこの部分はあまり使わず、得意な部分で関わりをつけていく」ということなら「欠けている」と考えてもいいわけだと私は思いました。
それから「脳に障害がある」という考え方は親がその時点で自分で何かをすることを放棄してしまうから駄目、ということも言ってはりましたねえ・・・。でも「障害がある」だから「どうしたらいいか考えよう」って考え方がいいのではないかと私は思いましたが。
たとえばこの超有名教授の場合は「自閉症」と(医者も)親に言ってはいけない、という考えです。
追記
もう、今はそんな考えは特別支援教育界にはなくなっていると思います。
この講演の当時も、もう古い考えになってきていたのではないかと思います。
ただ後では「健常児と同じ枠組みで考えてはいけない」「教師の(つまりは今までの学校文化)の枠組みで考えてはいけない」とか言ってはるから、つっこみは入れませんでした。
で、○○さんと親しくつきあい、お互いに影響を与えあっている、というのをたいへん嬉しそうに語ってはりました。単なる学者は実践しないが、彼は母子に関わるという実践をやっていて母子関係の改善でたいへん効果をあげている、とのこと。
単なる学者・・・これはあなたのことですか?
・・・・・○○さんは昨年の地域の講演で「自閉症が認知の障害だあ。そんな馬鹿なことはあるはずがない!!」と吐き捨てるように言って下さったよなあ・・・・。
で、最後に「私の考えの対極に、反復して訓練するというような考え方があり、私もよく喧嘩しています。しかしまあそうお考えの方は煮詰まるまでやれば良い」というようなことをおっしゃってました。
たぶんその「反復して訓練する」の中に応用行動分析やTEACCHを入れてはるのだろうなあ、と思いつつ、はっきりとは言わないからこっちもつっこみは入れませんでしたが。
で、応用行動分析にしろTEACCHにしろ「反復して訓練する」というイメージとは違うよなあ、と思っていました。
具体的な対応というかエピソードは、最初に宣言された通りほとんどありませんでしたが、終わり頃にひとつのエピソードを話されました。
ある施設の施設長さんの部屋を訪問した。二人にお茶が出された。自閉症の人が入って来てお茶を取り、口に含み施設長さんと超有名教授にプーッとお茶を吹きかけた。施設長と超有名教授はにこにこしていた。
・・・それって語るべき「素晴らしいエピソード」なのか・・・
で・・・びっくりしたのが質疑応答の時間に手が複数上がって「今まで実践で行き詰まっていました。先生のお話を聞いて癒され元気が出て来ました。また実践に取り組めます」「感動しました」という感想が出ていました。質問は無し。私は・・・困ったもんだ、と思って聞いていました。
そういや「パニックも、おそれるからいけない。どーんと構えていれば、無くならないまでもずいぶんパニックは減るのだ」とも・・・
いや、もちろん「どーんと構える」は大事なんですけどね、パニックになるのは何故かを考えて起こさなくていい環境を作っていかなきゃ。
昨年、今年と見ていて要するに地域の特別支援教育担当者のえらいさんの主流はそっちなわけですね。ためいき。
現場で苦しんでいる先生のことをどう考えているのかなあ。
実は今日の研修に参加するために別の小学校の特別支援学級の先生も来られていて、先日「自閉症のひとたちへの援助システム」を買って頂いた先生も来られていました。
その先生、ひたすらパズルをしつづける自閉症のお子さんとどうかかわっていいか困ってはったのです。で、「〜援助システム」を見て、教材を工夫してみたら、いろいろ子どもがのってきてくれた、という報告を頂きました。
またそのお隣に座ってはった先生は、パニックばかり起こしているお子さんとどう関わっていいかわからず、ひたすら体力で勝負できるようによく眠りがんばってきていた、という先生なのですが、たしか全情研でTEACCHでの関わり方を知り、絵カードで「着替え」などを伝えたところ、今までのパニックが嘘みたいなさっさとやりだした、という先生です。
私は身の回りで小さくいろいろ積み上げていくしかないよな、と思います。
現場に役に立たない講演ばかりするなよなあ>教育委員会
でも・・・ほんま「感動した」「元気を貰えた」という声が多い・・。
私も自閉症児の保護者の□□さんに罵倒されるくらいには「力動派」ではあるのですが、この現状は困ると思う。
超有名大学の超有名教授がやって来た2
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追記
ひょっとしたら、はるか大昔にあちこちで(?私自身は私の周囲しかわからないのですが)「威嚇と暴力」や「無理矢理やらせる」などの指導が充ち満ちていた時に、一定の役割を果たしはった可能性はあるかもな、とは思います。
後日、本屋さんで御著書を立ち読みしてみました。分厚い立派な本でした。自閉症についてあれこれ思索してはりました。もちろん買いませんでした。
植芝盛平翁と出口王仁三郎師から特別支援教育教師と超有名教授へ
学校現場での講演を頼まれてもすべて断ります。理由は「現場の先生は日々直接障害児に対して真摯に実践をされている。延べ人数で言えば我々研究者が太刀打ちできる数ではない。そのようなところに行って,せいぜい数時間だけ授業の様子を見てコメントを挟むとか,学校現場を評論するというのは失礼な話である」とのこと。<br /> 私は師匠運に恵まれました。</p>
>もずらいとさん<br /><br /> それも一つの見識ですな。<br /><br /> しかし助言できる人は欲しい。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
「助言できる人」はそれなりにいると思いますが,「助言される」方にも相応の知識と覚悟が必要なわけでして...。受け身一辺倒が多すぎるような気がします。</p>
>もずらいとさん<br /><br />ま、そりゃそうなんですけどね。<br /><br />大学教授とか専門家とかは、助けになる助言(馬から落ちて落馬して・・・みたいだ)ができるようにして欲しい・・・<br /><br />って、私の周囲でも少数の人はそれができましたけど。<br /><br />でもTEACCHの考え方で行くと教師も専門家・・・<br /><br /></p>
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教師は専門家です。問題はその自覚がない人が大半だと言うことです。</p>
>もずらいとさん<br /><br />あはは。反論なし(^-^)<br /><br /></p>
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