大昔に書いたものです。
ブログにも最初に反射的に書いたものはエントリーとして書いていましたが、これもこちらに載せておきます。こっちは@niftyの方が無くなっても残っていそうだから。
TEACCHって何?
障害児教育フォーラムで質問されたことに答えたことが元になっています。文中にもありますようにきわめてええかげんですから、きちんとした本にあたるなり、ちゃんとした研究会で勉強されるなりして下さいね。
アメリカのノースカラロイナ州(イメージとしは地方(落ち着いた、と言うべきか)の県)で親の会、大学、行政、学校、施設などが協力して自閉症児や自閉症に近いコミュニケーション障害の方への療育や暮らしに対応していこうというシステムです。
大事にすること
1.自閉症の特性(自閉症の文化)
自閉症の方や近いコミュニケーション障害の方の場合、感覚やその感覚を脳で処理するところに障害があると考えられます。わかりやすく言うと「世の中の見え方、感じ方、理解のしかたが「そうでない人」と違う」わけです。そこからどうやったらお互いうまくいくかを考えます。 自閉症の方が「そうでない人」から見て奇妙な行動をとることがあります。あるいは簡単に「そうでない人」にわかることがわからずに適切な行動ができないことがあります。
でもそれは「さぼり」や「なまけ」や「親の躾が悪い」せい、とは見ないわけです。
「そうでない人」にわかる方法が自閉症の人にわかるとは限りません。だから自閉症の人にわかる方法でわかってもらおう、と考えます。
その際、自閉症の方は耳で聞くことの情報処理は苦手なことが多いのに、目で見ての情報処理は強いことが多いので、視覚的な援助をよく使います。これがよく話題になる「カード」や「写真」です。(で、またTEACCHというのはカードを使うこと、という誤解のもとともなっています)
2.ひとりひとりに合わせること
自閉症一般の特性から考えることも大事にしてますが、ひとりひとりの特性に合わせることもすごく大事にしています。
3.自立
視覚的な援助などに助けられながらでも「ひとりでできる」(自立)ことを大事にします。これはほんの小さな生活の一部からでも始めようとしています。
4.自尊心
自立とも重なりますが、本人の自尊心を大切にします。
5.コミュニケーション
自閉症の方本人からの「生活に使える」自発的な表現を重視します。
6.保護者と専門家との関係
TEACCHでは保護者と専門家の関係に4つの場合があり、それぞれを大事だと考えます。またこの専門家には教師や保育士も含まれます。
1.専門家が保護者に教える
専門家はたくさんの例を見ていますから、特に混乱している時期
の保護者にいろいろ教えてあげ、楽にしてあげることは大切です。
2.保護者が専門家に教える
しかし、そのお子さんに関しては世界で1番よくわかっている
のは保護者の方です。保護者は専門家にいろいろなことを教えて
あげることができます。
3.お互いを支え合う
お互いにいいところを見つけて励まし合うことができます。
これはすごく大事なことです。
4.協力して社会を変えていく
社会を変える、というとえらく大げさになりますけど、例えば
買い物に行く、ということひとつをとっても、自閉症の方の
やり方で買い物ができる(ゆっくりだったり、さいふごと
レジの方に渡すやり方だったり)店が増えることは理解者を
増やし、自閉症の方の住み易い社会を作ることになります。
障害児教育についてアメリカ全土でIEP(個別教育計画)を立てることが義務づけられています。TEACCHは上記のような考え方で専門家と保護者との協力を大事にしていますので、IEPも非常に重視しています。(これも時にTEACCHとはIEPのこと、という誤解をしている人がいる原因ともなっています)
[補足]:勉強してみようという人のために
朝日福祉ガイドブック「自閉症のひとたちへの援助システム」
-TEACCHを日本でいかすには-(朝日新聞厚生文化事業団)500円
ブログにも最初に反射的に書いたものはエントリーとして書いていましたが、これもこちらに載せておきます。こっちは@niftyの方が無くなっても残っていそうだから。
TEACCHって何?
障害児教育フォーラムで質問されたことに答えたことが元になっています。文中にもありますようにきわめてええかげんですから、きちんとした本にあたるなり、ちゃんとした研究会で勉強されるなりして下さいね。
アメリカのノースカラロイナ州(イメージとしは地方(落ち着いた、と言うべきか)の県)で親の会、大学、行政、学校、施設などが協力して自閉症児や自閉症に近いコミュニケーション障害の方への療育や暮らしに対応していこうというシステムです。
大事にすること
1.自閉症の特性(自閉症の文化)
自閉症の方や近いコミュニケーション障害の方の場合、感覚やその感覚を脳で処理するところに障害があると考えられます。わかりやすく言うと「世の中の見え方、感じ方、理解のしかたが「そうでない人」と違う」わけです。そこからどうやったらお互いうまくいくかを考えます。 自閉症の方が「そうでない人」から見て奇妙な行動をとることがあります。あるいは簡単に「そうでない人」にわかることがわからずに適切な行動ができないことがあります。
でもそれは「さぼり」や「なまけ」や「親の躾が悪い」せい、とは見ないわけです。
「そうでない人」にわかる方法が自閉症の人にわかるとは限りません。だから自閉症の人にわかる方法でわかってもらおう、と考えます。
その際、自閉症の方は耳で聞くことの情報処理は苦手なことが多いのに、目で見ての情報処理は強いことが多いので、視覚的な援助をよく使います。これがよく話題になる「カード」や「写真」です。(で、またTEACCHというのはカードを使うこと、という誤解のもとともなっています)
2.ひとりひとりに合わせること
自閉症一般の特性から考えることも大事にしてますが、ひとりひとりの特性に合わせることもすごく大事にしています。
3.自立
視覚的な援助などに助けられながらでも「ひとりでできる」(自立)ことを大事にします。これはほんの小さな生活の一部からでも始めようとしています。
4.自尊心
自立とも重なりますが、本人の自尊心を大切にします。
5.コミュニケーション
自閉症の方本人からの「生活に使える」自発的な表現を重視します。
6.保護者と専門家との関係
TEACCHでは保護者と専門家の関係に4つの場合があり、それぞれを大事だと考えます。またこの専門家には教師や保育士も含まれます。
1.専門家が保護者に教える
専門家はたくさんの例を見ていますから、特に混乱している時期
の保護者にいろいろ教えてあげ、楽にしてあげることは大切です。
2.保護者が専門家に教える
しかし、そのお子さんに関しては世界で1番よくわかっている
のは保護者の方です。保護者は専門家にいろいろなことを教えて
あげることができます。
3.お互いを支え合う
お互いにいいところを見つけて励まし合うことができます。
これはすごく大事なことです。
4.協力して社会を変えていく
社会を変える、というとえらく大げさになりますけど、例えば
買い物に行く、ということひとつをとっても、自閉症の方の
やり方で買い物ができる(ゆっくりだったり、さいふごと
レジの方に渡すやり方だったり)店が増えることは理解者を
増やし、自閉症の方の住み易い社会を作ることになります。
障害児教育についてアメリカ全土でIEP(個別教育計画)を立てることが義務づけられています。TEACCHは上記のような考え方で専門家と保護者との協力を大事にしていますので、IEPも非常に重視しています。(これも時にTEACCHとはIEPのこと、という誤解をしている人がいる原因ともなっています)
[補足]:勉強してみようという人のために
朝日福祉ガイドブック「自閉症のひとたちへの援助システム」
-TEACCHを日本でいかすには-(朝日新聞厚生文化事業団)500円
自閉症の療育者 TEACCHプログラムの教育研修
E.ショプラ−、佐々木正美監修
神奈川県医療福祉財団(Tel: 045-321-1721) 1990.12
E.ショプラ−、佐々木正美監修
神奈川県医療福祉財団(Tel: 045-321-1721) 1990.12
(これは現在古書でしか手に入りません)
自閉症児のコミュニケーション指導法
E.ショプラ−他著、佐々木正美,青山均 監訳
岩崎学術出版社 1995.10 4635円
自閉症のコミュニケーション指導法―評価・指導手続きと発達の確認/リンダ・R. ワトソン

¥4,725
Amazon.co.jp
E.ショプラ−他著、佐々木正美,青山均 監訳
岩崎学術出版社 1995.10 4635円
自閉症のコミュニケーション指導法―評価・指導手続きと発達の確認/リンダ・R. ワトソン

¥4,725
Amazon.co.jp
この本はかなり難しいです。
現在なら PECS に関する本のほうがわかりやすいと思います。
TEACCHのホームページ
http://www.unc.edu/depts/teacch/
[注意]:
私もかなり以前からTEACCHという言葉は知っていました。また本も少しは読んでいました。しかし頭ではなるほどと思っても、腑に落ちる、というか「わかる」というところまではいきませんでした。
いろいろな研究会で実践の話を聞き、自閉症の方に参加して頂く研修に参加し、自分で実践してみて、またそこで生まれた疑問点を研究会で質問して、やっと少しわかってきたかなあ、というところです。
本を読んだだけで理解するのはかなり難しいかもしれません。
また上記回答は、参考文献を横に置いて書いたものではありません。
TEACCHが何の略かも書いていません。極めてええ加減に書いたものであることにご留意下さい。
TEACCHって何ですか?
−−−−−−−−−−−−−−−
追記
取りあえずTEACCHのホームページ、まだ無くなってはいませんね。
forbiddenなんちゃらかちゃら、が出るかと思った・・・
TEACCHのホームページ
http://www.unc.edu/depts/teacch/
[注意]:
私もかなり以前からTEACCHという言葉は知っていました。また本も少しは読んでいました。しかし頭ではなるほどと思っても、腑に落ちる、というか「わかる」というところまではいきませんでした。
いろいろな研究会で実践の話を聞き、自閉症の方に参加して頂く研修に参加し、自分で実践してみて、またそこで生まれた疑問点を研究会で質問して、やっと少しわかってきたかなあ、というところです。
本を読んだだけで理解するのはかなり難しいかもしれません。
また上記回答は、参考文献を横に置いて書いたものではありません。
TEACCHが何の略かも書いていません。極めてええ加減に書いたものであることにご留意下さい。
TEACCHって何ですか?
−−−−−−−−−−−−−−−
追記
取りあえずTEACCHのホームページ、まだ無くなってはいませんね。
forbiddenなんちゃらかちゃら、が出るかと思った・・・
「良くある質問」というのがなくなってしまいましたね。<br />「TEACCHはインテグレーションに否定的である?」<br />なんてのがあったのですが。<br />あと,日本とアメリカでは「重度」の認識がかなり違う<br />というのをりようしてないと混乱しますね。</p>
>もずらいとさん<br /><br /> 重度の認識は違うのでしょうね。<br /><br /> ノースカロライナ大学のTEACCH部がリストラされるという話があって、ホームページも無くなるのではないか、と思っていたのですが、まだ大丈夫みたいです。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
某パソコン通信のフォーラムでは「TEACCHに死角はない」とか礼賛者の「無誤謬主義」がすごかったです。ちょっと考えればそんなワケないのに。そして,15年くらい前の当時ですら一人200万円くらい州政府から金が出ている「契約による有償の療育」ということは,まぁ隠されていましたね。<br /> それに対して,今は「日本におけるTEACCHの限界」も見えてきましたし,そもそも実際にノースカロライナに行って「おたくのお子さんはシンボルカードの適用は無理です」となって失意のうちに帰ってこられた方も多くなり,ある意味現実的になっていると思います。</p>
>もずらいとさん<br /><br />えっ、障害児教育フォーラムそうだったすかあ?<br /><br />私なんかも「無誤謬主義」といえばそうなのかもしれないのですが・・・<br />なんせ「失敗は無い、ただ学ぶだけだ」って言葉が好きだったりしますから。<br /><br />やっぱりお金は欲しいですよね。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/
「TEACCHに死角はない」と。そういう文言がまかり通っていたのですね。</p>
>もずらいとさん<br /><br />う〜ん、死角ねえ・・・<br /><br />だいたいTEACCHって、単なる枠組みで、中味は何でもありだしなあ・・・<br /><br />で、「こらあかん」「こらまずい」と思ったら別のこと何でも取り入れるし・・・<br /><br />まあ何でも「万能感」を持ったらあきませんな。<br /><br /></p>
http://ameblo.jp/kingstone/